blogのトップへ

「ショージ君の青春記」

ショージ君の青春記 (文春文庫 177-5)
東海林 さだお
4167177056

なんでこの本が読みたくなったのか忘れてしまったけど、「漫画家の自伝」というのは僕の中で定番ジャンルなので不思議ではない。
絶版だったので、図書館で借りた。デジタルデータなら購入可

「ショージくん」は、マンガを面倒くさがって読まないうちのオヤジの本棚に珍しくあったマンガ本で、子供の頃はコマに入った絵なら何でも読んだ、ぐらいマンガしか読まなかった僕は当然それにも手を出した。

「サラリーマンのペーソス」みたいな内容だったので「サラリーマンってなんかやだなぁ」と思ったけど、細かいところでショージくんの動きや歩き方なんかが面白かった、と記憶している。
これまた珍しくうちにあった園山俊二のマンガ(ex.ギャートルズとか。あの伝説の筑摩書房現代漫画全集がうちにはそろっていたのだ)のスタイルと共通のテイストを感じる、と思ったら、早稲田漫研の仲間とのことで、そっか、そうだったよなぁ。

さて、「ショージくんの~」という東海林さだおのエッセイシリーズはいろいろあるみたいだけども、本書は彼が漫画家になるまでの自伝。
かなりぐうたらでよく漫画家になれたなぁと思わなくもないけど、面白いのが彼の文章のリズムが、先に書いたショージくんの動きや歩き方と同じという点、。椎名誠が影響を受けた昭和軽薄体が云々、ということよりもそのことがとても印象的だった。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年12月23日00:18 | コメント (0)

「花森安治の仕事」

僕が子供の頃、うちの母親は雑誌「暮らしの手帖」を楽しみにしていたけども、テーブルにあったりしたそれをたまにパラパラと読んでみても、なんだかあかぬけないレイアウトだなぁ……と子供心に思った。

それでも世田谷文学館で2006/2/4~4/9にやっていた「花森安治と『暮らしの手帖』展」に足を運んだのは、あの地味さにもかかわらず、いまだに続いているのはなんでだろう?という興味があったのかもしれない。
その展覧会では、どちらかというと「花森安治」のビジュアルセンスの方が印象的ではあったけど、ずっとどんな人か知りたくて、この本の存在を知ったはいいが絶版。
古本屋で定期観測していたけど手に入らなかったので、結局Amazonマーケットプレイスで購入。

花森安治の仕事
酒井 寛
4022606991

面白い!
花森安治の天才性とそれと裏返しの「怖さ」は宮崎駿なんかに通ずるなぁ。
戦時中に大政翼賛会で活躍してしまったことが、戦後、彼を「暮らしの手帖」へと導いたというのも面白い。
かの有名な商品比較の気合いの入れ方・志の高さも唸る。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年12月22日22:55 | コメント (0)

ほしよりこはやっぱりすごい。

書店で、「あれ、猫村さんの3巻が早くも!?」と思ったら、これだった。
もちろん購入。

僕とポーク
ほしよりこ
4838718292

短編3作品収録。
この人のマンガが与えてくれる独特の読後感が、やっぱりいいなぁ。
あとこの本でも暴走族の描写とか小説のタイトルとか、「猫村さん」の「泣き虫刑事」同様、妙なディティールに凝ってていつも作者はどんな人なのか興味をそそられる。

余談だけど、ひらがな、京都の人(?)、そしてなんといっても作風で、「つじあやの」を想起させる。もしイメージアルバムを作るならばぜひ彼女をフィーチャーしてほしい。
あ、そういや「つじあやの」は「猫の恩返し」の主題歌を歌ってたから強引に猫つながりもあるのか。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年12月15日18:44 | コメント (0)

またまたケストナー

前に「植草甚一展」@世田谷文学館を見にいったことを書いたけど、そこの常設展示に江戸川乱歩関係もあって、展示図書の中に「少年探偵シリーズ」の新書版がおいてあったので、あれ?と思った。

このシリーズは小学校の頃、図書館で人気があったのは知ってる。2冊ほど親が買い与えてくれもした。
だけど、苦手だったのだ。だって、表紙が気持ち悪いじゃん。あとタイトルもなんか生々しくてとにかく僕の中ではかなりイケてなかった。

ただ、ちょうど乱歩マニアが書いた↓を読んでたこともあって

本棚探偵の回想 (双葉文庫 き 15-2)
喜国 雅彦
4575713384

ちょっと興味を持ってはいたのだった。
新書で読めるならば、と最寄りのBOOKOFFでちょうど読みたかったシリーズ第二弾「少年探偵団」が売っていたので購入。

少年探偵団 (少年探偵)
江戸川 乱歩
4591084132

……しかし、大人が読んでも決して面白くはないわな。この時代の匂いが好きじゃないとピンとこない。
こりゃ、読む方が悪かった。ごめん。

で、このシリーズはケストナーの「エーミールと探偵たち」にインスパイアされた、という記事を読んだので、それを読んでみることに。

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))
エーリヒ・ケストナー 池田 香代子
4001140187

ケストナーといえば、「飛ぶ教室」「ふたりのロッテ」「点子ちゃんとアントン」と、なぜか子供の頃は存在すら知らなかったのにここ最近やたらと出会うことが多い作家で、今回もひょんなことから読むことになった。
2000年代になって池田香代子による新訳が出た、というのも大きいけど。あと、オリジナルの挿絵を使ったと思われる表紙がかわいい。

内容は、こちらはなかなか面白かった。すごいたわいのない話なんだけど、単に僕がケストナーと相性いいんだろうなぁ。
続編の「エーミールと三人のふたご」も機会があれば読んでみたい。きっとその機会が近いうちにありそうな根拠のない予感も。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年12月14日22:50 | コメント (0)

NHKじゃなくてQBBのほう

前回取り上げた「Amazonマーケットプレイス」で買った一冊がこちら。

中学生日記 (新潮文庫)
Q.B.B.
4101344310

平成14年に文庫化され、しばらくして図書館で借りて読んだら大爆笑。いつか買おうと思ってたらいつの間にか絶版に……。
2年ぐらい前から古本屋で見つけたら買おうと思ってたけどなかなか出会えず、ネットでえいや!と購入したというわけ。
今読んでも大爆笑だった。
連載中らしい「新・中学生日記」も読んでみたいけど、本のサイズが大きいのが難。

というタイミングで、なんと「リンダリンダリンダ」の山下敦弘監督が映像化したDVDが発売!

中学生日記
大迫一平 落合順 川村歩惟
B000WSQIEW

DVDが届くのが、楽しみでしょうがない。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年12月13日00:06 | コメント (0)

こうしてみると週刊連載の作品が少ないかも。

単行本でしかマンガを読まないんだけど、今までずっと
「自分が買っているマンガの発売日をリマインダー的に知る方法はないもんか」
と思っていた。

発売日が分からないと買い逃しが発生して困る、という以外にも、ストーリーが凝ったマンガだと最新刊を読む前に既刊数冊を読んで復習をしておかないと話についていけなくなる、という単行本派ならではの事情もあるのだ。

改めて先日探していると、こんなサイトがあった!

リコミック

マンガや作者をお気に入り登録しておくと、リマインダーメールを送信してくれる。
コミュニケーション機能とかソーシャルネットワーク的な部分はかなりどうでもいいけど、この機能だけでも素晴らしすぎる!!

ちなみに登録しているのは

<作品>
ベルセルク/へうげもの/ムーたち/PLUTO/ケロロ軍曹/機動戦士ガンダム THE ORIGIN/CLOTH ROAD/あたしンち/きょうの猫村さん/ドラえもん

<作者>
藤子・F・不二雄/藤子不二雄A/水木しげる/おおひなたごう/唐沢なをき

最近のマンガ、ホントに分からない……。

かろうじて新しいのがアキバ系っぽいのがなんなんだけど、こちら。

CLOTH ROAD 1 (ヤングジャンプコミックス)
倉田 英之 okama
4088766695

某パソコン雑誌でカラー原稿の制作過程を紹介していて興味を持ったんだけど、読んでみると独特なガジェットを中心に絵が面白い。服職人の男の子が作ったスマートな戦闘服を、生き別れだった双子の妹が着て格闘大会を転戦しながら自分たちの出生の秘密を探るという新鮮さはないプロットだけど、今まで見たことがない世界観が展開されているのが特徴。

絵を描いているokamaという怪しいペンネームの人は、アニメ業界においてはイラストレーターでもないキャラデザイナーでもない、独特な仕事をしているようで、なるほど。

傑作アニメに okama の名あり!
公式サイト

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年11月18日16:57 | コメント (0)

野グソをピンクに塗るセンス

前回書いたように、「Dr.スランプ」グッズが「りぼん」のふろくについていた時期があった、という事実はとても興味深い。

そうそう、当時「Dr.スランプ」というのは、キャラグッズであり、また同時にファンシーグッズでもあったのだ。ファンシーグッズというのは今でいうサンリオとかスヌーピーとかを思い浮かべていただけるといいと思う
「ドラゴンボール」ではあまりなかったかもしれないけど、「Dr.スランプ」は文房具とかワッペン、シールといったグッズが大量に発売されていた。むしろおもちゃは少なかったぐらいの印象だ。そしてそれはもしかすると「Dr.スランプ」の漫画を読んでいない人でも手にしていたのではないかと思う。その点、スヌーピーと似ている気もする。

