blogのトップへ
いつも書いているとおり文庫本メインの読書なので新刊でのベストはつけられないんだけど、一番面白かったのは「小林信彦/テレビの黄金時代」(文春文庫)。バラエティ番組とはなんぞや、ということが徹底して書かれていて、とくに「ゲバゲバ90分」の項は興奮しながら読んだ。
自伝系もやっぱり読んでいて、「小沢征爾/ボクの音楽武者修行」(新潮文庫)「細野晴臣/THE ENDLESS TALKING」(平凡社ライブラリー)「細野晴臣/レコードプロデューサーはスーパーマンをめざす」(絶版)、ファインマンさんシリーズ(岩波現代文庫)、「武居俊樹/赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」(文藝春秋)……。
しかし一番すごかったのは「吉田豪/元アイドル!」(ワニブックス)。
タレント本3000冊を所有する1970年生まれの著者が、杉浦幸、矢部美穂、いとうまい子、細川ふみえ、大沢逸美、安原麗子、吉井怜、生稲晃子、新田恵利、岩井小百合、伊藤つかさ、中村由真、大西結花、我妻佳代、胡桃沢ひろこ、宍戸留美、嘉門洋子、藤岡麻美、八木小織、緒方かな子、花島優子、杉田かおるらへインタビュー。素晴らしい仕事です。
ちなみに生稲晃子って「ミス南ちゃんコンテスト」の優勝内定者だったけど、既に事務所に入っていたのが問題となり受賞できず、ってなプロフィールがあるとか。こんなネタは序の口で大関級の発言が飛び出しまくり。
思わず「杉田かおる/すれっからし」(小学館文庫)をブックオフで、「同/杉田」を図書館で確保してしまった。
本屋や本に関する本といったメタ本もいくつか。
「北尾トロ/ぼくはオンライン本屋のおやじさん」(ちくま文庫)、「ビニールジャンキーズ」(河出書房新社)、「菊池敬一/ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を」(新風舎文庫)、「モダン古書案内[改訂版]」(中央公論新社)、「坪内祐三/私の体を通り過ぎていった雑誌たち」(新潮社)、「津野海太郎/歩く書物」(絶版)などなどで、ベストは「喜国雅彦/本棚探偵の冒険」(双葉文庫)でした。
コラムでは、新潮文庫ががんばって復刻した伊丹十三もの、「佐藤雅彦/毎月新聞」(毎日新聞社)、「森博嗣のTOOLBOX」(日経BP社)、「押井守/メカフィリア」(大日本絵画)、「鈴木芳樹/スローブログ宣言!」(技術評論社)、「赤瀬川原平/芸術原論」(絶版)、「沢木耕太郎/バーボン・ストリート」(新潮文庫)がよかった。
ノンフィクションでは、「須川邦彦/無人島に生きる十六人」(新潮文庫)、「浜島裕英/世界最速のF1タイヤ」(新潮社)、「深見填/こどものためのドラッグ大全」(よりみちパン!セ)、「山田真哉/さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(光文社新書)、「福井健策/著作権とは何か」(集英社新書)、「川島レイ/キューブサット物語」(エクスナレッジ)、「安藤健二/封印作品の謎」(太田出版)。
封印作品といえば「ちびくろさんぼ」が復刊されたのも書いておかなくては。
バラエティやムックでは「BOSSA NOVA」(KTC中央出版)、「ユリイカ増刊オタクvsサブカル!」、「吉田カバン完全読本」(エイムック)、「オトナ語の謎」(新潮文庫)、「バブル&コンパクトカーグラフィックス」(ピエブックス)などなど。
吉田カバンといえば、親から受け継いで兄弟でうまいこと商売を発展させたということがムックから分かるけど、一澤帆布工業は同じようなプロフィールでずいぶんもめているのが対称的で面白い。
小説は相変わらずあんまり読んでないけど、「重松清/日曜日の夕刊」(新潮社)、久々に読み返した「村上春樹/風の歌を聴け」がよかった。しかし、前者の「トワイライト」、後者の「中国行きのスローボート」はそれぞれいまひとつだった。
マンガはなんといっても小学館による藤子F不二雄の復刻。「ドラえもん+」なんて切り札を出してくるなんて。そのほか「ぴっかぴかコミックス」による幼年作品の復刻も神がかっていた。誰が2005年に「モッコロくん」を読めると思っただろうか?
大人買いした「二ノ宮知子/のだめカンタービレ」と、「ほしよりこ/きょうの猫村さん」(マガジンハウス)も面白かった。
買い続けている単行本では「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」はオリジナルサイドストーリーが熱い。んで、つい横にあった「トニーたけざきのガンダム漫画」(角川コミックス・エース・エクストラ)を手に取ったら面白すぎて立ち読みできず買ってしまった。
「ラブロマ」が完結したけどイマイチだったのが残念。
ベストは「Q.B.B./とうとうロボが来た!」(幻冬舎文庫)。
本・読書
-
2005
| text by expop 2006年01月09日22:57
| コメント (0)
いろいろ買い物記録。
まずはマンガ。
特殊能力アビルEXTRA
おおひなた ごう

おおひなたごうは必ず買うんだけど、この人は(個人的に、だけど)外すことが少ない。これはギャグマンガにおいてはかなりすごいことだと思う。
装丁をオリエンタルテクノロジーの指田さんがやっていてビックリ。いや、面識など全然ない方ですが同業他社の方で、デザイナーさんなのに(って言い方も失礼か)文体と内容が面白くて愛読してるんだけど、こんなところでお目にかかるとは。
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (11)
安彦 良和 矢立 肇 富野 由悠季

シャアとガルマのエピソードが展開。オリジナルストーリーになってから俄然面白い。まさにオリジン。
ラブロマ 5 (5)
とよ田 みのる

完結巻。すごい楽しみにしてたマンガだけど、正直この巻は個人的にトーンダウン。この作者はコメディセンスはいいと思うんだけど、キャラを掘り下げたり成長を描いたり、ってのはあまり向いてないんじゃないか。
げんしけん 7 (7)
木尾 士目

というのは、次に読んだこのマンガと比較してもそうなんだけど、こちらはうまいなぁと思いながら読ませられる。「イタイ」部分をちゃんと描けるというか。
CDは相変わらず紙ジャケ・リマスターものばかり。
VISITORS(紙ジャケット仕様)
佐野元春

Cafe Bohemia(紙ジャケット仕様)
佐野元春 with THE HEARTLAND 佐野元春

「Cafe bohemia」はいつかちゃんと取り上げたいと思ってはいるんだけどやっぱりかっこいいです。
「Visitors」はヒップホップに影響を受けたとかいうことばかりが強調されるけど、ふつうにいいアルバムだと思う。実はそんなにラップっぽく歌ってるわけではなかったりするし。
名盤「ボズ・スキャッグス/シルク・ディグリーズ」も買い直した。
DVD。
DVD「クラフトワーク/MINIMUM-MAXIMUM」
ついにでたよー、延期に次ぐ延期でどうなってんの?と思ったけど、出てしまえばこっちのもん。1999/8/9付けの記事(21世紀デパートの「クラフトワークBOX&LD」)でこういう商品が出ないかなぁ、と書いていたけど、ホントに出るとはね。映像はかなりスタイリッシュ。ちゃんとアンコールのロボットたちも登場。君たちはほんとにバカだなぁ。
DVD「Yonda? Movie」
新潮文庫のキャンペーンでもらえる人形アニメのDVD。
以前せっかく応募マークをためて送ったのになぜかこのビデオがもらえなかったけど(こちらが送った際の郵便事故か?)、今度はちゃんと届いた。結果的にDVDになってからもらえたのでよかったんだけど。
内容はまだちゃんと見てないけど、「トトロ」→「パンダコパンダ」経由でパンダブームのうちの娘にとってはヒットだったみたいでちゅ、いや、です。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年12月28日02:20
| コメント (0)
先日、書店で重松清の本を偶然手にとってパラパラと読んでみると、面白くて一気にその短編を読んでしまった。「卒業ホームラン」という短編集「日曜日の夕刊」の一編だったんだけど、実は重松清の本って読んだことなかったのでいい機会だと思って購入。
日曜日の夕刊
重松 清

いやぁ、うまい小説を書く人だなぁ。今さらなのは重々承知で書くけど。
今は短編しか読んでないけど、どれも出だしが非常にうまい。
安易に泣きや感傷に走らず、それでいて読後感はいろいろ感じさせられる。
わりと現代風な言葉づかいとかセリフもあるけど、ギリギリリアリティを保っている。
他の本もいくつか読んでみたいと思った。
そんなタイミングで以前から太陽の塔の表紙が気になってた彼の「トワイライト」が文庫化。さっそく買って読み始めている。
*
ところで、NHKスペシャルで矢沢永吉を放送するらしいけど、構成が重松清。
こりゃ期待大でしょう!
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年12月06日23:01
| コメント (1)
今回のネタは
・シャンプーとt.A.T.u.
・「パンクポンク」と「おはよう!スパンク」
・「きょうの猫村さん」と「生協の白石さん」
の三本です。ンガクック。
こちらからどうぞ。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年12月04日08:31
| コメント (0)
何冊か集中的にマンガが発売。
漫画家超残酷物語
唐沢なをき

