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80

ウルトラマンといえば「ザ・ウルトラマン」「80」だったり、「仮面ライダー」といえば「スカイライダー」「スーパー1」、「ガンダム」はどちらかというとアムロよりカミーユだ、という中途半端な僕の世代。このところそんな僕らの子供時代の文化=「ジャリカルチャー」に関する本が相次いで出版されてうれしい限りだ。

まずは僕が「プカドン交響楽団」で取り上げているような80年代の異色?歌謡曲を集めた「テクノ歌謡マニアクス」。
正直な話、いわゆる「テクノ歌謡」ムーブメントって僕はあんまり好きではなくてP-VINEのシリーズも一枚も買ってないのだけど、この本は売れ線もマニアックなものも同一線上で紹介しているところに好感が持てる。加藤賢崇による「電子戦隊デンジマン」O.P.についてのコラムもかなりうれしい。とりあえずこれ持って蒲田の「えとせとら」へ行っとけ、と言うしかない。

次はガンプラブーム時のパチモンプラモを集めた「超絶プラモ道」。
いやぁ、メチャクチャ笑いました。ガンプラ以前の怪獣・サンダーバードetc.のプラモデルに関してはオタキングこと岡田斗司夫などいろんな人が本にまとめているけど、ちょうどガンプラブームの時期(のガンプラ以外)にスポットを当ててるのはこの本が初めてなんじゃないだろうか?「メガロ・ザマック」とか「アトランジャー」「ゴダイガー」の「アオシマ合体シリーズ」は持ってたし、ガンダムのパチモン「ガンガル」なんて危うく買いそうだったもんなぁ。
しかし思い出してみると、僕のように地方に住んでいてサンライズのロボットアニメを生で見られなかった子供にとっては、自分の作るメカがテレビに出ていようといまいとあまり関係なかった。「かっこいいかかっこ悪いか」、純粋に子供の目で見た美的感覚で善し悪しを決めていたように思う。だからかつてパチモンをつかんだからといって悲しいとは思わない、それに満足できていたならば。このことは最近読んだ赤瀬川原平「日本美術応援団」でも触れられていたけど、美術作品における真贋問題にも似ている。自分の目で純粋にものを見ることの難しさ。そんなことを改めて考えさせられた。
ただ、そんなこと抜きにしてもガンプラ世代にはヒットする本であることには間違いない。

最後に、ガンプラブームよりちょっと後にブームになった電子ゲームを集めた本。
ポンゲーム・ブロック崩し・カセットビジョンから始まってLSIゲーム、ゲームウォッチ(初期ファミコンも少々)などをこれでもか!と紹介している。ちょっと残念なのはデザイン自体が美しいこれらの写真を半分近く白黒で紹介している点。予算もあるだろうけどオールカラーで見たかった。中でも透き通った海外向けゲームウォッチなんてすごい!
ちなみに僕自身はこれらの商品は一つも持っていなかったけど、友達が持っていたりコロコロコミックでの紹介などで意外と知っているものが多かった。やはりキャラ便乗もの・パチモンは笑える。

おそらくこれからも80年代文化にスポットが当てられると思うが、60・70年代のそれと決定的に違うのは、なんかトホホな・VOW的な取り上げられ方をすることが多い点ではないだろうか?
しかしこういうくだらないものだからこそモノがなくなる前にしっかりとまとめておく必要はあるだろうから、この3冊の著者にはとにかく「ごちそうさまでした」と言いたい。頭の中は合成着色料で真っ赤だけど(笑)
こういった80年代文化の濃厚なダシで作られたみそ汁がこの本。深夜放送・おもちゃ・東京ロッカーズなどなど正確には75〜85年あたりの風俗をジャリからアングラまで幅広くコンパイル。80年代入門書としては必携。
ちなみに「別冊宝島」になる前の単行本もありますが、内容はほぼ同じ。「1960年大百科」・「1970年大百科」もあります。

(2000/05/06)


僕にとって「スネークマンショー」というのは「YMO/増殖」の曲間コントなんだけど、そもそもはラジオ番組だったわけで、そのラジオ時代の「スネークマンショー」にスポットをあてた本。
この桑原茂一2という人物が桑原氏本人なのかどうか分からないけど、ドキュメンタリーと呼ぶにはあまりにも対象に近すぎ、かといって本人からしか聞けない貴重な証言!というものでもなく、中途半端な内容となっているのが残念。またギャグの再録も文字で読んでもほとんど面白くないわけで、むやみにページ数を消費してるだけな気もした。
とはいえ「スネークマンショー」を通じて桑原茂一がやりたかったことはなんとなく伝わってくるわけで、それは赤瀬川原平の「櫻画報」のようなものなのではないか。メディア内メディアっていう部分も似ているし、その過激さを増してピークに達した時に打ち切りになったというのも同じだ。
ただ、そもそも「スネークマンショー」はギャグ番組ではなく音楽番組だったというのは意外だった。その辺の話はこの本よりもむしろスネークマン・ショーのハブで読める。
それにしても桑原茂一という人は「くそまじめ」だなぁ……というのがよく分かる。あの人の風貌とスネークマンショーがなかなか結びつかなかったけど、この本を読んでその辺はある程度納得することができた。
ある人たちにとっては80年代のバイブルらしい、当時の若者文化をモチーフにしたショートショート集。月刊「宝島」1985年6月号から連載され、1987年11月に発行された単行本が未収録作品も含めて満を持しての文庫化、らしいんだけど、正直、半分読んだところでもう読めない〜と投げ出してしまった。
もちろん、ヤング(笑)の語り風の文体は当時の流行語というか言い回しがそのまま使われている、っていう時代を越えられない宿命は最初からあるんだけど、そういうこと以外に、なんていうか僕自身は80年代の文化にはある程度興味があっても、それを取り巻くムーブメントとかにはあまり興味ないんだなぁ……と思った。なにしろこのショートショートの登場人物たちにまるで感情移入ができなかったのだ。もっとも、この時代に間に合わなかった=このショートショートの主人公の一人になれなかった、という嫉妬というか仲間になれない感じが一番読めなかった理由だとは思うんだけども。

(2005/02/19)