- Ghostbusters(Ray Parker Jr.)
- Cleanin' up the Town(The Bus Boys)
- Savin' the Day(Alessi)
- In the Name of Love(Thompson Twins)
- I Can Wait Forever(Air Supply)
- Hot Night(Laura Branigan)
- Magic(Mick Smiley)
- Main Title Theme from "Ghostbusters"(Elmer Bernstein)
- Dana's Theme
- Ghostbusters [Instrumental Version](Ray Parker Jr.)
……というのもこのサウンドトラック、特に何てことない内容だからだ。もちろん大ヒット曲である「レイ・パーカーJr./ゴーストバスターズ」が収録されてはいるけど、今さらこの曲を聴きたいとは思わないだろうし、他の収録曲も平凡なポップミュージックでしかない。
でもこのアルバムは僕にとってとても思い入れのある一枚なのである。
なぜなら、これが洋楽に触れた最初のアルバムだったからだ。今風にいえば、洋楽の「ハジレコ」ってやつだ。当時聴いていた音楽はアニメの主題歌とかアイドルのヒット曲ばかりだったんだけど、なぜかうちの親父が出張のおみやげにこのアルバムのテープを買ってきた。しかも輸入物らしくて、解説なんかも一切なし。それでも珍しさもあって繰り返し繰り返し聴いた。
ちょっと話は音楽から離れるけど、当時、つまり僕が小学生だった頃、冬休みになると一本だけ映画に連れて行ってもらえた。休みに入る前から双子の弟とどの映画にしようか相談して、ワクワクして劇場に行ったものだ。あの独特なワクワク感って、今のように軽い気持ちで映画館に行くような大人になってからは感じてなかったけど、その気持ちを久しぶりに思い出させてくれたのが映画「ハリー・ポッターと賢者の石」だった。誰もいない冬休みの寮で親友とクリスマスプレゼントを開くあたりのシーンは、泣きそうにさえなった。とにかくそれだけ「正当派の子供向け冬休み洋画」だった、ってことだ。
僕が子供の頃はSFX映画が大はやりで、そういった「お祭り感」の強い映画が選ばれる傾向があった。僕個人としては、カッチョいいメカニックが出てくることも重要ではあった。
また、僕の家では1982年日本公開の「E.T.」以来、“スピルバーグ”が超ブランドネームで、彼がプロデュースするもの(というか、監督作品とプロデュース作品の違いがよく分かってなかったといえる)ならとりあえずOKだろう、という雰囲気ではあった。
そういう流れで1985年の冬休みには「グレムリン」が選ばれたんだけど、さすがのスピルバーグもジョー・ダンテの毒をおさえきれなかったのか、観賞後は家族みんなが「うーん……」と渋面だった(ちなみに脚本は「ハリー・ポッター」シリーズの監督、クリス・コロンバスだったんだけど)。その口直しの意味もこめて、「冬休みに一本」ルールが特別に破られ、この「ゴーストバスターズ」を見られることになったんだと思う。
映画の内容に触れるのは今回の主旨と違うので深入りしないけど、当時12歳の自分にとっては十分に面白い映画だった(あとで見直したらかなりしょうもなかったけど)。
でもやっぱり僕にとって「ゴーストバスターズ」といえばこのサウンドトラックなのだ。サントラは映画の先に聴いたのか後だったのか今となっては記憶が曖昧だけど、「サウンドトラック」という言葉を初めて知ったのもこのアルバムだったし、とにかくなんかこれを聴くと少しだけ、ほんとに少しだけだけど、大人になった気分がした。
そもそも僕はこの頃音楽にあまり関心がなくて、双子の弟がチェッカーズやら吉川晃司やらを聴いてたのを横でふーんと思ってたんだけど、映画の音楽だけは好きだった。なぜか「マジメに聴くべき音楽=歌が入ってないもの」という思い込みもあって親父のエアチェックコレクションから映画音楽特集のテープを引っぱりだして聴いたりしていた。映像の一部として聴いてたのかもしれない。
とはいっても、このサントラは今聴くとポップミュ−ジックのよせ集め的なものだし、劇中でもどこで使われているのか分からない曲がほとんどだ。エルマー・バーンスタインによるスコアは申し訳程度に2曲ばかり収録されているだけだし。もっとも当時のサントラってこんな構成のものが多かったようだけど。
しかし、その寄せ集め具合も相当メチャクチャで、元々AOR畑のセンスのいいギタリストであった「レイ・パーカーJr.」が、ギターを脇においてヒューイ・ルイスをパクったファンキー・ポップを展開すれば、次に来るのは「バスボーイズ」なる無名グループによるブギウギナンバー。で、「アレッシー」、「エア・サプライ」という今の僕にとってはビッグネームなAOR組もあれば、「トンプソン・ツインズ」なんてエレポップグループも参加。「ローラ・ブラニガン」は今調べて初めて知ったけど、最近では竹内まりやのカバー作品にも参加している実力派女性シンガー。初めて「インストゥルメンタル・ヴァージョン」というものがあることを知ったのもこのアルバムだし、そこに劇伴まで加えてあるんだから、本当にプロデューサー不在の、まるでレコード会社のサンプラー的作品だ。
でも、それがよかったんだと思う。様々な種類の「洋楽」が収録されていたからこそ、たとえばいきなりハードロックとかヒップホップとか偏ったジャンルの作品から入るよりも、「洋楽」ってものに対する先入観がずいぶん和らいだのかもしれない。
あなたがもしこの文章を読んで、自分にとっての「初めての洋楽」を思い出したら、それをぜひ聴き直してみてほしい。ジャンルもプロフィールも気にせず、ただただその音楽に接していた頃の初々しい気持ちを思い出したりしたら、このコラムの目的は達成されたことになる。
P.S.
余談だけど、同映画の続編「2」ではランDMCがゴーストバスターズのテーマをヒップホップカバーしている。けっこう面白いので、興味がある方はチェックをお薦めする。
また、今回映画の日本公開年をキネマ旬報 全映画作品データベースにて調べたけど、これがかなり面白かった。
(2004/01/25)