新刊コーナーで発見。唐沢なをきは当たりはずれがあると思うんだけど、これはまぁまぁ当たり。
「がんばれみどりちゃん」はハズレだった。割とメジャー雑誌で連載してるはずなのに……。
藤子F不二雄/ドラえもんプラス 4
これ、ドラミちゃんをおぶっているドラえもんのジャケがめちゃくちゃかわいくてグッド。
藤子F不二雄/ウメ星デンカ1
そして、ぴっかぴかコミックスはウメ星デンカ。月末には2巻も出る予定。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年12月02日02:15
| コメント (0)
通勤快読用にストックしてあった文庫本や新書が底をつきつつあったけど、先のエントリーで書いた数冊などなんとか補給できた。
その他にも
「小林信彦/テレビの黄金時代」(文春文庫)

を買って読んでいるけどこれがめっぽう面白い。同著者の自伝的小説「夢の砦」のノンフィクション版、といったおもむきで、話のはじめがこないだ見た「ALWAYS 三丁目の夕日」あたりの時代なのも個人的に興味津々丸。
ではちょっと前に読んだ本の紹介。
別冊宝島編集部「甲子園名勝負!」(宝島車文庫)
タイトル通り、甲子園の名勝負の数々を紹介している。内容はいいとして、これを読んでいて甲子園からプロ野球に入った選手が気になっていろいろ調べてたら、僕は中途半端に知識がある分、面白かった。
たとえば、
・73春夏準決勝で江川擁する作新を破った広島商には達川光男(広島カープ)がいた
・81夏、工藤公康(名古屋電気)と金村義明(報徳学園)が対戦。
同チームねただと
・79春夏浪華商で牛島和彦と香川伸行がバッテリーで出場。
・87春夏PL、片岡篤史と宮本慎也
・88春89春夏上宮、元木大介と種田仁
・92春PL、今岡誠と松井稼頭央
と意外な人が一緒にプレイしてたり。
あと松坂擁する横浜高校が優勝した98年夏の序盤でノーヒットノーランをやった投手がいたなぁと思ったら、あれが現ダイエーの杉内なんですね(横浜高校戦で敗退)。知らなかった。
その年って松坂、杉内の他にも新垣、和田毅、久保田智之がいてやたら投手豊作だなぁ。
他にもいろいろ面白いネタがあるけど、これぐらいに。
なお、どれもネットでのファンサイトなどを参照にしてるので、間違いがあるかも。上記のメモはソースとしてはとても頼りないものと思ってください。
少年カメラクラブの時間
藤田 一咲

webをはじめてデジカメで写真を撮るようになって撮影とか写真の面白さとかを知ったけど、自分で撮る小物の写真はあくまでオーソドックスな撮影方法、いわゆる教科書的な撮り方しかしてない。
この本ではそこから一歩踏み出して、たとえば日光写真、ピンホールカメラ、トイカメラ、コンパクトカメラなどチープなカメラとそれで撮影した写真を紹介。
写真はどれも雰囲気があっていいけど、ややテキスト部分が面白くない。そこは著者がカメラマンなので、しょうがないか。
エイ(木へんに世)出版の文庫はかわいくて雑貨好きな心をくすぐります。
森 博嗣/森博嗣の TOOL BOX

ミステリ作家・森博嗣は20代ぐらいの人にはとても人気があるそうだけど、残念ながら自分はその小説はあまりピンと来なかった。でもノンフィクションものはなかなか面白いので日記シリーズを中心に何冊か読んでいる。
机周りの工具やメカなどをテーマにしたこの本は、今まで彼が書いたノンフィクションの中でもバランスがとてもよくて楽しめた。著者の特徴である、理屈っぽいところ、ややセンスのないユーモア、耽美的な部分、メカ好きのバランスがとてもうまく、他の本でありがちな多少イヤミな部分やくだらないダジャレなどが顔をひそめて、一冊の本としていいパッケージングがされていると思う。
この本を読んでから同著者の初エッセイ「工作少年の日々」(集英社)を図書館で借りてきたけど、こちらは本人があとがきで書いているようにエッセイとして成功しているとは思えなかった。
いくつかエッセイを書くうちにコツのようなものをつかんだんじゃないだろうか。
また装丁(松嶋和実)や横長で正方形に近いサイズ、本人が撮影したであろう写真などブックデザインもいい。
小澤征爾/ボクの音楽武者修行

世界的指揮者小澤征爾が、24歳で単身ヨーロッパに渡航、富士重工に宣伝費としてそのお金をだしてもらい、スクーター(ラビットジュニア125cc、写真が載ってるけどすごいかわいい)でパリに向い、ブザンソン国際指揮者コンクール入賞で優勝し、カラヤン、バーンスタインに師事して世界に認められていく過程が自伝の形でまとめられている。
とはいっても、27歳の時に書かれているので自伝というより手紙を中心にまとめた、ここ最近のボクの近況、ってな力みのない語り口になっているのが貴重。
というか、この本は「リアル千秋」(@「のだめカンタービレ」)なのだ。あのマンガに出てくる千秋とはキャラクターが全然違うけど、日本人が海外で認められていく過程というのはのだめの作者も参考にしたんじゃないだろうか。のだめファンなら副読書としても楽しめるはず。
また、以下は現在はないwebページのキャッシュから拝借した小沢家の家系図であるけど、
小沢開作━━┯━━小沢さくら
(歯科医・政治活動家)│(作家「北京の碧い空を」)
│
┌──────┬─────┴──────┬─────────────┐
│ │ │ │
(長男) (次男) (三男) (四男)
小沢克巳 小沢俊雄━━┯━小沢牧子 小沢征爾━━┯━入江美樹 小沢幹雄
(彫刻家)(筑波大名誉教授)│(心理学者) (指揮者) │(モデル) (俳優)
(ドイツ文学) │ │
│ ┌──┴────┐
小沢健二 小沢征良 小沢征悦
(歌手) (演出家) (俳優)
「小沢一族」に触れるという視点でも面白い。小沢健二の父親である「兄貴」も手紙の中でしょっちゅう出てくる。
100%ORANGE/スパゲッティになりたい

最後は自分の本ではなく、子供のために買った絵本。
これをチョイスしたというのは「いかにもお前らしい」などと言われそうだけど、実は絵本に関して僕はどちらかというと保守的なのであって、このような最近のイラストレーターが書いたものは敬遠していた。
というか、最近まで子供に絵本を読んでやる機会があまりなかったので、どんな絵本がいいかさえもよく分からず、家にけっこうな数がある絵本はすべて奥様が選んだものだった。
ちょっと読んでやるようになると、長さや文章の多さ、話の複雑さなど、子供に最適なレベルが少し分かった気がして、本屋でも絵本のコーナーを見るようになったというわけ。
この本がいいなと思ったのは、スパゲッティ、うでどけい、ハブラシ、はさみ、おはし、などなど実際にうちの子供が好きなものが多く描かれている点だった。その点が「子供っぽく」ではなくて「子供の視点」で書かれているなぁ、と。
もっともうちの子供はあまりこの絵本への反応はよくない。絵がちょっと個性的すぎるから、まだ早かったかも。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年11月16日00:38
| コメント (0)
ギンザグラフィックギャラリー(ggg)で開催されている「祖父江慎+cozfish展」に行ってきました。11/26までやってます。
祖父江慎、ときいてピンと来なくても本好きなら彼が手がけた装丁の本は必ず見たことがあると思う。
自分が持っているものだと
よりみちパン!セシリーズ(「いのちの食べかた」「こどものためのドラッグ大全」)「ムーミン・コミックス」「ケロロ軍曹」「完全版おそ松くん」「岡野玲子/陰陽師」「とりみき/SF大将」
……ってマンガ多いな。活字は文庫本主体で買うからだと思う。
読んだことや書店で手にしたことがあるものだと、
有名な「伝染るんです」他吉田戦車のいくつか、「さくらももの/神のちから」ほか、「松本大洋/GOGOモンスター」「言いまつがい(単行本の方)」「杉浦茂マンガ館」「どすこい(仮)」「ルー・ガルー」「悪趣味百科」「講談社ミステリーランドシリーズ」
……って書いていくときりがない。
どうでしょ、どれか一冊ぐらいなかったでしょうか?
会場では「出点作品一覧」というコピー紙がもらえるんだけど、仕掛けがたくさんなので先にこちらを読んだ方がいいみたい。
トイレの前に「ウゴウゴ文学大賞選集 うんこ」がおいてあったり、階段に「耳袋」とか怪談本がおいてあったりといったこの人が好きそうなベタなネタも解説されてるし、僕は単なる飾りだと思ってた映像が実はパラパラマンガを見せてくれていた、とかかなり気が抜けない展示がされている。
その辺、事前にお腹空かせておかないと、かなり胃もたれする感じ。
*
僕は子供の頃、自分でも信じられないぐらいに本を読まなかった。
そんな僕がマンガ以外の本に興味を持ったのは、親父の本棚にあった本の造本だったり装丁だったりがきっかけだった。たとえば中身は興味ないくせにそういった装丁のカッチョイイ本を抜き出して自分の部屋に飾ったりしていたぐらい。
今思うと祖父江慎が手がけた「荒俣宏/本朝幻想文学縁起」もそういった一冊だった。表紙にはぶっとい活字がモリモリと印刷されていて手触りも当時としてはかなり変わったものだった。
祖父江慎の装丁はとても肉感的だと思う。それは手触りということだけじゃなくて、とても「本」というオブジェに対するフェチぶりを感じる、ということだ。
来場していた人がみんなして彼の装丁した本をねぶるように触ったりじろじろ眺めていた図はなかなか面白かった。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年11月13日22:34
| コメント (0)
これすごいよ、これ!フンガー!
バブル&コンパクトカーグラフィックス
ピエブックス