「Dr.スランプ」という作品は

その当時のファッション
 ほらタロウやアカネが不良っぽいのは当時のファッションなんですよ。少年漫画で記号的にではなくその質感・素材感なども含めて服やカバンなどを描いたというのは当時としては画期的だったという。
 あと後半でアラレちゃん&ガッちゃんが何の理由もなくやたらとコスプレしているのにも注目。

作者が好きなSF、特撮のキャラクター
 ゴジラ、ガメラ、スターウォーズ

作者が好きな車をはじめとした、メカ類
 もう書かなくていいですよね

ミリタリー的意匠
 後半に多い。劇中よりも表紙絵などによく見られる。

といったポップで時にキッチュなアイコンが、牧歌的な田舎の風景をベースに描かれるという、今考えるとけっこう奇妙な作品であった。

これらだけを考えるととてもファンシーグッズにはなりえないと思うんだけど、そこはやっぱり鳥山明の持つバツグンのバランス感覚がそれを成立させていたんだと思う。

そのバランス感覚というのは、たとえば引用やパロディをどこまでなら一般の人にも受け入れられるかだとか、車の選び方にしても知らない人にも絵として成立する形の面白いものを選んでいたりだとか、ギャグにしてもここまでなら大丈夫といった「ウケる/受け入れられるボーダーライン」のかなりギリギリまで責めてる、ということだ。
その「責め」の姿勢は、もしかしたら意図的ではなく無意識的なものなのかもしれないけど、それこそが鳥山明の天才性なんだと思う。

「Dr.スランプ」がついつい読まされる作品なのは、その作者のバランス感覚から生まれる独特の世界観にあるのではないか、というのがとりあえず今回の結論。

あと、最後に、アニメ「Dr.スランプ アラレちゃん」の最初のオープニングテーマは水森亜土が歌っていた、という点を指摘することで、今回の輪を閉じられるのかもしれない。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年11月12日22:51 | コメント (0)

いまなぜ陸奥A子なのか

(前回のあらすじ)
「Dr.スランプ」を読んでいたら、なぜか前からいつか読もうと思っていた陸奥A子が本気で気になりはじめ、名作選の文庫本を買ってしまった。

そもそも少女マンガとはほとんど縁のない僕が陸奥A子なんて名前を知っているのかというと、この作家の名はブックガイドとかリコメンドブックといった企画において、マンガ以外の本に混じってよく出てくるからなのだ。

直接的には、ファンであるイラストレータ杉浦さやかがこちらの本にて強烈にリコメンドしていたのがきっかけ。

えほんとさんぽ―さがしに行こう!絵本・雑貨・カフェ
杉浦 さやか
4592732332


どのお話も大好きだけど、やっぱり中学、高校時代にタイムリーに読んでいたものが思い入れも一番強い。


夢見がちで思いこみの激しい乙女たち。誰しもこんな部分を持っていましたネ(今も?)。
お洋服、小物、小意気、すべてが憧れでした。


漫画から“作りたいものリスト”を描き出したりしたっけ(描いただけ……)。

などと3ページにわたって自筆イラストとテキストで陸奥A子へのリスペクトを表明している。

さて、そもそも陸奥A子とは何者なのか?

現在でも現役作家であるけど、70年代後半~80年代においては雑誌「りぼん」の「乙女ちっく派」少女漫画家の中心作家であったという。「乙女ちっく派」とは、陸奥A子の他に田渕由美子、太刀掛秀子といった作家がいるそうな。

なるほど、と思って先述の名作選を読んでみる。
「こんぺい荘のフランソワ」「黒茶色(セピア)ろまんす」「ため息の行方」「人参夫人とパセリ氏」「ステキなことばかり」「黄咲町ラプソディ」。

……う~ん、なんか主人公たちが好きになる男の子がみんなメガネくんなのが印象的。杉浦さやかが書いているように、ファッション、インテリアといったものは丁寧に描かれていて気持ちよい。
が、正直トータル的には面白いともつまんないとも思わなかった。少なくとももう1冊読んでみようとは思わなかったのは確かである。

本音を言うとこの作品群を読む限り、それほど当時の少女たちに影響を与えたとは思えないのだけれども……と思い、ここで副読本を読むことにする。

『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの
大塚 英志
4480030174

僕が高校3年生の頃(1991年)に単行本が出たこの本だけど、当時「システムと儀式」を読んで大塚英志はチェックしていたのにテーマがテーマだけに軽やかにスルーしていて、その後も読む機会がないままだった。
ちなみにこの単行本時のタイトル「たそがれ時にみつけたもの」(太田出版)は、陸奥A子の「たそがれ時にみつけたの」をもじったものであることを今回初めて知った。

本書では、「乙女ちっく派」が24年組を中心とした文学的な少女漫画の流れに対する保守反動と捉えられたりもするがはたして本当にそうなのか?という漫画論的な視点でも1章をさいて検討されていて、それはそれで面白いのだけど、実はメインはそこではない。

ある一時期、「りぼん」という雑誌が、そのふろくを軸に異常な売り上げを誇っていた時代があり、それは一体何だったのかを検証するのが本書の趣旨なのである。

簡単にまとめてみると

70年代初期は「りぼん」のふろくはスターもの(芸能人グッズ)が中心。

スターからアイドルの時代へ。そのぶん、ふろくとしての輝きもやや色褪せはじめる。

サンリオが水森亜土を起用してファンシーグッズを展開

1974頃「りぼん」も水森亜土のイラストをあしらったふろくをつけはじめる

「サーティワン」上陸。
1970ケンタッキー
1971マクドナルド、ミスタードーナツ
74年をピークとして、その前後3,4年の間に日本という国に「かわいい」ものが増えていく
つまり、「かわいい」もののニーズが高まっていく。

「りぼん」はふろくのための作家(イラストレーター)をスカウト、育成するようになる。

「りぼん」のふろくは紙でありながらも革のようにみえる印刷が施されていたりとディティールにこだわりはじめる。

使っていても壊れない耐久性や「~号付録」といったふろくに印刷しなければならない情報を隠したりそれを印刷したビニールに入れることで回避したりと行った「実用性」が強く求められるようになる。

文具→生活雑貨→家具(マガジンラックとか)と読者の願望をふろくでは支えきれなくなる。

こういうふろくをもとめる層は、意外にも中~高校生だった。低年齢の読者のニーズとは微妙に違っていて、その温度差があったという。
また、当時マンガマニアの大学生が「りぼん」を読むことが多かった、という。その理由は本書ではあまり触れられていない。

商品として、かわいいグッズが手にはいるようになる。
77年頃のアニメブームの影響で、キャラクターグッズが求められるようになり、乙女ちっく派漫画家の「特定の主人公」をあしらったふろくがつくようになる(つまり、雑貨ではなくキャラグッズ化したということ)。

それでも自家製の決定的なキャラクターが不在だった「りぼん」、81年10月号には同じ集英社のDr.スランプグッズがふろくに登場し、その後4ヶ月にわたって続く(!)

そんな中、ようやく82年6月号で「ときめきトゥナイト」が生まれる。以後、その主人公「蘭世」のキャラクターアイテムがふろくの主流に。
この頃、読者の低年齢化が始まり、ふたたびタレント関係のふろくが目立ちはじめる。
「りぼん」のふろく黄金時代の終焉。

乙女ちっくの後継者は、さくらももこと指摘。

というのが僕が理解した大まかな流れ。
マクドナルドがハイカラなものだった、とかって当時を知らない人には分からないだろうなぁ。名前は知っていても店舗を見たことなかったもんなぁ。

「りぼんのふろく」に話を戻すと、注目すべきはこれらのグッズが「キャラクターグッズ」ではなかったことである。つまり、その後ろに物語が存在しなかった。
たとえば、グッズ専門のイラストレーターすらいたのである。「りぼん」はそういったふろく専門の漫画家を独自に育てようとしたところが、他の雑誌と違っていて、たとえば「なかよし」のふろくはキャンディキャンディのグッズだったりするけれど、同じようでいて厳密には意味が違う。

そんな中、陸奥A子ら「乙女ちっく派」の作家たちは、元々はこのふろくのための作家だったようで、またその中でも陸奥A子のイラストをあしらったグッズの人気は高かったようだ。彼女が描くイラストは、ちょうど当時憧れであったらしいアイビー的なファッションがフィーチャーされていたことも大きいという。

だから当時の陸奥A子らを追体験するには漫画本だけでなく、彼女たちが手がけたふろくをその時代背景においてみないと見えてこないのではないか、と思う。
最近こんな本も出ていて、

少女雑誌ふろくコレクション (らんぷの本)
中村 圭子 外舘 惠子
4309727611

さらに東大近くの弥生美術館では「『少年倶楽部』から『りぼん』まで ふろくのミリョク☆展」が開催されている。

でも面白いことに先の杉浦さやかは、陸奥A子のふろくについては全く言及しておらず、取り上げている作品も80年代の漫画家として円熟期に入ったと思われる作品ばかりだった。年齢的にも「ふろく世代」ではないからだろうけど、陸奥A子のふろく作家的資質に敏感に反応しているのはさすがその方面の目利きである。

と、りぼんと陸奥A子に関してはこれぐらいにして、ではなぜ「Dr.スランプ」とこれらがつながるのか、というポイントに関してはつづきます。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年11月11日22:17 | コメント (0)

ガッちゃん賛歌

というわけで、「Dr.スランプ」を通読してるんだけど、とにかく言えるのが

ガッちゃん、かわいすぎ!

