「情報」というのは、ぶっちゃけていうと僕らが名前をつけたものはすべて「情報」だといえると思う。また、「デザイン」とは「それをどういうふうに扱うか=伝えるか・受け取るか」ってことなんだと思う。
そんなことを扱った本を紹介しましょう。
情報デザインなる言葉を最初に知ったのはこの本だった。本棚の整理(カテゴリー)、時計(時間)、地図(位置)などからパソコンのインターフェイス、WEBそしてセンスウェアへと話が発展していくのが刺激的で、正直かなり影響を受けた。「情報」をどうインプットして・どうアウトプットするか。それはまた「編集」という行為の基本でもあると思う。

CHARLES&RAY EAMES/EAMES DESIGN(イームズ展図録)

DVD「EAMES FILMS チャールズ&レイ・イームズの映像世界」(ASMIK)
イームズ夫妻が持っていた、情報を分かりやすく・つまりポップにプレゼンする能力はメディア・アーティスト岩井俊雄氏に受け継がれていると、勝手に思っている。岩井氏の作品は、音を視覚化したり色や光を聴覚化したりと僕らの感覚=センスを揺るがすものが多いけど、それがこけおどしでなく、「どう、面白いよね?」って感じで迫ってきて、まさにドラえもんの道具。もちろんのび太のように「これ欲しい!」と思ってしまうほど、どれもセンスよくまとまっている。その辺りもかっこいい。
正直、この本では岩井氏の魅力はなかなか伝わらないのが残念(けどこれも必携)。
前半はどちらかというと情報をアーティスティックに扱う本を紹介したけど、後半はもうちょっと僕らにとって身近な話題を取り上げた実践的な本を紹介。
この本は、看板やプレゼン資料、広告などを、受け手側から考えてどうすれば読んでもらえるか・伝わりやすくなるかを具体的に解説した本。正直、仕事にかなり役立ちました。この本から僕が得た教訓は「すべての考えは図式化できる、できないものはまだ自分の中でも考えがまとまってないから、他人にも伝わらない」というもの。もちろん、哲学などその思考過程が大事なものはこれには当てはまりませんが、たとえ哲学でもどうすれば伝わりやすいかってのは考えるべきだと思う。この本に書いてあるわけじゃないけど、内容を応用してみると映像を扱う仕事において絵コンテが重要であることも非常に納得がいく。
「ビギナーからプロまでのコンテ主義」と副題があるように、映像演出における絵コンテの重要性を説いた本。正直、作家としての富野由悠季氏ってどうかと思うことが多いんですが、映像技術者としてはベテランなわけですし、話に説得力があります。
結局のところ、映像における絵コンテってのは「設計書」「企画書」にあたるわけで、自分が考えていることを出来る限り書き出して、それが演出的に・技術的に・コスト的に正しいものなのかどうかをチェックすることが重要である、という主張で、全くもってそれは正しいと思った。ので、仕事でもちゃんと絵コンテを書くようになったんだけど、他人に自分のイメージを伝えること、または自分が他人のイメージをくみ取るのは本当に難しいことなんだと思う。
こちらは「ナビゲーション」に的を絞って書かれた本。人はなぜ迷うのか、どうしたら迷わないようになるのか、そして人が迷わないように的確に情報を伝えるにはどうしたらいいのか、といったことが一つ一つ納得がいくように説明される。後半にはWEBデザインに関しても書かれていて、タイトルから想像する「方向オンチをなおすには」ってなテーマよりもずっと深いところを考察する。
ぶらりと立ち寄った書店でこの本を買ったんだけど、まさに「この店こそこれを読め!」って感じでした(笑)。
「「分かりやすい表現」の技術」「方向オンチの科学」の内容を、ビジネス的に実践しているチームの実録というか報告書で、使いやすい・買いやすい→入りたくなる店作りはどうしたら出来るのかについて書かれている。例えばレストランの雰囲気によって話しやすかったりにくかったりする。それは隣のテーブルが見えないぐらいの照明だったり・他のテーブルの話が聞こえないぐらいの音量でBGMが流してあったりといったファクターに左右されたりする。僕らは物理的にもこういった環境の影響を半ば意識的に・半ば無意識的に受けている。Affordance(アフォーダンス)という学問とも関係するかも知れないけど、こういうことを考えて環境を作れば、そこの雰囲気をある程度コントロールできるんじゃないかというのがこの本の基本思想。どうやったらうまく店で人の流れを作り出すことが出来るか。それは店だけでなく、いろんな表現にあてはまることだと思う。
ちなみにこの本はかなり売れたらしい。
(2002/08/17)