あれ、なんか自分が買ったのと表紙が違うけど……、まぁいいや。
本屋で目にして、値段見ずに購入決定(4000円ぐらいしましたけど)。
このwebでしつこく紹介している、実在した小さな車=バブルカーのチラシやらイラストやら写真やらが満載。メッサーシュミット、イセッタ、フィアット500、スバル360、マツダR360クーペがメイン。
あぁ、こういう自分のために作られたかのような本に出会うとホントにうれしい。
通勤快読用の文庫本が底をついたので、調子に乗って何冊か購入。
まずは発売日を待っていた赤瀬川原平先生の新書。
目玉の学校(ちくまプリマー新書)
クラフト・エヴィング商會が装丁のちくまプリマー新書は気になるシリーズだったけど、ようやく買えた。
先生得意の「見る」ことに関しての本なので期待。
あるblogで「瀬名秀明/八月の博物館」(角川文庫)を紹介しているのを読んで、以前読むかどうか迷ってやめたんだけど、もう一度チェック。
が、やっぱりあまり読む気がせず(長くて字が細かすぎる)、うーんと思って隣を見たら
ハートのタイムマシン!—瀬名秀明の小説/理科倶楽部
瀬名 秀明

なんて本があって、これもしや、と思って手に取るとビンゴ!
以前から読みたいリストに入れていた、岩波高校生セミナー8「小説と科学 文理を超えて創造する」(岩波書店)を文庫化したものだった。
ずっと読みたかったのでちょうどよかった。しかし、タイトルが変わりすぎだよなぁ。
いつもチェックする木世(エイ)文庫の棚を見ると、
鈴木ケイザブローのレディオデイズ
鈴木 啓三郎

こんなのが。
ラジオ番組の舞台裏とか興味があるので、便乗購入。
ルミネカードを作ったため新宿ルミネ内のブックファーストでは5%オフで本が買えるので、うれしい悲鳴。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年11月10日00:42
| コメント (0)
自宅から歩いていける目黒区美術館で、イームズの展覧会をやっていたので行ってきた。
目黒区美術館チャールズ&レイ・イームズ〜創造の遺産〜 2005/10/8〜12/11
この展覧会、アメリカやヨーロッパをまわってようやく日本に来たんだけど、偶然うちの奥様がワシントンへ行った時にやっていて、その時に話だけは聞いていた。
僕がイームズファンになった、2001年夏に東京都美術館での「イームズ・デザイン展」は日本独自の企画展だったけど、今回はよりオフィシャルに近いものらしい。「イームズ・デザイン展」の感想にも書いたけど、僕は彼のイスとか家具にはさほど興味がなくて、彼の作る教育映画のファンなのである。
その映像作品に関しては「イームズ・デザイン展」の方が展示数が多かった気がするし、たとえば映像作品に一切日本語字幕がなかったり、と「そのまま持ってきた」感がかなりあって、やや不満。
11/23と27にイームズフィルム セレクション1《アメリカのミッド・センチュリー》・イームズフィルム セレクション2《芸術と科学》という上映会があるので、そちらに期待。
家具などの展示点数もそれほど多くないけど、面白かったのは、イームズ夫妻の所蔵品。
といってもいわゆるガラクタなんかが引き出しに入っていて、それを引き出して見るんだけど、他人の机の引き出しなんかを見るのって今はもうなかなかできないけどとても楽しいことで、ましてやイームズ夫妻の引き出しを覗き見できるなんて!
世界中のコマをあつめた映像作品「Tops」やおもちゃを集めて作った「おもちゃの汽車のトッカータ」「パレード」なんかを見ると、この人たちはホントにこういった「小さきもの」をたくさん集めた人なんだろうなぁとは思っていたけど、やっぱりその通りで、ちまちましたものが引き出しの中にギッチリと詰まっていた。すごいシンパシーを感じる。
あと35万点あるというスライド写真の一部も展示。これも形なきものをコレクトしてたんだろうなぁ。
*
さて、先日までこれらの本を読んでたんだけど、
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉
リチャード P. ファインマン Richard P. Feynman 大貫 昌子

困ります、ファインマンさん
R.P. ファインマン Richard P. Feynman 大貫 昌子

バリバリ文系だった僕にもファインマンさんのこれらのシリーズは面白かった。理系の人にみられる「正しいことしか言わず、正しいことを行おう」とする態度の潔さとそれをイヤミに感じさせないユーモア。
イームズ夫妻とファインマンさんの好奇心には共通点があると思う。
イームズはチャールズが1907年生まれ・レイが1912年生まれ、ファインマン氏は1918年生まれ、と同時代にアメリカを生きた人たち、ということで環境的にも似たようなところがあったんだろうか。
またファインマンさんが
科学的知識というものは、非常に疑問のあるものから、ほとんど確実なものまで、さまざまな度合いの確実性をもった理論の集まりですが、絶対的な確実性をもつものはいっさい存在しません。
といっているのが印象的だった(科学の価値とは何か「困ります、ファインマンさん」)。
それ以外でも宗教的なダマシを暴こうとしたり、芸術に感動したり、なぁなぁになっている組織にて断固として自分の態度を崩さなかったり、とそのキャラクターが本当に面白い。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年10月17日00:14
| コメント (0)
最近読んだマンガねた。
以前から「ピーナッツ(いわゆるスヌーピー)ってその面白さがよくわからないよなぁ」と思ってたんだけど、その個性的なキャラクターたちは味わってみたかった。
だけどどうも単行本、しかも編集ものがたくさん出ていてどれを読んでいいのやら。
前から行ってみたかった青山にある旅関係書物に強い本屋「BOOK246」へ行ったらこんな本があったので、即購入。
A Peanuts Books Special featuring SNOOPY -チャーリー・ブラウンの逆転ホームラン-
チャールズ・M. シュルツ 谷川 俊太郎

文庫ドラえもんでいうと「ジャイアンズ編」(そんなのないけど)。野球に関するエピソードをセレクトした一冊。これなら読める。
初期の頃から最晩年の作品まで入っているので、今とはまるで違うけどこれはこれでかわいいチャーリー・ブラウンが見られる(スヌーピーはちゃんとビーグル犬っぽいし!)。
注目のペパーミント・パティはやっぱりスヌーピーのことを人間だと思っている。
キレたマーシーも見もの。
でも、ルーシ−とサリー、シュローダーとライナス、それぞれキャラがかぶってると思う。しかもこの辺の関係がゴチャゴチャになる。
お次は、藤子不二雄との共作「オハゲのKK太郎」が収録されているので買ったこれ。
おそ松くん 完全版 (22)
赤塚 不二夫

1995年に竹書房から文庫本で「おそ松くん」が全7巻で出ていてそれは実家にあるんだけど、今回のは完全版らしい。装丁は見れば分かる祖父江慎仕事でイカす。11/4〜11/26にギンザグラフィックギャラリーで祖父江慎+cozfish展があるので行くつもりです。
さてこの22巻は、「週刊少年キング」に移ってからのほとんどイヤミが主人公のエピソードが収録されているんだけど、これがつまらない。僕の中では赤塚不二夫のマンガって面白いことになっていたんだけど、これを読む限りはちょっと……。なんか「ギャグゲリラ」とか読んだ時のキツさを感じた。端的にいうと出てくるキャラクターが気持ち悪いんだよね。かわいさがない。
その点、本屋で隣においてあったので思わず購入したこちらの文庫本は、赤塚不二夫のキュートな部分が全開。
赤塚不二夫名作選 (5) ひみつのアッコちゃん
赤塚 不二夫

和田誠ジャケがモノとしていい。
実は僕の世代では、最初のアニメの放映時は生まれてなくて、リメイク版「ひみつのアッコちゃん」放映時はもう大きくなっていて見てないぐらいなのでちょうど知らないのだ。昔は「魔法使いサリー」と区別がつかなかったぐらいだ(こちらは横山光輝ですね)。
ストーリーもほのぼのしていて和むし、昭和な感じのレトロなインテリアや衣装もいい。
でもなんといっても親友モコちゃんの弟・カン吉の生意気だけどかわいいのが絶妙。この辺、チビ太にも通じる赤塚不二夫特有の愛嬌たっぷりのキャラで読んでいて楽しい。
最初はコンパクトじゃなくて大きめの鏡で変身していたってのは知らなかった。
ちなみにこの名作選は、「天才バカボン」「おそ松くん」「もーれつア太郎」「レッツラゴン」とあわせて全5巻。
最後はマンガではないんだけど……
あの人気マンガの続きが読みたい!