前にも書いたようにかわいい盛りの次女(1歳3ヶ月)とダブらせてるせいもあるけど(←バカ親)、それを割り引いてもかわいい。wikipediaによるとガッちゃんのモデルは鳥山明の姪(おそらく連載時に赤ん坊だった)だそうな。確かに赤ん坊のかわいさがすごくうまく描かれている。
2匹いるのがかわいい。
アラレちゃんといっしょにコスプレするのがかわいい。
ターボくんが登場してから、いっしょに空を飛んでいるのもかわいい。

ちなみにガッちゃん豆知識。
・定期的に繭を作って倍々に増加する。10年後に行くエピソードでは8匹になってた。
・タイヤなどのゴムは食べられない。アラレちゃんの表面は食べられない材質だそうな。
・その正体は、神様が地球に送り込んだ破壊の天使で、本来は原始時代から大増殖してるはずがアラレちゃんが持ち帰ったのであんまり増えてない、という後づけ設定。

arale_gacyan.jpg
↑その神様のエピソードでのガッちゃんの珍しいシーン。ちょっと感動するコマだったりする。

それにしても、ガッちゃんを立体化するとかわいくなくなるのはナゼか?
偶然、「ガッちゃんコレクションフィギュア」てのが出るみたいけど、なんか違う。鳥山明は立体になっても矛盾しないような絵を描ける作家なのに不思議。

しかし、今の鳥山明が描くガッちゃんがかわいくないという事実も。

つまり鳥山明ですら「あのガッちゃん」を描くことができないのだ。このアラレちゃん、むしろ連載初期ぐらいの頭身だよなぁ。

なお、完全版の表紙はここで見られるけど、12巻表紙のターボくんもかわいくない。

というか、これらの書き下ろしの表紙は「完全版」にふさわしくない気もするなぁ。あくまで当時の絵を現在のデザインでレイアウトするべきだったのでは。
それぐらい「Dr.スランプ」後半の鳥山明の絵はかわいいのだ。

さてさて、今「Dr.スランプ」を読んで発見したのは

鳥山明ってストーリー作るの、うまくないよね?

ってこと。僕は「ドラゴンボール」だってストーリーが優れていたとは全然思わない(その前に読み返そうとも思わないが)。大好きな「SANDLAND」もストーリーはかなりベタだし。本人もそのことを自覚しているから、あんまり「漫画」を描きたくないんじゃないかなぁ。
とくに「Dr.スランプ」はギャグマンガということもあって今後再評価されるのは難しいと思う。そもそもそこに描かれているギャグが面白いわけではないし。

でも、なぜか鳥山明のマンガは「読ませる」のだ。
それがとても不思議なんだけど、その謎の解答を見つけようとしばらく考えていたら、前から少し気になっていた陸奥A子とりぼんの乙女ちっく作家たちが本格的に気になり始めてきて、こちらを購入。

こんぺい荘のフランソワ―陸奥A子りぼん名作選 (集英社文庫―コミック版)
陸奥 A子
4086181924

……なぜだ?
と、この話つづきます。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年11月07日22:44 | コメント (0)

ヴァラエティブックの話は「ワンダー植草・甚一ランド」からはじめよう。

先日、突然見知らぬ人からメールがきて、なんだろう?と思ったら、3年前に作った個人誌を買いたいとのこと。ここ1年以上、まったく在庫が減らなかったのと作ったのはもう3年前かぁと、両方の理由でビックリした。
ちなみにまだ在庫ありますんで、こちらの宣伝を見てほしい方がいましたら、喜んでお売りします(笑)。

この本については何度も書いたけど、いわゆる晶文社を起源とする「ヴァラエティブック」を模して作ったもので、そのヴァラエティブックに関してはこちらでまとめているのでどうぞ。
その注文してくださった方も「ヴァラエティブック」で検索していたら当サイトに行き着いたそう。

さて、現在そんなヴァラエティブックの元祖的な存在である植草甚一氏の展覧会が、世田谷文学館にて開催されている(2007/11/25まで)。

10/28に元ピチカート・ファイブの小西康陽氏と小梶嗣氏による「きょうの話は「ワンダー植草・甚一ランド」からはじめよう。」なるトークショーがあり、その事前申込をしていたので、本日ようやく観覧に出かけたのだった。

まずはトークショーのレポート。参加料は1000円で、1時間程度。定員150名と書いてあったけどほぼ満員ぽかった(最前列に座れたので、後ろの方は見なかった)。

小梶嗣氏って誰??と思っていたら朝日新聞社の方だそうで、なんでそんな人が?と思ったら、小西さんの「これは恋ではない」(幻冬舎)につづく第2コラム集、というかヴァラエティブックを編集中だそうな。来年2月あたりに出版予定だとか!
会場にはスクラップマニアという彼が作ったというスクラップブック(雑誌をベースにその上にお気に入りの記事を貼り付けて透明のテープでコーティングしたもの)が多数展示されていた。その編集中のコラム集もスクラップブックバージョンというか、見本のようなものがあるらしくて持ってきていた。どうも、絵や写真などもふんだんに入ったものになってるっぽい。これは期待大。
なお小西氏は今となってみると「これは恋ではない」はそれほどいい出来の本ではない、と語っていた。もっとも謙遜もあると思う。

さて、トークショー自体は、小西さんは会場に知り合いがいたこと、小梶嗣氏は晶文社の人がいたこと、そして年季の入った植草マニアみたいな人たちがいたことなどで序盤は少々あがり気味だったものの、たどたどしく(笑)進行。
ちなみに会場には、今回の宣伝物アートディレクションも担当した信藤三男氏(世田谷区在住)のほか、小西氏の奥さん(長谷部千彩)もいたっぽい。

トークの内容自体はなかなか面白くて、その中でも覚えているネタをメモ。

・トークショーのタイトルは彼らが考えたものではなく、文学館側からお題として出されたものだとか。
・ただ2人とも、「ワンダー植草・甚一ランド」から話を広げるというのは正しい、という。

・「ワンダー植草・甚一ランド」の初版(1971年12月25日)は3000部。
・小西さんが1971年の大晦日、北海道札幌の書店にて手に入れたものは、不思議なことに第3刷。この3刷の年月日は特に言ってなかったので分からず。
・小西さんの「これは恋ではない」は現在、絶版。総部数は28,000部とのこと(少ない!)で、大体「ワンダー植草・甚一ランド」の総部数と同じぐらいではないか、とのこと。
・小梶嗣氏は今回のトークショーのために「ワンダー植草・甚一ランド」を通読してみようとするも挫折。通読することになんの意味もない本であることを改めて確認したそう。
これはとてもよく分かる。
・ちなみに現在出ている「ワンダー植草・甚一ランド」は21刷で、僕が持っているものは1997年6月20日付の19刷。

ワンダー植草・甚一ランド
植草 甚一
4794955014

なお年譜によると1995年11月に晶文社創立35周年を記念して復刊されたそう。確かにそれまでは古本屋でしか目にしたことがなかった。

・小西氏は「ワンダー植草・甚一ランド」「これは恋ではない」の他、「太陽1995.6 特集・植草甚一」などを持参。小梶嗣氏は「知らない本や本屋を捜したり読んだり」「植草甚一主義」などを持参。

・小西さんも小梶嗣氏も植草甚一の中で一番好きな本は「知らない本や本屋を捜したり読んだり ワンダー植草・甚一ランド 第2集 アメリカ篇」だそうで、二人とも自分で所蔵しているものを持参していた。
・小梶嗣氏は晶文社のシリーズ植草甚一倶楽部(1994)は、テキストのみの編集だったので手には取ったけど買わなかった、という。小梶嗣氏はその時に「自分は別に植草甚一のテキストが好きなわけではないのでは?」と自覚したそう。
ちなみに僕は1999年11月頃に、自分のwebでこのシリーズの「収集誌」「散歩誌」、ランティエ叢書「植草甚一/古本とジャズ」(角川春樹事務所,1997)について書いている。これらの本が出るまでは、植草甚一の文章を新刊書店で探すのは難しかったと記憶している。
・小梶嗣氏はその後、「ワンダー植草・甚一ランド」以降の植草甚一というのは、ユニット名~植草本人、津野海太郎、平野甲賀を中心にときどき片岡義男などが入ってくる~と捉えた方がいいのでは?という考えに至った、という。この話は面白かった。

