企業職人

今回は、企業の中における「職人」に関する本を集めてみました。元々自伝とか評伝とか好きなんですが、自分が会社に入ってから、こういう立志伝的な読み物も楽しめるようになりました。もともと子供の頃に自分で読んだ本ってディズニーの伝記ぐらいですからね。

タミヤ

模型を知らない人にいうと、タミヤってのは知らない人がいないぐらいの超有名メーカーで、プラモデルだけでなくラジコン・ミニ四駆なども手がけています。そんなタミヤの元社長(二代目?)・田宮俊作氏による自伝。
タミヤのマークを見ると、何か背筋が伸シャキッとのびる感じがするんですが、その感じはこの社長が持っている雰囲気なんだと思います。日本に模型の素晴らしさを普及させたいという強い思いと、商品の質への職人的なこだわり。タミヤが持つメーカーとしてのブランドは、彼の志の高さがもたらしたものであることが分かります。
また、面白い話としては、「模型というのは単に縮尺しても模型にならない」という格言(?)。模型としてのデフォルメが必要で、それにはセンスがいるという。これはなかなか興味深いですね。

アオシマ

さて、タミヤが模型界のヒッチコックだとすると、エド・ウッドにあたるのがアオシマ。
アオシマがどれほどキョウレツなアイテムをリリースし続けていたかは、もうこの本を読んでいただくしかないんだけど、この本の巻末のアオシマスタッフへのインタビューがすごい。あの商品は「真面目」に企画され、情熱を持ってリリースされていたのだ!もう呆れるのを通り越して感動しました。

任天堂

ウルトラハンド・ウルトラマシン(子供用のピッチングマシン)・ラブテスター・ファミコン(光線銃・ロボット)・ゲームウォッチ・ゲームボーイ・バーチャルボーイ。これすべて任天堂の横井氏がからんだ「おもちゃ」です。もうこれらを並べられただけでその創造哲学が分かります。
個人的には「バーチャルボーイ」は結構好きでした(持ってはないけど)。目が弱いのですぐ痛くなっちゃうのがなんだったんですが。横井氏はこれで任天堂を追い出されたとかいう人がいるけど、元々自ら退社するつもりだったそうで、この失敗のフォローとしてゲームボーイポケットを残して会社を設立したそうな(しかし、その後交通事故で亡くなる。合掌)
「ゲームボーイ」が「ゲームウォッチ」の流れから生まれたのが意外でした(よく考えたら当たり前だけど、「ハンディなファミコン」というコンセプトが先だったのかと思ってた)
「枯れた技術の水平思考」というのが氏の発想法らしくて、ようは「新しい」というのは技術的に新しいことではなくて、「どう技術を使うか」という点にかかっている、ということだと思います。この言葉は印象に残った。「現状のゲームはゲーム(遊び)ではない」という氏の言葉は耳が痛いっす。

ソニー

ソニー社員・OBなどへのインタビューを元に書かれた本。実はまだ途中までしか読んでません。これまた読んでない松永真理「 iモード事件」 (角川書店)とかもそうなんだけど、なんか嫌みがあるんだよなぁ。これはなんなんだろうか?飲み会でイケイケの人がいると疲れるのと似ています。
その前にソニーって自慢話が延々と続く感じがして、どうも。技術屋のそれぞれのエピソードは面白いのですが。

(2000/11/03)