この手の本はできるだけ手にしたくなかったんだけど、ほとんど自分は読まないであろう&しかしどういうものかは知りたい、という作品ばかりだったのでついつい買ってしまった。
いやぁ、僕はマンガ雑誌を読んでないから疎いんだろうけど、世の中にこんなに続編やリメイクがあるなんてねぇ。とくにジャンプ系がやたら多い。マガジンもちらほら。サンデーはほとんどないね。サンデーの何がすごいって今でもあだち充と高橋留美子が看板マンガ家であることじゃないかな。ジャンプではありえない。
少年・青年マンガだけじゃなくて、少女マンガでも「花のあすか組!」「私を月まで連れてって!」「僕の地球を守って」「スケバン刑事」の続編があるとは。
それでも、たとえば松本零士作品が一切なかったりと、ここでも取り上げられてないものもあるはずなのだ……。うーん、ホントに再生産の時代に入ってるんだなぁ。
この中で読んでみたいなぁと思ったのは「村枝賢一/仮面ライダーSPIRITS」(ゼクロスのエピソード、ってのがいいなぁ)、「由利聡/風魔の小次郎 柳生暗殺帖」か。
ところで車田正美は「男坂」の続編を書くべきなのではないか?
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年10月13日00:47
| コメント (0)
10年ぐらい前、いやもっと前かもしれない、漫画の内容を統計学的に分析するといえば聞こえがいいけど、ただひたすらさまざまな事象を調べてあげてデータ化するということが流行ったことがあった。たとえば、ドカベンの明訓高校の勝率だとかブラックジャックの手術の成功率だとか。ちょうどウルトラマンを科学的に捉えるというようなややスノビッシュなことが面白いと思われる時代だった。「カノッサの屈辱」とかも同時代な匂いがする。
でも「ドラえもん」に関してはそういうものの研究対象にされたことがなくて、あー自分で調べてみたい、と思ったことがあった。そんな欲望に答えてくれるサイトがこちら。
ドラえもん研究サイト 「のびダス」
ホントにすばらしい。とくに「のび太のシャツ」オールカタログ−全823話135着大図解は労作なので、ぜひ見ましょう。
これで思い出したけど、文庫でテーマ別のドラえもんが出た時にこんなのが読みたいなぁと思っていたテーマがいくつかあったので、覚え書き。
・のび太ホビー編
プラモ、ラジコン、ゲーム(ボード・ビデオとも)、同人誌(週刊のび太)、けん銃王コンテスト、王かんコレクション、階級ワッペンetc.
藤子F不二雄が提案する「遊び」ってすごい憧れたし、実際にマネをして遊んだこともあった。
・海賊放送編
鏡などの特殊映像メディアも含む。オバQでも町内新聞を作るエピソードがあって、マネして作った覚えがある。
・のび太別荘・隠れ家編
ひみつ基地、マンション、氷の家とか。
・スネ夫別荘編
冒頭がスネ夫の別荘から始まるエピソードっていくつあるんだろ?
この他に「ジャイ子作品リスト」ってのもあったけど、「のびダス」のジャイ子・登場全話ガイド〜全国のジャイ子ファンに捧ぐでかなり達成。
「0点・家出編」ってのは出てるけど、「のび太家出全リスト」もぜひ見てみたい。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年10月08日11:50
| コメント (0)
もう1ヶ月前になるけど、僕もこの本を読んだ。
ユリイカ 2005年8月増刊号 総特集 オタクvsサブカル! 1991-2005ポップカルチャー全史
加野瀬 未友 ばるぼら

率直に言って面白かった。タイトルの「オタクvsサブカル!」がうまいなぁ。誰しもが「そんな対立軸ってあるのか?」っといきり立ちながら手にとってしまうという。
それにしても、今の僕はいわゆる萌えを中心としたような「オタク」カルチャーはかなり引いちゃってる。でも、10年ぐらい前は「エヴァンゲリオン」にハマったりしてたわけだし、ガンプラだって守備範囲だった。
だからこの本を読んでふと考えてしまったのだ、僕はいつの間にオタクが嫌いになっちゃったんだろう、と?
よくよく考えてみると、最近の男性オタク文化というのがどうも美少女というかキャラクターを中心にまわっているところに違和感を感じてるみたい。端的にいって、僕にとってそれがグラビアアイドルだろうがアニメのキャラだろうが、そういった女の子を愛でることが趣味とはとても思えないのだ。もちろん、そういうことが気持ち悪いというのもあるんだけど、それ以上に「そんなのが趣味なのか?」という疑問があるんだと思う。
「女の子が好きです」ってことが趣味だ、といわれる違和感というのはたとえば、「おいしいものを食べるのが趣味です」とか「服を買うのが趣味です」なんて言われた時の違和感に近い。たぶん僕にとって趣味性の高さと生きることに必要なことからの遠さ、というのは比例するんだと思う。
もちろんそれはそれぞれの趣味だから別にいいんだけど、この本の中でもちらりと触れられているけど「サブカルは女の子と仲良くしてる、オレたちと違う!」というのは筋違いなわけで、たまたま話せる話題があるから話してるだけ。それは自分がそうだったからとてもよく分かる(もちろん、そこから恋愛に発展しちゃうこともあるんだろうけど少数だと思う)。
そういう点でいうとキャラクターを愛でる「オタク」の男女だとなかなか接点できないだろうし、その辺が「サブカル」への変な敵対意識を生むのかなぁとも思った。
「サブカルは気取っていて自らの性癖みたいなものを表に出さないから卑怯だ」と言うのはあるのかもしれないけど、実はそれが趣味の中心部分じゃないので出す必要がないといった方が正しいのかもしれない。
この本で何人もの人が書いてるけどしょせんオタク・サブカル両者とも「文化系」じゃん、と思わなくもないけど。
……なんていろんなことを考えさせられた一冊だった。
*
あとは最近読んだ本をざっと。
「伊丹十三/再び女たちよ!」(新潮社)
「女たちよ!」がけっこう面白かったので、また一冊読んでみた。これは最初の奥さんと離婚して宮本信子と結婚した辺りに書かれたそうだけど、かなり内容がまろやかになっていて、「女たちよ!」にあった鼻につく部分がずいぶん少なくなっていた。
「細野晴臣/細野晴臣インタビューTHE ENDLESS TALKING」(平凡社ライブラリー)
1992年に出た本の文庫化。
細野さんのアルバムはいつの間にかけっこう持ってたり、なんだかんだで本もけっこう読んだりしてるんだけど、この本はかなり面白かった。
細野晴臣という、演奏家としての顔、作曲家としての顔、プロデューサーとしての顔、といろいろ持っている人だけにその葛藤がよく分かる。インタビュアーの北中正和氏も丁寧に話を聞きだしていい仕事をしている。
「村上春樹/風の歌を聴け」(講談社文庫)
「BANANA FISH」を読んだら村上春樹の小説を読みたくなって(たぶんサリンジャーからの安易な連想だと思う……)、でも文庫になった未読の「海辺のカフカ」とかはどうも読む気がしなくて、デビュー長編のこれが新装版で出てたなぁと思って再読。再読、といっても読んだのは高校生の頃だからもう15年ぐらい前。
うーん、いつもうまく言えないんだけど、村上春樹の本を読むと「何か」を感じる。けれどそれが一言ではいえないようなものなんだなぁ。ゆえにこの作家はすごいと思うんだけど。
あとやっぱり洒落てるなぁと思った。といっても、「オシャレ」という言葉を越えているというか、「キザ」でもないし、「センスがいい」でもないし、いちいちかっこいいのだ、隙がないぐらいに。小道具や舞台にする街なんかも現実にありそうなのに、きっとどこにもない「村上春樹ワールド」の一つになっていて、それはやっぱり作家の力なんだろう。
あと下手すると現実味のない内容になりがちかもしれないのに、妙なリアリティがあって、その辺も支持される理由なんじゃないかなぁ。たとえばこの本に出てくるデレク・ハートフィールドがまさにそう。
次は未読の「中国行きのスロウ・ボート」を読む予定。初期の頃の作品の装丁が、これまたいちいちいいんだよなぁ……。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年09月25日00:18
| コメント (0)
このところ、偶然いくつか名前を聞いていたいわゆる少女マンガを読む機会があったので、まとめて感想。
えーと、最初に断っておくけど現在の僕はてんでマンガには疎くて、定期購読してるマンガ雑誌はゼロ。自分の好きな漫画家の単行本をチョロチョロ買うぐらい。しかもほぼギャグorコメディマンガ中心。そんななんでこれから書くことにムッとしても、知らないやつが言ってるんだ、ぐらいに思ってください。
(……などと予防線をはっておかないと恐いのが少女マンガのファンなのだ)。
Banana fish (1)
吉田 秋生