・今回の展覧会は、両氏にとってはいまひとつ、らしくて、というのも晶文社が所蔵していた大事な旧蔵資料を北海道のある書店(成美堂書店?)が返してくれてないから画竜点睛を欠く状態なんだそう。
この件はそこでの断片的な話とネットでちょっと調べたことをあわせてみると、どうやら2002年に小樽文学館で開催された「小樽・札幌喫茶店物語」展の際に晶文社が資料を貸し出して以後、その資料が戻ってこないということらしい(これは憶測が入った不確実な話です)。この未返却は何らかの事情があるらしい。
・その問題の書店は小西氏が札幌時代によく通った店で、先述の「ワンダー植草・甚一ランド」を手に入れたのもそこだそうな。奇縁。
・ちなみにそれらの旧蔵資料は「太陽1995.6 特集・植草甚一」やそれを元にして編まれた「植草甚一スタイル」(平凡社コロナブックス)にて見られるそうな。僕は前者の雑誌をネット古本屋で手に入れて喜んでいたら、少し後に後者のムックが出ちゃって、そちらは意地で買ってない。

植草甚一スタイル (コロナ・ブックス (118))
コロナ・ブックス編集部
458263415X

・途中、植草甚一が出演している桜田淳子主演映画「愛の嵐の中で」(1974)からの出演シーン2カットをビデオで上映。小梶嗣氏はしゃべっている映像を初めて見たそうで、思っていたキャラクターと違っていて見なければよかったかも、と言ってた。

・今回の植草甚一展には特徴があって
 1.図録がやたらと売れる
 2.残念ながら失念。普段と客層が違うとか若い人が多いとか、そんなんだった気がする。
 3.中高年の女性の姿が少ない(若い男女、中年男性はいるけど……)
3が植草甚一の魅力を表しているのでは、とのこと。なるほど。

・ちなみに来年は植草甚一生誕100周年だそうな。この展覧会を企画した学芸員の矢野氏は特に意識していなかったとか。

以上、覚えてる部分を書いてみた。こうしてみると、けっこう濃い内容だったのかもしれない。

トークショー後に見た展覧会は著作物や書簡中心で、確かに「太陽」で見た本人のスクラップブックなどは見られず残念。
マッチ箱に入った切手のコレクションなんかはイームズ展で見た彼らのコレクションを思い出した。
また、昔の人は手紙をたくさん書いたんだなぁと感心した。しかも、そこにちょっとしたイラストやコラージュを入れる、ってのはなかなかマネできない。
植草氏の字がまた、少しかわいらしく、でもとても魅力的で、直筆原稿を見るのはなかなか楽しい。「植草甚一コラージュ日記」なんかでも確認できるけど。

植草甚一コラージュ日記〈1〉東京1976
植草 甚一 瀬戸 俊一
4582831869

確かに全体的にはすごい展覧会という感じではなかった。思ったより小規模だったし。でも、トークショーの面白さと資料性の高い図録(読み物としてはあんまり面白くないですよ)の援護射撃もあって、個人的には満足だった。

展覧会からの帰り道、今の世の中に植草甚一的なものってたくさんあるなぁと思ったけど、たとえば出来のいいblogなんてそうだろうし、あと先日紹介したBSフジ「所さんの世田谷ベース」ってどうでもいい知識を披露したり気に入ったものを改造したり、ってやってることがまんま植草甚一だよなぁ。所さんは現代の植木等かと思ってたけど、植草甚一なのかもしれない。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年10月28日23:41 | コメント (0)

マニア!マニア!マニア!

先日NHK-BSで放送していた「熱中時間~忙中“趣味”あり~ 鉄分補給スペシャル2!」は相変わらず突き抜けた「鉄」たちが続々登場して満足。

相変わらずマニアやコレクターに関するテレビを見たり本を読んだりしてるわけだけど、その中でも名著のPart2が待望の文庫化。

本棚探偵の回想 (双葉文庫 き 15-2)
喜国 雅彦
4575713384

さすがにPart1の面白さには及ばないものの、「本を、読むために買うのではなくただただほしいから買う」という姿勢を、開き直って過激に展開していく様が笑える。買いたい本が少なくなってきて困る、というのもコレクションが趣味の人ならではの悩み。

やはり骨董の世界は面白いわけだけど、こんな小説があるなんてしらなかった。

人が見たら蛙に化れ (朝日文庫)
村田 喜代子
402264334X

芥川賞作家による朝日新聞に連載された小説だそうだけで、冒頭を読んでいくと普段僕が読まない大衆小説っぽい雰囲気なんだけど、中島誠之助が書いているような世界が展開されていて思わず引き込まれる。

こちらの本もストックしてある。

ニセモノ師たち (講談社文庫)
中島 誠之助
4062751372

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年10月21日22:50 | コメント (0)

さよならBook1st渋谷店

久々に自分のblogに自分でコメントをつけようと思ったら投稿できず……。あらら。
よく見ると、コメントを書き込むcgiのファイル名(mt-comments.cgi)がいつの間にやらmt-comments_.cgiになってました。なんでだろう??
もしコメントつけようとした方で、「書き込めなかったよ!」という方がいたらすんませんでした。

さてさて、先日10/14でかつてお世話になった渋谷book1stが閉店(というか規模縮小して移転。ますます渋谷には行かなくなりそう)、その前日にたまたま顔を出して、今までのお礼というわけじゃないけど数冊購入。

その中の一冊がこちら。

レストアガレージ251(25) (BUNCH COMICS)
次原 隆二
410771361X

レストア対象は当blogで頻出のバモスホンダ!!実は鳥山明に描いてほしい車ナンバーワン(描いてたらゴメン)。
偶然「コミックバンチ」掲載時に目にしていて、単行本になったらこのエピソード収録単行本は買おうと思ってたのだ。読んだら話が次巻に続いてたので、26巻が出たら買わないと。
ちなみに、ストーリーはすごいベタでちょい閉口。登場人物泣きすぎ。「コミックバンチ」ってなんかビックコミック臭がするのは気のせいなのか??やや保守的な感じがする。

しかし25巻も出てるんだね、このマンガ。次原隆二って連載が続かない(途中で投げ出すわけじゃなくて……以下略)ので有名らしいけど、これでその不名誉なレッテルもはがれたのか。
僕は連載開始時にいつか「メカドック」のメンバーが出るに違いないと思ってたけど、今のところ出たという話は聞かない(といっても全然読んでないので本当かどうかは知らない)。


本屋といえば、最寄り駅から2駅の白金台(ex.シロガネーゼ)にあのbookoffが出店!自転車で10分ぐらいなのでさっそく行ってみると、カフェがあったりキレイな本が多めだったりと自由が丘店の方法論を踏襲した感じだった。悪くないけど。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年10月17日22:47 | コメント (0)

ジロウ物語

ここ何年間かは、必ず「何か読もうと思っている本がある」=いわゆる積ん読状態が続いていたんだけど、先日ようやくそのストックがなくなった。
スッキリした反面、会社の行き帰りに読む本がないと困るので、結局本屋でなんかないかなぁと文庫、新書を中心に探しているとこんな本が目につき、

青山二郎の話 (中公文庫)
宇野 千代
4122044243

面白そうだと手に取ってパラパラ……と中身を見ているうちに、重大なことに気づいた。

僕は今の今まで「青山二郎」と「白州次郎」を同一人物だと思っていたのだ!!!

いやぁ、最近やたらと白州次郎に関する本が出てるなぁと思っていたんだけど(なんか最近観た「モーターサイクルダイアリーズ」のチェ・ゲバラのような扱われ方の印象)、芸術にも精通していた政治的な人、と思っていた。

この間違いは何で起こったかというとこんな本があるから。

いまなぜ青山二郎なのか (新潮文庫)
白洲 正子
410137905X

白州正子は白州次郎夫人で、青山二郎の弟子。これがすべての始まり。
あと、こんな本もあって

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)
青柳 恵介
4101227217

著者名に「青」がついてるだけでなんか混同に拍車をかけていた(笑)。

これで自分が興味あるのは青山二郎だということがはっきりとして先の「青山二郎の話」「いまなぜ青山二郎なのか」を連続で読んでみた。

生まれついての金持ちってお金を楽しく使う方法を知っているよなぁ。だからボンボンにはかなわねぇや、と思う。そういう人って財産があるかどうかなんて関係なく、とにかくお金を使う。借金していてもまた借金をして(それができるのも自分の出自を担保にできるからなんだろうが)、それを使う。
青山二郎の場合、それを自分の美意識のためだけに使った、というところにその天才性があるんだと思った。とても近くにいてほしい人ではないけど、この二人の女性からみた人物像は面白い。
魯山人のように残したものがほとんどないからあまり評価されないようだけど、そういうことすらどうでもいいと思っていたところもすごい。

そういや、昨年中公文庫の復刊で彼の本が出てたなぁ。

眼の引越 改版
青山 二郎
4122047064

今はもう絶版なので、買っときゃよかった。同時期に出た「武井武雄/本とその周辺」は買って正解だっただけにちょっと悔やまれる。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年09月29日22:13 | コメント (1)

きどりっこ

自分のPCの中には、このblogを書くためのネタ帳テキストファイルがひとつあって、そこにメモとかちょっとした書き出しの文章とかが貼り付けてあったりするんだけど、ずっと

