VERY DISCO
「DAFT PUNK/DISCOVERY」



  1. ONE MORE TIME
  2. AERODYNAMIC
  3. DIGITAL LOVE
  4. HARDER, BETTER, FASTER, STRONGER
  5. CRESCENDOLLS
  6. NIGHTVISION
  7. SUPERHEROES

  1. HIGH LIFE
  2. SOMETHING ABOUT US
  3. VOYAGER
  4. VERIDIS QUO
  5. SHORT CIRCUIT
  6. FACE TO FACE
  7. TOO LONG
 
このアルバムはたぶん洋楽のダンスミュージックというカテゴリの中ではかなり売れた方だと思うんだけど、僕は発売してから2年以上も経ってから購入した。正直、レジに出すときちょっと恥ずかしくて、同時に定価で買うのが悔しかった覚えがある。

発売当時、友達が貸してくれて聴いてはいたんだけど、その時は僕の中では「DAFT PUNK = テクノ」という認識があったので、テクノとして聴くとあんまり面白くないなーという印象だった。「1.ONE MORE TIME」は好きだったけど、たまにある洋楽ヒットの一曲に過ぎないと思っていた。
もちろん、あの松本零士キャラのアニメーションクリップはインパクトがあったし、まさか続きがあるとは思わなかったので、「2.AERODYNAMIC」「3.DIGITAL LOVE」のクリップを見たときは正直に「やられた!」と思った。
でもそれまでだった。

それから2年ほどして。
なんとあのビデオクリップはさらに続きがあってアルバムをまるごとアニメーションにしてある、というではないか!アルバム一枚が一本の映画になったことなんてかつてあっただろうか?しかもサントラとして使われるのではなく、アルバムが丸ごと映像になるのだ。その事実を聞いたときはびっくりと言うよりも呆れる、という感じだったけど、よくもそんなお金があったなぁと思ったも正直な感想だった。
作品名は「インターステラ5555」。最近の松本零士仕事にはだまされっぱなしだったので警戒しつつも、これは見ておかねばと思い、劇場に足を運んだのだった(映画の日で1000円だったけど)

映画自体はシナリオ含め特筆すべきところはないけど、あの有名な「1.ONE MORE TIME」のクリップからまさかこんな展開になるとは、という感じではあった。またプロモーションビデオという特性上セリフやSEが一切使えず、絵と音楽だけでストーリーを語らねばならないんだけど、ちゃんとキャラクターの性格まで見ている側に伝わったのは、典型的松本零士キャラクターという記号性の強さを抜きにしても素直に評価したい。チケット代金分は十分楽しませてもらった。

しかし、それ以上に映像付きで聴いたことでこのアルバムのドラマチックな構成が浮き彫りとなって僕の中に残り、映画を見た帰り道にレコード屋でこのCDを購入したのだった。
そう、あとでつけたとは思えないぐらいにストーリーと音楽が合っていたのだ。逆に言うとこのアルバムは映画的な構成を持っていたとも言える。
僕は音楽を映像的に聴くクセがあって、たとえば「YMO/ライディーン」に感銘を受けたのも細野晴臣へのインタビュアーの言葉を借りれば「絵コンテみたいな発想で音楽をデザイン」していたからなんだと思う。もちろんそれはアレンジ的な話なので曲構成の話とは違うんだけど、このアルバムを聴くたびに自分と同じ映像世代の人間が作った音楽だなぁと感じる。とても自然に自分の中に入ってくるのだ。

サウンドの話をすると、さきほども書いたようにこのアルバムはテクノ的な解釈で聴くよりもディスコものを聴く感じで楽しんだ方がその魅力が伝わることに気づく。ボコーダーもテクノのそれではなく、EW&Fのそれ。もしかしてタイトルの「DISCOVERY」ってのも「DISCO」とかけてるのか?
そう考えると彼らが松本零士をビジュアルに選んだのは、70年代ディスコもののジャケを長岡秀星が手がけたことと相似形をなす。ディスコミュージックが持つ誇大妄想的な、いうなれば「ギャラクシー」なニュアンスが、あのクリップからは確かにうまく出ていたと思う。
とはいえ僕が買ったCDは発売1年後に出た限定紙ジャケバージョンで、デザインはオリジナルのものだ。横に日本独自の松本零士イラストジャケがあったけど(しかも2バージョン目)さすがにそれは買う気がしなかった。
ホントに長岡秀星を引っ張り出して来てくれたら、もっと内容にふさわしいジャケットになったのでは、と思う。

(2004/6/27)