以前から名作と聞いていていつか読みたいと思っていたけど、会社のリフレッシュルームにあったので読破。
「アッシュ」というキャラクターは魅力的だけど、主人公2人の友情がどうしてもよく分からなかった。たぶんそこがこのマンガの評価のキモだと思う。でも決してゲイ的な愛情になってないのは好感。
ストーリーの冒険小説的・ポリティカルフィクション的な部分はとても苦手というか読んでてつらかった。「MONSTER」とかも全然楽しめないタチなので。しかもわりと「BANANA FISH」の謎がチャチいのは残念。後半はほとんど話にからんでこないし。本編よりも番外編「Banana fish another story」のいくつかの短編の方が、余韻があってよかった。というかこれを読むために本編を読む価値あったと思った。ただ、よく紹介でみた「NYの町並みがリアル/ハードボイルドストーリー」って評価・紹介はどうなのかなぁ?
絵はあまり好きではないけど、前半・後半でガラリと変わるのが興味深かった。前半は大友克洋っぽくて、後半は上條淳士っぽい。
ハチミツとクローバー (1)
羽海野 チカ

妹が1巻だけくれたので読んでみた。表紙の手触りが気持ちいい。
絵は今回取り上げた中で一番好き。手足が大きく、スラッとしててとても今風。岡崎京子以後な感じ。
ギャグの入れ方もとても現代的。
続きは機会があったら……という感じ。
「NANA (1)」
矢沢 あい

ごめんなさい、コンビニでパラパラと見ただけでよく知らないんだけど。
とりあえず「登場人物がファッションセンス抜群」ってホントかなぁ?もちろんファッションのベクトルがどこへ向いてるか、で全然違うからニンともカンとも(と逃げる)。ただ、服の素材感とかはめちゃくちゃこだわってるなぁ、という感じ。なんていうか、鳥山明のメカニック描写が評価されるのに似た印象を受けた。
ちなみに作者の矢沢あい、1985年18歳でデビュー。20年選手。ペンネームは矢沢永吉から、だそうな。
のだめカンタービレ(1)
二ノ宮 知子

これは面白い面白いと聞いていて、試しに1巻を買ってみたら「イケル!」ということで珍しく自腹で単行本を買っている。
とにかくギャグの入れ方がうまい。ツッコミ(マンガにおいては誰かに対してしらけたり、変な顔になったりすること)がとくにいい。
それでいて「さそうあきら/神童」のようなテーマもはいってたり。でも決して主人公のだめが「ガラスの仮面」の北島マヤのように完璧な天才じゃないところもいい。
実は絵はあまり好きではない。
ちなみに作者の二ノ宮知子は、最近読んだ「消えたマンガ家—アッパー系の巻」の中で「よっぱらってマンガ描いてゲロ吐いてチチ出してあばれる女」と愛情を持って書かれている(あ、決して彼女が「消えたマンガ家」として載っているわけではなくて話の上で触れられているだけ)。リアルのだめじゃん。
「消えたマンガ家」といえば、この中の「エースをねらえ!」の作者で新興宗教の教祖になってしまったという山本鈴美香の話はけっこう強烈だった。あと「ガラスの仮面」の美内すずえもそっち系と聞いてたけどここまでとは。
少女マンガじゃないけど、「消えたマンガ家」で紹介されいてた「中本繁/ドリーム仮面」読みてー(絶版)。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年09月16日01:21
| コメント (0)
9/3はドラえもんの誕生日ということで、毎年何かしら本やグッズがでるんだけど、今年は「ドラえもんプラス3」が発売されて大変楽しく読んだけど、実は数日前にこんな本が出ていたのだ!
「藤子F不二雄/モッコロくん1」

ファンの間ではかなり激震が走っているんだけど、こんな幼年向けの藤子F不二雄作品が単行本にまとまるなんて誰が思っていただろうか?
内容はゴキブリ虫のモッコロくんが主人公ゆうちゃんに助けられ居候するといういつものパターンで、キャラ的にはできるコロ助という感じ。丸っこいのがかわいくて、思ったよりも楽しめた。
この勢いで「バウバウ大臣」「ドビンソン漂流記」なんかをお願いします>小学館の中の人。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年09月03日23:17
| コメント (0)
両親が教職関係者であるせいか、「二十四の瞳」はやたらと子供に薦めてくるのであって、読み聞かせで幼年版を、映画館で白黒(今思うとかの有名な木下恵介監督・高峰秀子主演バージョン)のを見て、学校ではカラー版の田中裕子主演版映画を観せられた。
というわけで、正直「二十四の瞳」ってタイトルはかなりウンザリなんだけど、何を血迷ったかピンとくるものがあって初めて原作をちゃんと読んでみた。
これが、予想外に面白い。
もちろんエンタティンメントとしてでもなく、文学としてでもなく、ただただ小説として面白いのだ。
そして、泣ける。それは決して戦争・貧困といった、自分ももはや辟易するお涙ちょうだい部分ではなくて、主人公・大石や子供たちの細かな心情にグッとくるのだ。本当に通勤中に読んでたらウルウルきてあわてて本を閉じる、という場面がいくつもあった(逆に後半はそんなでもなかった)。
なんといっても壺井栄のリズミカルな文章がいい。
かなりウェットな内容だけどそれを乗り越えようとする軽やかな力を感じる。そして、その力のせつなさが涙を誘う。ユーモアを忘れないところも救われている原因だ。
さて、子供の頃とやや印象が違っていた点がいくつか。
・大石先生が子供たちと交流するのは意外と短かったこと。
・生徒の一人・松江が売られていって、修学旅行先で再会するシーンが短かったこと。
これらは映画の構成の印象が強かったからかもしれない。
もはや「二十四の瞳」なんてベタの極北なんだろうけど、ベタでもオリジナルってのはやっぱりパワーあるなぁと思い知らされた。
*
「チップス先生〜」とか学校ものがマイブームなのか、
「ケストナー/飛ぶ教室」(講談社文庫)
を読了。うーん、しかしいまいちだった。ってか、やっぱり海外文学は肌に合わない。
主人公がマルティンに、マチウスに(愛称マッツ)、ウリーって名前分かんなくなるだろ。ヨナタンのあだながジョニーってのも日本人には分かりません。2人いるのかと思って勝手に叙述トリックになってた。
あとは図書館で借りた
「高平哲郎/植草さんについて知っていることを話そう」(晶文社)
も読了。対談相手は面白い人が多かったけど、高平哲郎はやっぱり好きじゃないや。
一つ面白かったのが
1908年生まれ
中島敦・太宰治・大岡昇平・松本清張
1909年生まれ
植草甚一
だそうで、中島敦と松本清張が同じ歳とはねぇ。いかに中島が早熟&夭逝したかってことだなぁ(←卒論で取り上げただけで偉そう)。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年08月25日00:24
| コメント (0)
今はどうか知らないけど、かつての「コロコロコミック」って夏になるとなぜかやたらと恐いマンガが掲載されていたのだった。
今でもいくつか覚えているんだけど、あのマンガはなんてタイトルだったんだろう、と調べたら2chにこんな良スレが。
忘れたい!!トラウマになったマンガ
なんだー、みんな恐かったんじゃん。
そのマンガのタイトルは「地獄の招待状」。陰湿なイジメシーンがかなりブルーだった。「ボスボロットだい」を書いてた人、という情報が笑えるが。
604 名前: 愛蔵版名無しさん 投稿日: 02/03/29 12:26 ID:fCECSDtg
コロコロ読み切り系でたぶんガイシュツだと思うけど、
黒猫にまつわる話で、猫の名前が「エルザ」だったと思う。
あれから20年、未だに「エルザ」と聞くと、脳裏によぎって鬱。
これもなんとなく覚えている。
ガケに落ちそうな友人をつかんだ手をわざと放して見殺したら、そいつが黒猫としてバケて出てきて、最後に逆の立場になって主人公の手を放すんじゃなかったかな。こちらもかなりトラウマ。
コロコロではなくボンボンののちのガンダムマンガで活躍する近藤和久の商業デビュー短編「血を吸うマンション」もホラー版「童夢」という感じで気持ち悪かった。
このスレでも書いてあるけど、
>「ジョージ秋山/海人ゴンズイ」(「週刊少年ジャンプ」)
>「つのだじろう/恐怖新聞」(「週刊少年チャンピオン」)
は確かに恐かった。
手塚治虫のブラックジャックも「無頭児・人面瘡・サボテン・シャム双生児」とかイヤん。
藤子F不二雄は「ドラえもん」の中でも「どくさいスイッチ・バイバイン・人間製造機・未知とのそうぐう機」……などなど恐い話はいっぱいあって、でもやはり極めつけはSF短編の「ヒョンヒョロ」か。この宇宙人をフィギュア化するメディコムトイはいい意味で狂ってます。
SF短編はイヤな作品が多いんだけど、僕は子供の頃にコロタン文庫の巻末作品年表でその作品を知って、その内容を想像してかなり恐かった。
「……「劇画オバQ」って何?」
っていう。中学生の頃、小学館の「異色短編集」を読んだ時の衝撃たるや……!!
もちろん、藤子不二雄Aはまた別の意味でイヤな作品が多くて、「魔太郎がくる!」は当然としても、「怪物くん」ですらいくつか。「黒ィせぇるすまん」はじめブラック短編のイヤな感じは真骨頂。恐いというよりイヤな感じ。
水木しげるは恐かったけど、イヤな感じじゃなくて「死」の匂いがして、ハッとするようなものだった。
鬼太郎の誕生シーン(貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎1「幽霊一家」)