「高橋幸治/MACPOWER編集長」

というメモがあった。
雑誌「MACPOWER」について書こう書こうと思っていたんだけど、なんと今月号をもって休刊。

もはやMacユーザーではない僕がどうしてこの雑誌について書きたかったかというと、この雑誌が2000年代には珍しいぐらいに「きどっている」からなのだった。
2年ぐらい前にリニューアルした際に、Appleを中心とする情報誌から、Appleを好きといいそうなクリエイターやそういう人に憧れる人たちのための雑誌、みたいになった。この時は「あらら」と思ったんだけど、リニューアル前のマック情報誌のままでは先は短いだろうなぁとも感じてたから、思い切ったなぁという印象ではあった。また、リニューアル前よりも面白いとも思った。

で、このリニューアルを行ったと思われる編集長「高橋幸治」ってのはどんな人だろう?と思って調べてみると、ネット上での孫引きになるけど

1991年、電通に入社。CMプランナーとして広告制作に携わった後、94年アスキーに入社。2001年『MACPOWER』編集長に就任。

とのことで、なるほど。この雑誌がやたらと「クリエイティヴ」という言葉を連発したり、デザイナー、フォトグラファーをありがたがって取り上げていたのが何となく分かるような。あと、連載の人選が90年代っぽかった、もっというと「少し前に旬だった人、今は仕事の内容はともかくけっこうネームバリューがある人」が多かったのも特徴だった気がする。先日、沢尻エリカ(ってどんなルックスなのかピンとこないが名前はよく聞く)と熱愛報道があった(笑)高城剛とかふつうに持ち上げてて、びっくりしたもん。

それにしても、きどって(た)んだよなぁ、この雑誌(笑)。もう表紙からしてきどってたもん。それがイヤだったかというけど、鼻につくけど嫌いではないという感じではあったけども。
ただ、売り上げ以外の事情もあるとは思うけどもやはりこの「きどり」は今ではウケないんだなぁ、きっと。

きどる、といえば先日読んだこの本もなんかきどってた。

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)
吉田 篤弘
4101324514

クラフト・エヴィング商會の片割れで、ちょっと不思議な連作?短編集。村上春樹から本質を抜いたような感じで、中身はないんだけど雰囲気は楽しめた。最近はあまりない気がするミニシアター系の映画のような感触。
これぞ「きどりっこ文学」。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年09月27日00:12 | コメント (0)

口ひげの人には要注意。

一時期「開運!なんでも鑑定団」をかかさず見ていた時期があったけど、僕が反応するのは北原さんや「流体力学」のツルツルの人が鑑定するものが多くて、中島誠之助が担当するものはあんまり興味がなかった。

ニセモノはなぜ、人を騙すのか? (角川oneテーマ21 C 135)
中島 誠之助
4047101060

でもこの本を読むと、あのオッサン食えないなぁ!と思わされるし、骨董の世界はかなりカオティックな世界であることが分かる。

とにかくこの本、言ってることが矛盾だらけなのだ。

よくできたニセモノの存在を必要悪的に肯定しながら、ガラクタレベルのニセモノは断固として認めない、という変な理論を展開する(いや、読むと言いたいことは分かるんだけど納得はしがたい)。また師匠でもある養父が作ったレベルの高い贋作のエピソードを、師のレベルの高さを評価するために出してきたりもしている。おいおい、いいのかこれ!?
骨董の勉強だけしてないでいいものを見るように努力しろと言いつつ、歴史などなどを勉強しないとだめだという。
また自分の目だけを信じろと言いつつ、ものについている「付加価値」は大事だと語る。

読んでてけっこう混乱した。あれ、さっきと言ってること違わない?と。
もっともそうした矛盾を内包しているからこそ面白いんだろうけど。彼自身が言うように骨董の世界は魑魅魍魎が跋扈する世界に違いない。

他にも面白いウンチク話もたくさん入っていておいしい。
鑑定家と骨董商の違いや、コレクターと目利きの違い、鑑定書・箱書きとは何か、とか。箱書きってのは「誰それリコメンド!」っていうレコード屋のキャプションみたいなもんなんだなぁ。
あと、骨董を見る際にはそれが生まれた時代の照明で見た方がよさが分かる、という話はなるほど。

いやぁ、ほんといい仕事だわ、ヒゲの人。

余談だけど、この本は新書でありがちな聞き書きだと思うが、話題が重複してたり時々だけど文章が話口調になるのはどうにかならんのか>ゴーストライター。なんか聞き書きだと分かってガッカリするんだよなぁ。

さて、骨董を買う側の本ではこれが面白い。

この骨董が、アナタです。
仲畑 貴志
4062738465

小西康陽氏も「QUICK JAPAN vol.42」の「小西康陽が小西康陽になるために読んだ100冊」の中で取りあげており、曰く「白州正子や青山二郎の本を読んだ後だったから面白かった。DJの話と置き換え可能」だそうな。

そういや、今一番新刊を楽しみにしてるこれの5巻がやっと出た。

へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
山田 芳裕
4063726258

次巻で「北野大茶会」らしい。
あと「度胸星」が講談社から再刊だってさ。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年08月28日22:52 | コメント (0)

マンガ雑誌のある生活

子供の頃は夏休みになると田舎に遊びにいったもんだけど、その時に楽しみだったのが、その頃祖父・祖母と一緒に暮らしていたオジサンやオバサンが読み終わったマンガ雑誌をもらうことだった。

僕はずっと単行本でマンガを読んでいたので、そこでマンガ雑誌を見るまで「雑誌連載を集めたものが単行本になる」ということを知らなかった。全部書き下ろしだと思っていたのだ(ゆえに「書き下ろし」の意味も分からなかった)。
たとえばジャンプでやっている「Dr.スランプ」なんかはものすごい変な感じがしたものだった。

それからもマンガは単行本中心で読んでいたけど(だって何度も読めるじゃない)、中学生の頃はみんなが読み終わったジャンプをもらって読んでいた。だから自腹でジャンプを買ったことは実は一度もない。

というか、自腹で買ったマンガ雑誌というのはそれからしばらく経った大学生の頃に買っていた「ビックコミックスピリッツ」ぐらい。読み始めた頃は確か「鉄コン筋クリート」を連載していたけどよく分からなくて飛ばしていたっけ。その後好きなマンガが減っていき、「ピンポン」が終わってしばらくして雑誌自体を買うのもやめた。

それ以来、10年以上もマンガ雑誌を定期購読することがない。
ビデオゲーム関連の会社なので社内のあちこちにはマンガ雑誌があるんだけど、いかんせん連載ものってのは「大縄飛び」みたいなもので、入るタイミングが難しい。連作短編ならすんなり読めるんだけども。

先に書いたようにマンガ雑誌でマンガを読む習慣がないのは確かなんだけど、単行本は買ったりしているから、決してマンガ嫌いではない。
むしろ週に一冊ぐらいマンガ雑誌を楽しみにする、という生活には憧れる。

しかし、きっかけがないんだよなぁ……。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年07月31日22:46 | コメント (0)

せめて2年は我慢してほしい。

2007年7月に買ったこの本。

悠悠おもちゃライフ
森 博嗣
4093411239

なんと、たった1年で文庫に!?

悠悠おもちゃライフ (講談社文庫)
森 博嗣
4062757974

自分でも

エッセイやとくにこの手のホビー系の本はとても好きで、ハードカバーだったりしても買う。

と書いたように、写真や画像も魅力的な本だから文庫化が早いのはいいとして、なんと文庫には未収録三回分が追加!!もともと小学館の雑誌「ラピタ」での連載なんだけど、ハードカバー版は最後の三回分が未収録だったのだ。

計算式としてはこうなる。

文庫 ハードカバー
(ポジティブ)
小さく、狭い家に住む自分にとってありがたい
未収録分掲載の完全版。
(ネガティブ)
ほとんどは一度読んだことある。
1年前に買った単行本を789円で買い直し?
 >  (ポジティブ)
写真がやや大きく、印刷もきれい(な気がする)。
1900円した。
(ネガティブ)
重い・かさばる

それでも、この本だったら未収録分がなければ買い直さなかっただろうに。そもそもなんで連載終了を待って単行本にしなかったんだ……。
逆に未掲載分があったから、早めに文庫になったんだろうか。本人が気に入ってたからなのか。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年07月21日19:21 | コメント (0)

懐かしい話、略して? 「懐バナー!」

「熱血!コロコロ伝説」のvol.2(1979-1980)がツボ過ぎた。実際はこの少し後の号を読んでいたのでvol.3はさらにヤバそう。

ちなみにvol.2は
「新オバQ」(単行本未収録のエピソードのような気がするが?)
「ドラえもん」(「キングコングだぞ」は初めて読んだ気がする)
「パーマン」(いつも書いてるように、パー子以外はつまらん)
「ミラ・クル1」(あー、これは「TPぼん」とかF先生のやや青年向けテイストだなぁ。この系統、あんまり好きじゃない。ヒロインはかわいいけど)
「ドラQパーマン」(アニメ映画のスチールはみたことあったけど、こんな話だったのか)
「ゲームセンターあらし」(すがやみつるって絵がムチャクチャうまいな!この人は石ノ森門下生だったっけか)
「おじゃまユーレイくん」(これは復刻版を買ってたのでそれほどでもなかったけど、この人のお色気シーンは師匠の永井豪を越えてる気が……!)
「アカンベー」(ライバル・ベンカーの設定を初めて知った。片倉陽二は絵がなめらか)
「金メダルマン」(僕が読んでた頃は後期の「金メダル暴走族」だった。意外と読めた)
「あさりちゃん」(今もやってるのがすごい)
「ザ・ゴリラ」(昔は「かっこえー」と思って読んでたけど、今読むとかなりトンデモマンガで爆笑)
「名たんていカゲマン」(以前復刻版買ったときにそのあまりのくだらなさに最後まで読み切れなかった。ちなみに収録2本目のは当時コロコロで読んだ回だった)

