箱入りの本

子供の頃読んでいたような本って、ブックデザイン的に凝った本が多かったように思います。それはもちろん絵本が本質的にテキスト<ギミックという側面を持っているからでもありますが、しっかりした作りにしておかないと子供がすぐにダメにしてしまう、という理由もあったのでは、と思います。
そんな子供にとって「オトナ」を感じさせる本は、パラフィンがついた箱入りの本。家にはオヤジの仕事の関係で全集が多かったのですが、僕はそんな本は全然読みませんでした(笑)。ま、でも箱入りの本ってのはあるもので、今回はそういった本の特集。中身に共通性はないです。
これらや「象工場のハッピーエンド」は村上春樹のショートショートや短編を集めた本。特に「夜のくもざる」は段ボールのような箱がついていて豪華な感じがします。
「ぼくの伯父さんの休暇」
「ぼくの伯父さんの休暇」
ジャック・タチの同名映画の原作本。中身は読んでませんが、この映画を好きなベレー&ボーダーズが好みそうな装幀がキュート。表紙の質感も渋い。
BOOK・OFFで¥100ゲット。ティム・バートンのアングラ部分が思い切り出ている絵本。個人的には好きじゃないです。
「赤塚不二夫/赤塚不二夫120%」(アートン)
「赤塚不二夫/赤塚不二夫120%」(アートン)
「いま来たこの道帰りゃんせ」(東京新聞出版局)という自伝を読んだことがありましたが、「赤塚不二夫120%」はアル中以降(タモリを育てた話とか)のエピソードが満載。もちろん、トキワ荘のお約束エピソードも収録。
巻末に立川談志との対談があり、赤塚不二夫は酔っぱらいがクダまいて過去の栄光にすがってるだけでかなり痛いんですけど(本編もそういうところがなきにしもあらずだけど、すがれるだけの栄光はありますね)、今さらながら談志の評論的視点の鋭さに驚きました(今まで何となく嫌いでしたけど)
通だけが分かる笑いってのが本当に「いいもの」なのか?みたいな話なんだけど、ちょうど最近芸術とかエンタティンメント全般においてそういうことを考えていたもので……。この対談だけでも必読。
「遊佐未森/空耳見聞録」(河出書房新社)
「遊佐未森/空耳見聞録」(河出書房新社)
まさに児童文学的ファンタジーのカタマリのような本。宮沢賢治とか。こういうのを好きな人で悪い人はいないんですが、毒が無さ過ぎるところが逆に恐い。あと、遊佐未森は秋葉原方面で売れてるはず。
5年連用日記2000-2004(博文館)
5年連用日記2000-2004(博文館)
高校に入る直前から日記をつけてますが、正直どんな本よりも面白いです。感情的なことはほとんど書かないのですが、出来事をちょこっと書いておくことで忘れていたその日のことをワァッと思い出せます。そういう意味では、日記を書くことはRPGにおける「セーブ」のような感覚がありますね。
特にこの日記帳は上に昨年、一昨年……の記録が来るようになっていて「一年前の今日はこんなことをしてたのか」など変わっていく自分と変わらない自分を感じることができます。

さて、本が箱に入っている意義ですが、やはり中身が傷まないというのがありますね。例えば日記帳なんて毎日出し入れするものですから、結構傷みます。でも箱に入ってるので、箱はボロボロになるけど日記帳本体はきれいなままです。
ってことは滅多によまない全集なんかを箱に入れておいてもあまり意味がない気もするんですが、保存ということを考えるといいのでしょうかね。

箱から出して、中身を読んで(書いて)、また箱に戻す。面倒ですが、この一連の行為に楽しさがあるといえばあります。これはきっとアナログレコードを(音以外の意味でも)好む人の気持ちと同じなのではないでしょうか。

(2001/02/04)