いわゆる大海獣のエピソード(貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎6「ないしょの話」)

↑なにげない扉絵が知らない田舎へ行った時のような恐さがあってすばらしい。
貸本版悪魔くんで家庭教師がヤモリビトになるシーン(定本・悪魔くん 太田出版)などなど。

親父の本棚にあった筒井康隆監修の「日本SFベスト集成」にはいくつかマンガが載っていて、先述の「藤子(F)不二雄/ヒョンヒョロ」、「永井豪/ススムちゃん大ショック」、「諸星大二郎/不安の立像、生物都市」、増村博(ってあのアタゴオルのますむらひろしのことか!)「霧にむせぶ夜」とか割と恐いマンガが多かった。
同じく親父の本棚でいうと白土三平も恐かった。必然性のある残酷性。
赤瀬川原平の「お座敷」ってマンガも気持ち悪かった。ずっとつげ義春だと思ってたけど、どうも影響受けて描いたらしい。後年、彼のエッセイの大ファンになるとは思わなかったが。
体が変形する話は総じてイヤだな。ウルトラマンの「ジャミラ」とか。
友達の家で読んだものだと、日野日出志とか「マクンバ」あたりはヤバい。恐すぎて記憶封印してます。
そしてもちろん学研マンガの「いる・いないのひみつ」とか、当時会った子供向けのUFOものも恐かった。UFOを捕獲したらグイッと引っ張られて消えた、とかエピソードがリアルすぎるよー。
あと、今回ネタを集めてて思い出したのがスポーツ誌「Number」に載ったじゃりんこチエの人のマンガで、巨人ファンのオッサンがタイガースファンの街に迷い込んで出られなくなる、っていうのもちょっとぞくっとする恐さがあった。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年08月23日00:26
| コメント (0)
通勤カバンが吉田カバンで、修理をしてもらったのをきっかけに一体どんな会社なのか気になっていたところで出たのがこれ。
「吉田カバン完全読本」
今、この手のムックを作らせるとダントツにうまいエイ(木へんに世)出版社の本。
創業者のカバン職人吉田吉蔵(名前がすごい……)に三人のタイプの違う息子たちと職人として跡をついだ娘。カタログとしても面白い。
だけど吉田カバン好きな有名人が、「いかにも」な感じで。フミヤ、藤原ヒロシ、キムタク、キョンキョン、中田ヒデ、村上淳、ファッション関連の方々……ってこれだけ集めると逆にゲンナリ。
同じ出版社の
「Lightning vol.137 特集VWバス、ビジュアルブック」
も特集で思わず買ってしまった。以前も書いたことあるけど、アメリカンカルチャーへの憧れを根本に持つこの雑誌のポリシーは自分とは決してあわないんだけど、適度な文章・写真や特集が重くなく全体のバランスがいいので嫌いではない。
この出版社は雑誌特集→ムック→文庫本というようなコンテンツをうまく再利用することにも長けていて、たとえば図書館の新刊棚にあったので借りた
「東京インテリアショップガイド」
もそういった一冊。
図書館では
「高平哲郎/植草さんについて知っていることを話そう」晶文社
も借りた。
最近読んだ本は、
ヒルトン「チップス先生、さようなら」新潮文庫
五木寛之「青年は荒野をめざす」文春文庫
で、前者は以前からイギリスのパブリックスクールものを読みたくて、この作品はそれだというから買ってみたものの、どっちかというと老先生の回想録みたいな構成で楽しめなかった。
後者は半分まで読んだけど、あまりのユーモアの少なさに読書的胃もたれして投げた。五木寛之って故郷の金沢とか、母校・早稲田を舞台にした小説とか書いてるから割と読む機会ありそうだったけど、読むのは初めてだった。でも相性悪いみたい。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月31日23:59
| コメント (0)
井上ひさしほか文学の蔵「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」新潮文庫
「新潮文庫の100冊」キャンペーンに入っていたので知ったんだけど、清水義範の作文教室シリーズが面白かったので井上ひさしのはどうだろう、と買ってみた。公演を元にした内容。
正直言うと、作文指導という意味では清水義範の本の方が数倍面白い。井上ひさしは作文よりも日本語についての話に脱線しがちで、それは作家の立場からすると分かるんだけど読んでる方としてはいささかうんざりする。
また最後に公演を聞いた人たちの作文(井上の添削付き)がだぁーと載ってるけど、これは読む気がしない。構成も清水本と比べると工夫がない気がした。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月27日00:57
| コメント (0)
オサムグッズ・スタイル
原田 治

オサムグッズ、っていくらガーリーグッズに理解のある僕でも、ちょっと食傷気味でまったく持ってない(奥様の所有物の中には2,3個まぎれこんでたりはするけど)。だけど、この原田治という人が何者なのかはずっと興味があった。
この本ではそのあとがきで彼のプロフィールが分かる。
「anan」などでおなじみの堀内誠一がイラストレーターとして起用した、ってのもなるほど。職人イラストレーターとしてやっていけるようになると、自分のスタイルを確立しようとの思いから、その頃はまだメジャーではなかった「可愛い」というキーワードでいこうと決める。そもそもアメリカのポップカルチャーに憧れていた人ではあるので、自分にもあっていたのだろう。値段が高くてなぁ、という人も本屋であとがきだけでも読んでみてほしい(って僕は図書館で借りたんすけどね)。
ちなみに彼の祖父が「雄呂血」の二川文太郎監督、ってのがトリビア。
OSAMU GOODS 公式ページにリンクしておきます。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月19日23:24
| コメント (0)
「沢木耕太郎/バーボン・ストリート」(新潮文庫)
以前ある飲み会で初めてあった男性に「沢木耕太郎に似てるって言われません?」って言ったら「沢木って人のことは知らないけど、マイケル富岡には似てると言われる」と返されたけど、その人はなかなかの男前だった。
それで思ったんだけど、僕は沢木耕太郎のことをかなり男前だと思っているわけで、でも彼の写真って新潮文庫の著者近影でしか見たことがないし、それは多分に彼の書く文章から来るイメージなんだろう。
そう、沢木耕太郎は男前の文章を書く。
僕はカシアス内藤(「アリス/チャンピオン」のモデル)を描いた「一瞬の夏」を読んで惚れたんだけど、定番の「深夜特急」は僕が紀行ものが好きじゃないせいで手がのびなかった。
ずっと彼の文章を楽しみたいと思っていたけど、最近になってようやく、植草甚一のことを書いた「ぼくも散歩と古本がすき」が収録されているのがきっかけにこのエッセイ集「バーボン・ストリート」を手にしたのだった。
これが予想以上に面白い。話題のつなげ方とかどれも唸らせられるし、決して格好をつけないのに逆にそれが格好いいというのが、もうお家芸と化している。
それにしてもなんだって沢木耕太郎は各界で一目置かれる人々と交流を持てるんだろう?
それはやはりルポライターとしてのカンのよさなんだろうと思う。たとえば彼が翻訳を担当したロバート・キャパなんかの写真家と同じように、嗅覚のように現場に吸い寄せられていくんだろう。そして逆にそういう人のところへ事件は集まっていくんだろうなぁ。
さて、ここからはやや批判的になってしまうんだけど、この本の中で沢木耕太郎は「映画についての評論といったものを読むたびにつくづく思うのは、こんな難儀な仕事を生業にしなくてよかったということである」と書いているんだけど、先日新潮文庫に入ったので書店で手に取ってみた「シネマと書店とスタジアム」の映画評の凡庸さと来たら……。これについては沢木ファンである弟からも聞いていたものの、ここまでとは思わなかった。なぜ?
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月11日23:59
| コメント (0)
僕の映画、ってかエンタティンメントの先生であるす一さんから本バトンをいただきました。光栄!
このサイトを読んでる人には意外かもしれないけど、僕は子供の頃本当に本が嫌いで、というか絵のない本がダメで、マンガ以外全然読まなかった。環境的に親父が国文学者(といっても風貌は単なる田舎のオヤジなんすけど)で家にわんさか本があったんだけど、この親父が絵本をよく読んでくれたためか本を自力で読む、って習慣が全然できないままだった。夏休みの読書感想文も、作文は別にイヤじゃなかったけど本を読むのが苦痛でしょうがなかった。
大体、小学生向けの本の装丁やイラストのイケてなさが子供心にダメで、だから僕がちゃんと本を読むようになったのはハヤカワ文庫の加藤直之なんかのイラストがイカしてたというのがきっかけだった。
中学生の頃はそれなりに読むようにはなったけど、SFものが多かった。今の子供たちがジュニアノベルズ(っていうの?)を読む感覚。本だけはいくらでも買ってもらえた、というのも大きい。
高校生の頃はちょっとずつ文学系を読むようになったけど、それでもあんまり面白いと思って読んでなかった。
大学生の頃は日本文学専攻だったけど、あまり印象に残る読書はないなぁ……。この頃だって決して本は好きじゃなかった。
こんな僕が、本って面白いなーと積極的に読むようになったのは、大学を卒業してそれまでの小説中心の読書からノンフィクションやエッセイ中心の読書に移行してからなのだ。つまり僕は読書体質的にフィクションではなくてノンフィクション体質なんだなぁ、と強く思う。だから僕がwebで取り上げる本も圧倒的にノンフィクションが多い。
さて、解答編。
●部屋にある本棚の数
この質問、なんで「自宅」ではなくて「部屋」なんだろ?「部屋」の定義がよく分からないけど、自宅にあるのは3つ。しかし、これ以上本棚が増えないように気をつけていて、以前はこれはもう読まないだろうなと思ったら実家に送っていたけど(実家には本棚しかない書庫というか倉庫がある、けど普通の部屋も本だらけ;泣)、それもなぁと思いはじめてからかさばる本はなるべく図書館で借り、買うのは文庫だけにするようになった。ハードカバーの本で気に入っていたものが文庫になると、文庫で買い直してハードカバーの方は処分する。字だけの本ってコンパクトな方が絶対いい。
●最初に買った(読んだ)本
最初に買った・読んだ、なんて全然覚えてないけど、本を読まない子供の頃に自分の意志で図書館で借りて読んだ本が「世界の伝記 ディズニー」(正確な書名じゃないと思う)。この頃から「クリエイターの評伝」が好きだったんだなぁ(笑)。
●最後に買った本
うーん、雑誌やマンガをのぞくと、こないだ図書館のリサイクルで買った子供向けのこれ。
「きむらけん/出発進行!ぼくらのレィルウェイ」汐文社
タイトルはもちろん作者も出版社も知らないんだけど、タイトルが目に入って手に取ってみると、廃線になったSLを子供たちが復活させるというおはなしだそうで、そういうメディアやサービスを作り出す話に弱いので購入。半分ぐらい読んだけど、面白いよ。あ、お薦めの本とかでは全然ないです。
●よく読む、または特別な思い入れのある5冊の本
これは非常に難しいし、そもそもそういう本は本家サイトの本の味の素というコンテンツでまとめてるので、今回は自分の職業であるゲーム企画をする上で役立った、または今もおりにふれ読み返したりする本を紹介します。
まんが日本昔ばなし
テレビマガジンの別冊扱いの全3巻。実家にあるんで手元にないけど、各20話ぐらい載ってたと思う。僕が仕事で稚拙ながらもなんとかお話を組み立てられるのは子供の頃何度もこの本を読んだせいだと思う(本というよりテレビ絵本みたいな感じだけど)。笑える話、哀しい話、いろんなストーリーが載っていて、ほとんどの物語の根本的な部分ってこの本に載ってるパターンだよなぁと思う。童話ではなく、昔話ってのがポイント。