いやー、堪能堪能。
それにしても、「新オバQ」は完全に解禁だなぁ。こりゃ、単行本復刻だけじゃなくて完全版とかで出してほしい。だってやっぱりむちゃくちゃ面白いもん。

さて、懐かしいといえば、友人との会話で「ジョイントロボ」という単語が出てきてヤラれた。

そこから話が発展して、「変身パピーくん」を久々に思い出した。

男の子向け
女の子向け

そうそう、イチゴ味のお菓子だった。メカものなんだけど、ちょいかわいいのがミソ。子供の頃からカッコいいんだけどカワイイものが好きだったんだなぁ。三つ子の魂百まで。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年06月27日22:29 | コメント (0)

「馬車は走る」

沢木耕太郎の本は好きでいくつか読んでいるんだけど、どれもスポーツ系のルポばかりで、紀行ものが苦手なのもあり「深夜特急」すら未読。

先日読み終わった「馬車は走る」は手法自体はスポーツ系のルポと似ているんだけど、扱う対象が文化人なのもあって面白かった。また扱っている人が僕が子供の頃になんとなく知っている人だったりするのも、いい距離感だったんだろう。
それぞれ感想ではなく、読んだりそれを機に調べて「へー」と思ったことをメモ。

「帰郷」
趙治勲(ちょう ちくん)
朝鮮出身の碁の名人。彼の故郷への複雑な思いを描く。この人、名前はすごく見たことがあったけど、風貌は全然知らなかった。

「シジフォスの四十日」」
石原慎太郎
いわずと知れた現都知事が、1975年に同じく都知事選に出馬して落選したときのエピソードを中心に。ちなみにこの時、間接的なブレーンとして黒川紀章の名があったのが意外。
この時の演出の中心は劇団四季の浅利慶太だったけど、2007年4月の都知事選の際、ブレーンが佐々淳行だったのは知らなかった。

「帝」
「ミカド」というキャバレーを作った山田泰吉のエピソード。彼の墜ちてなお上を目指すハングリーさがすごい。

「その木戸を」
これが目当てだったんだけど、僕もファンである小椋佳が題材。
なお今回wikipediaを調べていて、4代目いいとも青年隊「半熟隊」の神田利則は彼の甥ということを初めて知った。

「オケラのカーニバル」
手弁当でヨットレースに参加していた多田雄幸
ちなみに多田が参加して4位だった1975年の太平洋横断レースの優勝者として戸塚ヨットスクールの戸塚宏も出てくる。なお、石原慎太郎は「戸塚ヨットスクールを支援する会」を組織している。「戸塚ヨットスクール事件」ってのも、今20歳ぐらいの人は知らないんだろうなぁ。

「奇妙な航海」
先日、ひどくつまらない事件で逮捕されていた三浦和義が題材。「ロス疑惑」ってのも、今20歳ぐらいの(略)。
とはいえこの事件の時、僕も小さかったので、彼の叔母が元女優で日活の映画プロデューサーとして石原裕次郎らを育てた水の江瀧子という有名人だった、というのは全然知らなかった。子供時代の三浦は、石原裕次郎と遊んだりもしていたらしい。
そうでなくても、「劇場型」に話題を集めてしまう彼の性癖が見えて面白かった。

沢木耕太郎の本では「敗れざる者たち」、「王の闇」もオススメで、とくにボクシングの輪島功一を描いた前者の「ドランカー<酔いどれ>」、後者の「コホーネス<肝っ玉>」を読むと、引退後のユーモラスな姿しか知らない僕を含めた人間なんかは、彼へのまなざしが変わると思う。

沢木耕太郎とは関係がないんだけど、先日書いた浅草キッドの「お笑い 男の星座2」に出てきた「PRIDE」のプロデューサー百瀬博教に関して、wikipediaを調べたらいろいろと面白いことが書いてあったんだけど、一番えっ!?と思ったのが

立教大学相撲部時代の経験は後に周防正行により「シコふんじゃった。」(本木雅弘主演、1992年公開)として映画化されている。

周防監督も立教大学出身だから繋がったんだろうか。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年06月12日23:26 | コメント (0)

ドラの顔の線はちゃんと目を通すように>各位

6月6日と聞くと思い出すのはドラえもんえかきうたで、「~にUFOがあっちいってこっちいって落っこちてお池がふたつできました」なのだ。

でも本当の「UFOの日」というのは6/24で、これは1947年6月24日、アメリカのケネス・アーノルドが飛行物体を見て「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と報道されたのがその理由。
でも、実はflying saucerと表現したのはアーノルドではなくそれを聞いた新聞記者だったという話が最近出たこちらの本に書いてあった。

新・UFO入門―日本人は、なぜUFOを見なくなったのか
唐沢 俊一
4344980352

以前紹介したこちらの本とUFOへのスタンスは同じように思う。

木原 善彦「UFOとポストモダン」(平凡社新書)
4582853099

この本を読んで以来「なぜ人はUFOを見てしまうのか」というテーマが好きになったけど、唐沢兄のこの本もそのテーマをサブカルチャー的な視点から語ってくれる。「UFOとポストモダン」がやや学術的だったのといい意味で対照的でよい。

「UFOとポストモダン」の感想文で

でも、このタイトルは売る気ないよなぁ……。「UFOはなぜ見えなくなったか」とかなんとかあるだろうに。もっとも学者である著者がその手のちょっと詐欺っぽいタイトルをよしとしなかったのかもしれないけど、もったいない。

と書いたけど、唐沢本はもろに「日本人は、なぜUFOを見なくなったのか」というサブタイトルをつけていてニヤリとした。そうでしょそうでしょ。

また、こちらの本は日本のUFO事情に関して取り上げているのが面白かった。本人も「本書の中核」と書く「CBA事件」は確かに日本でこんなことがあったのか、と驚いた。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年06月06日22:15 | コメント (0)

ホビーマンガ、略してホビマン

もうすぐ(5/25)「熱血!!コロコロ伝説」が出るけど、最近「塾師べんちゃん」を読んだこともあって「別冊コロコロコミック」のことをいろいろと思い出した。

今はネット検索をすれば、かすかに覚えてるマンガのタイトルなどが分かって面白い。
「別冊コロコロコミック」では、藤子F不二雄先生がちょい大人向けの作品を書いててへぇーと思ったけど、A先生の「プロゴルファー猿」や「小林たつよし/ドラゴン拳」「すがやみつる/マイコン電児ラン」「立石佳/ザ・超人マン」(キンタマンの姉妹作品)あたりも記憶あり。

しかし、なんといっても「たかや健二/3D甲子園プラコン大作」が僕にとって目玉だった。
この漫画は講談社のライバル誌「コミックボンボン」連載の「プラモ狂四郎」とは違ってプラモに載ってバトルしたりはしない。なんとディオラマを作ったりして、その出来を競い合うという内容!テレビ東京「TVチャンピオン全国プロモデラー選手権」を先取りしたような内容。確か球場を使った大会で相手チームがプラモを壊したり、材料を取りに行った際に怪我をさせたりと無理矢理バトルさせてた。

また企業コラボ的な観点では、「プラモ狂四郎」はバンダイとの蜜月ぶりを子供心にも感じたんだけど、それゆえ「プラコン大作」はイマイ・アリイの「超時空要塞マクロス」とかガンダム以外のキットを使うことが多くて、そこがややマイナーな印象を抱かせた(笑)。

「コロコロ」本家では「斉藤栄一/プラモ天才エスパー太郎」という作品があって、こちらは「プラモイーン!!」とかいいながら超能力でやはり「マクロス」のプラモと一体化する、という内容だった。くわしくはこちらなど。今観ると、ダイナミックプロ系統の絵柄だなぁ。

もうひとつ覚えてるのは、単行本で立ち読みしたんだけど、「月刊少年マガジン」の「ディオラマ大作戦」。
こちらは、今でもいくつかあると思われる料理やホビーでちょっとした事件を解決するというタイプの作品で、でもそれがディオラマというのだからユニークなのである。
けっこう「いい話」が多い印象だったんだけど、今ではキワモノ扱いされてるみたくて悲しかった。でも紹介されてるのを読むと、確かに何かがズレてるかも。ま、ホビーマンガってほとんどは「ズレてる」もんだけどね。

しかし、こういったプラモマンガのムーブメントに影響されて「プラファイター丈」というマンガをうちの双子の弟が(表紙だけ)描いていたのは、ここだけの秘密だ。
当人読んでるけど。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年05月19日09:12 | コメント (0)

元祖ロハス?