「藤沢晃治/「分かりやすい表現」の技術」(講談社ブルーバックス)
とにかくゲームというのは、面白いことを思いついてもそれをうまく・気持ちよく説明できないと面白くならないわけで、そこで陥りがちな罠と対処方法のヒントを与えてくれる。別にゲームだけじゃなくて、「なんで人は僕の説明をちゃんと聞いてくれないんだろ?」と思ってる人は読むといいです。
また、「新垣紀子・野島久雄/方向オンチの科学」(講談社ブルーバックス)も実はテーマが同じ。
「富野由悠季/映像の原則」(キネマ旬報社・キネ旬ムック)
ゲームが3Dになり映画的なカメラ演出も仕事の1つになってきた時に、どうしても自分が作るものがぎこちない感じがしていて悩んでいた。そんな時にこれを読んで、映像を作る上で何を考えなくてはいけないかを徹底的に教えてもらった。映像といっても僕ら人間は自分の身体の延長線上にない絵や絵のつながりは違和感を覚えるし、逆にそれを前提としつつ、実際の絵を越える「心に写っている絵」に近いように映像を作りあげることが効果的というのを身をもって感じた。
なおゲームのデモシーンにおいて、フルボイスの・いわゆる「ボタン待ち」がないデモシーンは映画的映像表現だと思うんだけど、「ボタン待ち」のあるデモシーンは映画以上に静的な写真(絵)としての映像表現を意識する必要がある、と最近思った。その場合、決して映画的なセオリーだけではいい映像は作れないみたい。

「平田オリザ/演劇入門」(講談社現代新書)
キャラクターに対話をさせる時にどうしたら自然に話させることができるか、と教えてもらった。
続編的な「演技と演出」(講談社現代新書)もお薦め。

「ローレンス・レッシグ著 山形浩生・柏木亮二訳/CODE」(翔泳社)
今はずっとネットワークゲームの開発に携わっているけど、そういう場合はこの本は必読だと思う。ネットだけではなくて、電子的な分野ではルール・法的なものとシステム的に意図してかける制限というのは不可分なもので、それをどうバランスよく実装していくかを考える上でとてもヒントになる。
ブ厚いけど山形浩生氏の訳が面白いからわりとすらすら読めます。
でも一番よく読み返すのは 「深沢千尋/すぐわかるPerl」(技術評論社)
だったりする(笑)。この本、ノンプログラマでperl書くなら必読。読んでて面白い技術書ってなかなかない。
●バトンをまわす人
盟友 niji wo mita
スギモトさん←イヤだったら次に回さなくていいですよ!
以上です。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月10日16:35
| コメント (0)

安藤健二「封印作品の謎」太田出版
マスメディアの「自主規制」の問題を追ったのは森達也の「放送禁止歌」だったけど、この本もそういった内容かと思いきや実は正反対で、作品を生みだした側がその作品を表舞台に出さないと決めた事情を追っていく内容。
具体的にはかの有名な「ウルトラセブン12話」や「怪奇大作戦24話」映画「ノストラダムスの大予言」「ブラックジャック41話・58話」などが取り上げられているのだが、どれも病気や事故の扱いに問題があるのが共通点。
僕はこの本を読むまで、たとえばセブンの12話なんて一言添えて解禁すればいいのに、と思っていたけど、問題はそんな簡単なものではないことが分かる。
それを出すことで制作者がかつての苦渋を再び味わったり、たとえ視聴者の一人でも不快な思いをするなら出したくないという場合、それを無理に出させるのは逆に制作者に対してのハラスメントなのではないかと思えるのだ。
これらの作品は、もちろん抗議を受けてということもあるけど、何らかの障害を乗り越えてでも世に出したい、という作品群では決してないというのもまた共通点である。
その辺が「放送禁止歌」と対称的で、あちらは誰もがこの歌を伝えたい、と思っているケースが多いのに、こちらではどの作品もなかったことにしたい、と思っている。この辺りは「歌」というものがプライベートなものであるゆえ責任の所在がわりと明確なのに対して、映像作品というのは携わる人も多くその辺が曖昧なことが多いからなのかもしれない。
またブラックジャック以外の作品は、あらすじを読むかぎり内容に問題があるというよりはかなり稚拙な部分が感じられる。取材が足りない、というのはどれにも共通している。
もっともたとえば円谷プロは封印作品が抱える問題と真っ正面から取り組む気は、おそらくないだろう。円谷プロがこれらの作品に対して、関連ライター陣に圧力をかけている様子がこの本から分かるんだけど、ここは読みどころ。エンタティンメント企業として仕方のないことだとは思うが、逆にそういう態度が封印したい作品を目立たせていることには気づいてないのだろうか?
放送・販売はしなくとも、公式なコメントを出し、本における国会図書館のような場所で(ないか?)ライブラリとして置いておく、というぐらいが正しい対処なのではないか?
誰に責められようと抗議されようとこれは絶対に出したい、と作り手側が責任とポリシーを最後まで持てるものを作っていないとこういうことが起こってしまうのだろう。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年07月07日00:58
| コメント (0)
2.を読んで、清水義範の作文三部作(←ちょっと語感が面白い)を読了。
- 清水義範の作文教室
- 作文ダイキライ—清水義範のほめほめ作文道場
- 大人のための文章教室
このblogを読んでるような大人のみなさんには3.がお薦めだけど、作文を書けるような子供がいる人には2.もいいと思う。
3で面白かったのが、第四講での「ですます調・だ・である調のどちらがいいか?」という疑問。僕はある時期から意識して「だ・である調」にしたんだけど、さて清水氏の意見はどうだろうか?興味のある方はどうぞ。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月30日00:12
| コメント (0)
福井健策「著作権とは何か」(集英社新書)
このサイトには「ドロボー歌謡曲ふたたび」なんてコンテンツがあるんだけど、最初に注意書きがあるように、僕個人としては基本的にパクリとかに関しては割と寛容というか、「アーティストが作るものは過去にあったものとカブってはならない」ってな「オリジナル信仰」がない。
ゆえにこのサイトを読んで、「J-POPはこれだからダメなんだ」「あの好きな曲があれのパクリだったなんて……ショック」とか思われるのは、著作権心外(笑)だ。
パクリ、パロディ、引用、盗用、オマージュ、無断複製……。サブカルチャーを語る時にこんな言葉を使っているけど、僕らはどこまでその差が分かっているだろうか?どこまでが著作権侵害でどこまでがセーフか分かっているだろうか?
この本は入門の入門書だと著者は書いてるけど、そういうことが分かってなかった自分にとっては、ちょうどいいレベルだった。
まず驚きなのが、著作権のポリシーが、決して「オリジナリティ」を法で保護するということではなく、世の中に新しい作品を生みだしていくモチベーションを下げない、ということにある、ということ。たとえば自分の作品が他の人が自分のものだと言えることができてしまうと、新しい作品を出すのがバカバカしくなる。著作権法はそれを一番恐れる。でも決してクリエーターのエゴを守るものではないのだ。
また、アイディアは著作権ではない、というのも意外(特許にはなるかもだけど)。たとえばゲームのルールや遊びのフォーマットなどに著作権はない。
この他、分かっているつもりだったけど根本的に理解してなかったいろいろなことが、
「どこまでも行こう」「ウェストサイド物語」「ライオンキング」の各事件、保護期間(いわゆる「ミッキーマウス法」)延長問題など、身近な例を挙げながら解説してくれる。
著者が若い人だからか、話題にしていることがピンとくることばかりなのもいい。
それにしてもこの新書ブームの中、「著作権とは何か」って直球過ぎるタイトルはどうか。もっと手に取らせるタイトルはいくらでもあるでしょ。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月22日01:05
| コメント (0)
僕はずっと個人サイトに重要なのことは、【内容】の次に【コーディング】(たとえばレイアウトとかアクセシビリティとか、webサイトの制作面)が来るのかと思ってたけど、最近それは違うことに気づいた。
webサイトというものはどうやって自分のサイトを何か(ポータルサイト、検索エンジン、他のサイトetc.)につなげるか、という【つながり】が重要なんだ。ひょっとしたら内容よりも重要かもしれない。そして【コーディング】の流行り廃りは【つながり】方の変化に密接に関係する。
僕はわりと原理主義的なところがあるから、「泣いた赤鬼」じゃないけど「おいしいおまんじゅうとお茶」を用意すれば村人が自然と来る、と思っていたけど、そうじゃない。
ちょうど仕事においても「たとえ面白いものを作ってもそれを使いやすくする環境作りを整えないと人は集まらない」という経験をして自分のこれまでの考え方を変えなければ、と思わされた。
たとえば人が「blogはいい!」という時に、
・htmlを知らなくてもwebが作れる
・ブラウザのフォームから更新できて便利
ってのは上記でいう【コーディング】の話で、
・トラックバック機能
・更新時にpingを打つ機能
ってのは【つながり】の話であり、かつて「blogは日記サイトと何が違うんだ」といわれたけど、それは【内容】だけを見た時の話。それらは実は分けて考えるべきことだと思う。
僕はpingを打ったりトラックバックでの【つながり】こそがblogの特徴だと思う。だって、htmlを書いているだけではそれはマネができないから。
このようにサイトの変遷というのは、【つながり】方の変遷だと思う。それを個人的なことから振り返ってみたい。
ただ、僕はわりと昔の記憶がない人間なので、時系列とか内容に勘違いもあるかもしれないので、ある1人の記憶と思って読んでほしい。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月14日23:49
| コメント (0)
昨日(2005/6/10)、リニューアル版TVドラえもんで名作「ドラえもんだらけ」を取り上げていた。さすがに「やろう、ぶっころしてやる」はなかったものの、ほぼ原作通りの仕上がりでヒマつぶしにはよかった。
さてさて、けっこう前にこのエピソードの時間軸って整理するとどうなるんだろう?と、表にしてみたことがある。したはいいけど、発表する場もないのでそのままほっておいたんだけど、せっかくだからアップしておこう。

これは「パルプ・フィクション」を実際に時間軸に並べて編集した人(ってこちらも自分だ)なんかは気持ちが分かるんじゃないだろうか?
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月11日19:46
| コメント (0)
先日ふらっと入った洗足池の古本屋で、信じられないことにてんとう虫コミックスの「新オバQ」の通常状態のものが300円で売られていた。当然買ったんだけど(全巻持ってるけどできればカバー欠けの4巻だったらもっとうれしかった)これを機会に久しぶりに読んでみて、よく指摘されるように「オバQ」の話の構造って落語っぽいなぁと改めて思った。
長屋の主人(=お兄さん、キザ君、ドロンパ、ヒョーロクさんなどなど)がある話をして、それをちょっとおつむの弱いはっつぁん(=オバQ)が模倣しようとするんだけど、失敗する、ってな。熊さんは正ちゃんやOちゃん(=バケラッタ)だ。
それでいうと(かなり強引だけど)、「ドラえもん」ってドラえもんとのび太の漫才っぽい構造だよね。のび太がドラにネタふって、ドラが道具出すことでツッコミ。で、その道具でのび太がまたボケると。実はジャイアン・スネ夫・しずかちゃんものび太に対するツッコミの役。
ドラえもんがなぜ白けなくてはならないか(@す一さん)がちょっと分かるような?
ところで、僕は舞台の笑いでいうとコント・一発ネタよりも漫才が好きなことに最近気づいたんだけど、その面白さと自分が好きなギャグマンガのそれに共通点があるような気がした。ギャグマンガといっても、コメディマンガではなくややナンセンス系のもの(コメディも好きなんだけど)。
とりみきの「遠くへ行きたい」は言わずもがなだけど、おおひなたごうの「おやつ」(第1巻「ダンボール」というエピソードがすごかった)もそれがあった。言葉や観念で空間が変わったりねじられたりする感覚。落語だと子供の頃「あたま山」を読んで、そのねじり感にめちゃくちゃ興奮した。
最近のお笑いでいうと、タカアンドトシという漫才コンビがダントツで好きなんだけど、彼らの漫才はボケた時に「遠く」へ連れて行かれる瞬間がある。そして、また元の現実に戻るところもすごくスムーズ。ボケて遠くへ行き、ツッコんで戻る。それを何度も繰り返すうちに、その場が徐々にズレはじめている。そして最後にいつのまにか足下の地面がなくなってることにハッと気づく……。
それが快感なんだよなぁ。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月10日00:11
| コメント (0)
「本の味の素」に新規追加テーマ、「晶文社型バラエティブック」。
取り上げている本は
「小西康陽/これは恋ではない」(幻冬舎)
「植草甚一/ワンダー・植草・甚一ランド」(晶文社)
「坪内祐三/古くさいぞ私は」(晶文社)
「安田謙一/ピントがボケる音」(国書刊行会)
「川勝正幸/ポップ中毒者の手記(約10年分)」(大栄出版)
です。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月05日22:36
| コメント (0)
出社途中にある小さめの本屋でほぼ毎朝新刊をチェックするのが日課なんだけど、なんとそこが10月まで改装のため閉店。うへぇ。
退社途中は駅ビルの本屋に寄ることが多いんだけど、今日は
「マーブルトロン/モダン古書案内 改訂版」(中央公論新社)
を購入。旧版より小さくてビニールカバーがかわいい。
家に帰ったらyahooオークションで落札した絶版本
「常盤新平/アメリカの編集者たち」(新潮文庫)
と、amazonで買った洋書
「Alessandro Barbucci, Barbara Canepa/Sky Doll Artbook. Doll's Factory」
が届いていた。
後者は3年前にフランスの本屋でBD(バンド・デシネ、フランスのコミックブック)を物色していた時に、そのコジャレ感と日本の漫画に影響を受けた絵が面白くて1,2巻を購入した「Sky Doll」のいわゆるファンブック。その後続刊はでてないのか気になってたけど、もうすぐ3巻がでるらしい。
正直、ファンブックの中身はたいしたことなかった。でも洋書をamazonで買ってみたかったのでよしとしよう(簡単に買えてビックリ。洋書屋は高いんだなぁ)。
読書の方は
「ご冗談でしょう、ファイマンさん 上」(岩波現代文庫)
を読了。「下」「困ります、〜」も待機中だけど、
「瀬名秀明 他/知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦」(講談社ブルーバックス)
を読み始めた。おもしろいー。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月03日00:32
| コメント (0)
いくつか更新したので履歴を。
「青春小説」に「村上龍/69」「Q.B.B./とうとうロボが来た!」
「雑誌編集者の本」に「坪内祐三/私の体を通り過ぎていった雑誌たち」「佐藤嘉尚/「面白半分」の作家たち」「嵐山光三郎/口笛の歌が聴こえる」
「コレクター無惨!」に「戸川昌士/猟盤日記」
以上です。
ちなみに今まではジャンルにまとめきれなかった本の感想を掲載する場所がなかったけど、そういった本はblogで紹介していけるかも。
本・読書
-
2005
| text by expop 2005年06月03日00:32
| コメント (0)