今発売されてる号あたりから、「暮らしの手帖」の編集長が松浦弥太郎になったとかで、そういえばちょうど一年前に世田谷文学館で催された「花森安治と『暮しの手帖』展」に行ったときちょうどトークショーがやってて、その講師が松浦弥太郎だったなぁ。

松浦弥太郎のような人が、ロハス的視点から再評価されている印象のある「暮らしの手帖」に接近する、ってのがなんだか興味深い。

その松浦弥太郎の代表著作が文庫化されたので購入。

本業失格
松浦 弥太郎
4087461327

なかなか面白かった。古本屋をめぐる時の気分は探すジャンルが違うとはいえ「分かる分かる」てな感じ。

本ではないんだけど、海外へのレコード買いつけ旅行をインタビュー形式でレポートしたこちらも一気に読んだ。

レコード・バイヤーズ・ダイアリー―レコード・バイヤー内門洋の華麗なる海外買い付け日記
内門 洋 ミズモト アキラ
4845613301

あくまで「中古レコード店の仕入れ」なので安さと量を重視、ってのがなるほど。内門氏のパワフルぶりが読みどころ。絶対マネできないし、したくないです。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年03月05日23:35 | コメント (0)

最近の雑誌から

雑誌のコーヒー特集、かぶりまくってないか?
ates(No.004)
Brutus(No.612)
別冊Lightning Vol.35 コーヒースタイルブック
「スターバックス大解剖」(スタバのムック)
前にエアライン特集がかぶりまくってたことがあったけど、こういうのって偶然なのかな?

「銀河鉄道999」って何年か前にマンガで続編が連載されてて、掲載誌の「月刊ビッグゴールド」が休刊してweb連載とかしてたけどどうなったんだろう、とwikipediaで調べてみると

また、2004年以降は新作が一切発表されず、第41話の時点で執筆が中断されている。

とのことで、そっか、またほったらかしなのか。
ただ、偶然見た「ビッグコミック増刊号」の予告で、999の読み切りが掲載と書いてあったよ。どうでもいいが。あと、ビッグコミックって無印、スペリオール、オリジナル、その上に増刊号とかあって、雑誌でマンガを読まない人間としてはかなりわけが分からない。その点、講談社の「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」とかって関連もあって(←?)別の雑誌、ってのが分かっていいかも。
あ、そうそう「ビッグコミック」でやってる「築地魚河岸三代目」って、ラムちゃんの声優をやっていた平野文の夫がモデルなんだそうな。有名な話なの?

そうだ、「月刊少年ジャンプ」が休刊、ってのもあった。月刊の方は、子供の頃連載してる漫画が地味な印象があった。それが味なんだろうと思ってはいたけど。
そういや昔、「フレッシュジャンプ」とかあったよなぁ。「闘将!!拉麺男」とかやってた雑誌。

少女マンガは全然詳しくないんだけど、最近読んだこの記事が面白かった。

Revival Gate - 最近の「なかよし」はさすがにダメだと思う

かつての「りぼん」>>>「なかよし」>「ちゃお」が現在では「ちゃお」>>「なかよし」>「りぼん」なんだそうで。そういえば小学生の姪っ子は「ちゃお」読んでたな。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年03月04日12:19 | コメント (0)

デザイナーの本

このところやけにグラフィックデザイナーが本を出した気がする。
けっこうその手の本を読むのが好きだったりするから、よく行く本屋のその手の特集棚の数冊がまんま自分の本棚にあったりして、思わず赤面。

明和電機の広告デザイン
中村 至男 土佐 信道
4757170327

中村至男は、この明和電機のアートワークや、佐藤雅彦との仕事(PSソフト「IQ」のアートワーク他)などで大好きなデザイナーだったけど、ようやくまともに彼のデザインを集めた本が出た、という感じ。

以前にも明和電機のムック本というのはあったけど、この本は特にアートワークにスポットをあてて、しかも中村至男本人の解説がついているため、彼のデザイン論がたっぷりと拝聴できて大満足の内容だった。

勝手に広告
中村至男+佐藤雅彦
4838716915

同時期にこういう本も出たけど、こちらは買わなかった。何度も書いてるけど、どうも佐藤雅彦仕事は最近はピンとこなくなってるなぁ。そこそこ面白いとは思うんだけど、この値段を出してまで、とは思わない。

ピタゴラ装置DVDブック1
ピタゴラ装置
B000HOL7HY

こちらは購入。NHK教育「ピタゴラスイッチ」のピタゴラ装置の傑作選。短いので何度か観たくなる。メイキングや解説書もあり。

そういえば、玩具で「コロジカル」なる商品があって、
コロジカル
B000H7J886

これはピタゴラ装置みたいなものをブロック感覚で組み立てることができるそうな。

クジラは潮を吹いていた。
佐藤 卓
4887523521

佐藤卓は前にある雑誌で彼の記事を読んで、「ロッテ キシリトール」「おいしい牛乳」などとてもシャープなデザインをするデザイナーだという認識をしていたけど、この本の文章も同じく簡潔で明確。

写真とともに自らのデザイン論を展開していくんだけど、失敗した部分に関してどうしてダメだったのかも書かれていてなるほど、と思う。パッケージデザインが多くて、どれも「おっ」と目をひくものではあるんだけど、今は流通が力を持っているからそれが必ずしも有効になっていない、とも言う(P178)。

それにしてもどのデザインにもどこかフェティッシュな感じというか、触感までデザインしている部分があって、よい。写真で見てても、肌に訴えかけてくるものがあると思う。

デザインのたくらみ
坂井 直樹
4925112562

O-Product、Be-1、PAOなど80年代においてレトロフューチャーを取り入れて注目を浴びたコンセプトデザイナー坂井直樹のデザイン関係の本。見開き1ページで1つのトピックを扱っていて、デザイナーからプロダクト、パッケージ、はたまた駅弁まで扱う範囲は幅広い。
この手の本にありがちな自慢話になってないのも○。

ナガオカ ケンメイの考え
ナガオカ ケンメイ
4757213093

ナガオカケンメイは「D&DEPARTMENT」の人で、僕はそのショップに行ってとても感動したんだけど、彼のblogをまとめた本書を読むとややしんどさを感じた。
延々と彼の経営理念やポリシーが書かれているんだけど、もちろんこれぐらいの気概がないとあれだけのポリシーを感じられる店を経営することは無理なのかもしれない。
だけどなんだか「ちょっとおっかない人だなぁ」と思ったし、なんかデザイナーの本を読んでいるというより、自己啓発書を読んでるような気にもなった(うん、ナガオカ氏は他人を啓発することは明らかに好きだと思う)。

こういう本人の考えを開示してくれるのは自分のような凡人にとってはありがたいことではあるけど、やっぱりどこかで「こういうことはあえて言わないで、行動などから見えるようにしてほしい」とも思ってしまうのだった。

WORKSHOP MU!!
4072530433

こちらは画集。勢いで買ってしまった。
眞鍋立彦、中山泰、奥村靫正らで結成されたデザイン集団「WORKSHOP MU!!」の作品集。
中でも、一連のナイアガラ関連のデザインワークは今見ても垢抜けてるなぁ。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月18日22:49 | コメント (0)

「だまされる脳」

だまされる脳―バーチャルリアリティと知覚心理学入門
日本バーチャルリアリティ学会VR心理学研究委員会
4062575299

前半がバーチャルリアリティの元となる人間の「認識」に関する内容、後半が装置などを使ったバーチャルリアリティは現在どうのように使われているか・また今後どうやって使われていくか、などが書かれている。

前半がかなり面白くて、僕らがどうやって奥行きや立体感を感じているかをやさしく説明してくれる。
それは経験によるところも多くて、たとえば普段光というのは上からあたることが多いから、二次元で描かれたもののカゲもそういうふうに見ることが多い。
その他、いかに自分が「視ている」世界というものが脳内で作られたものであるかを知ることができる。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月18日00:39 | コメント (0)

雑誌から新書へ?

このところ、ホントに雑誌がつまらない。

2年ほど前までは、つまらないと言いながらたまには特集で買ったりすることもあったけど、いまや本屋の雑誌コーナーに立ち寄っても手に取る気にすらならない。

どこかのwebで書かれていた「今の新書がかつての雑誌的な役割になってる」って記事にはなるほど!と思った。確かに今、僕が本屋で一番わくわくするのは新書コーナーだからだ。700~800円程度でわりとキャッチーなワンテーマ、通勤中に読んでも2、3日で読み終えられるボリューム。
大きく違うのは雑誌と違ってビジュアルがほとんどないこと。でもその欲望はwebブラウジングで満たされているんだよなぁ。
逆にwebではしっかりした内容のある程度長いテキストってのは読めないというか読みにくいから、何かをさっくりと知りたいときには新書が重宝するという相互補完になっている。

かつての雑誌黄金期を考察しながら、それらの輝きはなんだったのかを探るのがこの本。
『季刊 本とコンピュータ』での連載なので、紙メディア礼賛にはなっていないのでご安心を。

雑誌のカタチ―編集者とデザイナーがつくった夢
山崎 浩一
4875023987

POPEYE、少年マガジン、ぴあ、週刊文春、ワンダーランド、婦人公論、小学館の学年誌
、クイック・ジャパンをテーマに、その雑誌の成り立ちと誌面レイアウトを中心に展開される。
雑誌の編集に携わっていたこともある著者だが、ノスタルジィに陥ることを回避しながら、それらのなにが魅力的だったかを、決して結論づけるわけではなく解いていく。

ただ、1つ1つの雑誌に関する記事がやや物足りないかなぁとも思った。レイアウトサンプルも白黒で載せられても……ということを考えると、新書で読みたかったかも。

「アンアン」1970
赤木 洋一
4582853587

マガジンハウスの社員だった著者の、「平凡パンチ1964」に続く第二弾。
とはいっても女性誌ということもあり、著者自身はその紙面作りには直接的な関わりは薄い。どちらかというと、フランス語ができることから、ELLEとの提携にパリへ出向いたり、堀内誠一がスカウトしてきたモデルの女の子「ベロニック・パスキエ(ベロちゃん)」を無理矢理自宅にホームステイさせられることになったり、といったバックアップ的な部分を担う。

意外だったのは、アンアンという雑誌が、創刊からの堀内誠一が中心となって誌面作りをしていた時代には、評判こそ高かったもののあまり売れなかったという事実。
その後、1971年に集英社から競合誌「ノンノ」が創刊され、この手の「大型グラビア雑誌」が注目され、1973年に甘糟章氏が編集長になった頃からようやく平凡出版(現・マガジンハウス)の中心的存在になっていったそうな。

創刊当時の芝崎文編集長は売り上げもあがらずいろいろと苦労も多かったようで、早々に病気でリタイアしてしまう(ちなみにその時期、木滑良久がタイアップ広告の編集長だったそうな)。芝崎文氏の病欠後は編集長不在で、なんと清水達夫自ら総編集長となる。ただし、実務はほとんどなく、実質的には編集長が不在だったそうで、それが逆に雑誌にとってはよい効果をあげたらしい。

雑誌の内容に関しては、P188の「ガイド&ショッピング」、P212の「熊猫周報」、「香港再現」など少しではあるが、どれも裏話とともに誌面の楽しさが伝わってくる。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月17日06:54 | コメント (0)

「ぼくにとっては、いちばんざんこくなうそだ。」

ドラえもんで一番好きな単行本は、

ドラえもん (17)
藤子・F・不二雄
4091401074

かもしれない。
「バイバイン」ではじまり、「週刊のび太」「あべこべ惑星」「未知とのそうぐう機」「狂音波発振機」……。ギャグマンガとしても脂がこってりのってるし、ホビー感も満載。のび太とドラえもんの関係もこのあたりが一番よい。絵も輪郭が後期よりも太くてかわいい。
う~ん、やっぱいいなぁ。

さて、数年前チェーンメールで広がったドラえもん最終回を漫画化した同人誌に小学館がクレームをつけたという件だけど、そのマンガの内容自体はネットで読んだことがあって、藤子・F・不二雄調の絵柄やアレンジに「愛」を感じるものであり、著作権のゆくえ自体は当人同士が裁判所でやればいいと思うんだけど(つか和解したのか?)、ひとつだけどうしてもある違和感が残る。

それは、先にリンクした記事にもある

小学館は「(藤子)先生の頭の中には最終話という構想はあったかもしれませんけど、今や先生はこの世に存在していない以上、最終話というのは現実に不可能じゃないかなと」と話した。

という箇所。

ちょっとまて!
「ドラえもん」には「さようなら、ドラえもん」というれっきとした、そして素晴らしい最終話があるではないか……!?

しかも藤子先生は、次の単行本の巻頭に「帰ってきたドラえもん」を収録することで、最終話があるけど永遠に続く、という無敵のループ構造を置き土産にしていったんじゃないの?

そもそもスタッフへのメモに、自分が描かなくなってからドラえもんはもっと面白くなったといわれるように、なんて書いてた先生が「最終話という構想はあったかもしれませんけど」って、そんなもんないない。
これ、ホントに小学館のコメントだろうか??ちょっと信じられない。

ちなみに藤子Fファンが気になるのはむしろ「チンプイ」の最終回だと思うが、どうか。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月08日21:58 | コメント (0)

田舎者御用達

昨年夏に、空港の本屋で偶然見て購入したこの本。

アニメノベライズの世界
坂井 由人 坂井 直人
4862480497

なかなか面白かったけど、それ以降、この本を売られているところをみたことがなかった;笑

僕は子供の頃、田舎に住んでいたため、たいていのテレビアニメっていうのはリアルタイムで放送されることはなく、さらに今と違ってケーブルテレビもレンタルビデオもなかったため、放送されない番組はどんな内容かほとんど分からなかった。
そんな時、ノベライズされた小説なんかを読むと大まかなストーリーは分かったため、大変重宝したものだ。もっとも、本だけは限りなく買ってもらえる環境というのも大きかったけど。
だから、実は見たことないけど読んだことがあるアニメというのもけっこうな数があったりする。
この本では決してそういう事情ではないけど、あだ花的存在のノベライズ本に焦点をあてて、原作であるアニメとの比較などがされている。何冊かは読んだことがあるものもあった。

この手のすぐに絶版になりまず再版はされないノベライズ本は、普通の古本屋でもイロモノ的な扱いであるため最近まで入手に苦労したかもしれないけど、今ならBOOKOFFなどにいけばゴロゴロしてるので大丈夫。

本書で紹介されていて興味をもったこちらもそうやって手に入れた(けど調べたら別に絶版ではなかった……。となりのトホホ)。

小説 となりのトトロ
宮崎 駿 久保 つぎこ
4196695817

ノベライズ版では、映画ではほぼ後半を使って描かれるメイ失踪事件を最後の20ページと短く展開しており、それ以前の五月・メイが田舎に来て生活に慣れていくまでを丁寧に描いている。また、映画ではなかった夏休みに都会のおばさんちへあずけられるというエピソードも。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月05日22:22 | コメント (0)

リンダリンダでつなげてみる

スギモトトモユキ Blogで紹介されてたので知った、3/21発売予定の砂原良徳ベストアルバム「WORKS '95-'05」。
う~ん、最近作「LOVEBEAT」から6年経とうというのに、新譜が新曲なしのベスト&リミックス・プロデュースワーク集……。これってSMEとの契約があと1枚(2枚組だから2枚?)残っていて、今年度末で契約期限が切れてしまうのに新作が出せなかったからか??とか思ってしまった。
ただ、ベストの選曲自体はけっこう納得いく。
お仕事集は個人的にコツコツ集めてたので、未聴のものは「日暮愛葉 / Living Source」のみだけど、先日iTSで見つけたので購入した「Reggae Disco Rockers / Oasis(y-sunahara's studio re-mix)」は損した気分……。
ところで、この後はインディーズとか配信でやっていくのかなぁ?

イカ天を軸とする「バンドブーム」は世代的にもろ直撃だったんだけど、そのイカ天の番組自体が地方ゆえ試聴できなかったり、そもそもビート系のバンドが好きではなかったのとで、音楽的にはそれほど関心がなかった。

リンダリンダラバーソール
大槻 ケンヂ
4101429278

本書は、筋肉少女帯(よく考えたらほとんどその音楽を聴いたことがない)の大槻ケンヂが当時の自分と周りの状況を回想するという内容なんだけど、ホントに資本側が何も知らない青年たちを搾取していく構図が面白すぎる。
しかも、「売れない」と分かると手のひらを返したように見捨てていく酷さ。ちょうどバブルに至る経済の動きも関係してたのでは。
同じようなドラマは映画しか観てないけどみうらじゅんの「アイデン&ティティ」、氏神一番の「消えた!?イカ天バンド」あたりでも知ることができる。

それにしても、この本ではそれほど気にならなかったけど、どうもこの世代の人たちの文章におけるユーモアの出し方は、今ひとつな気がしてならない。
たとえば自分で書いたことにツッコミを入れる芸風など、「今の時代はそこは自分で書かなくても読者がみんなツッコみながら読むからいらないのになぁ」と思うことが多い。

たとえば世代は違うんだけど、みうらじゅんのエッセイも同じ感想。

PEACE
みうら じゅん
4043434057

このblogでは、あれだけ生トークが面白いみうらじゅんがエッセイになるととたんにダメになるのはなぜなのかについて何度か書いてきたけど、この本でもやっぱり。

本・読書 - 2007 | text by expop 2007年02月03日23:14 | コメント (0)

「マンガっぽい」

楽天のお店でmicroSDカード1GBが1,980円!!送料はちょっと高いですが。
さっそく購入して携帯電話に挿し、これぞ!という楽曲を入れはじめた。好きな曲しか入ってない、ってのはなかなかいいかもなぁ。

最近、小説を読んでいたりドラマを見ていたり邦画を見ていたりする時に、「マンガっぽい」と感じるのはなんなんだろうと考える。
間の取り方とか、人の動き方やセリフ、そしてなんといってもストーリーの運び方などからそう思うんだろうか。

ところが面白いことに、現在の大半のマンガやアニメなどではそういういわゆる「マンガっぽい」表現は用いられなくなっているような気がする。マンガってものがより複雑な表現をするようになり、深夜に偶然みかけるアニメなんかで感じるような新しい「マンガっぽい」文法が出てきていたりもする。

そういう点でいうとこの小説はかなり「マンガっぽい」。

階段途中のビッグ・ノイズ
越谷 オサム