- Don't Stop 'Til You Get Enough
- Rock With You
- Working Day And Night
- Get On The Floor
- Off The Wall
- Girlfriend
- She's Out Of My Life
- I Can't Help It
- It's The Falling In Love
- Burn This Disco Out
音楽に興味を持った頃にはちょうど「BAD」がリリースされていて、それをよく聴いていた。もっとも、好きだったかと問われるとそれほどでもなかったけど、「時代のBGM」みたいな存在だったんだろう。
その後さかのぼって「スリラー」を聴き、アルバムとしてのまとまりはこっちの方がよく感じてこちらをメインに聴いていたと思う。
そんな時「DANGEROUS」がリアルタイムでリリース。ちょうどMTVが視聴できるようになって「REMEMBER THE TIME」をはじめとする懲りまくったPVを目にし、聞き疲れするアルバムであったこともあって、自分の中にマイケルはアルバムを鑑賞するよりも映像を楽しむべきミュージシャン、という意識も生まれてしまっていた。つまり「ミュージシャン」というより「スーパースター」。キング・オブ・芸能。
ゆえにビデオクリップ集のLDを購入したんだけど、その中で映像的には全く見所のない「Rock With You」が曲として非常にタイプであることに気づいた。
そして1枚目がベスト、2枚目がオリジナルアルバムというよく分からない構成だった「HISTORY」で彼の代表曲を改めて聴きなおして、これは「OFF THE WALL」を聴いてみないといかんな、と強く思った。
この頃はもう耳がAOR好きしてたので「スリラー」以前の音がとてもしっくりくるようになっていたのだと思う。
そう、「OFF THE WALL」にはあって「BAD」以降に皆無といっていい要素は、このAOR的趣味なのだ。その後のギミック満載で歌い方も自分自身のモノマネをし続けて、気づけばとんでもない所に行ってしまった、という感じは全くなく、一人の魅力溢れる黒人青年シンガーの姿が、ここでは見られる。
おそらくこの後MJがスーパースターにならずそのままフェードアウトしてしまっていたなら、この「OFF THE WALL」はAORの世界で「名盤」扱いになってたのではないかと思う。
デビッド・フォスター、TOTO一味、ラリー・カールトン、パティ・オースティンが参加していて、ジェリー・ヘイのシーウィンドホーンズが全面でホーンアレンジをしている、……なんてこれがAORじゃなくて何なんだ、という感じ。キャロル・ベイヤーセイガーの曲もカバーしているし、スティーヴィー・ワンダーやポール・マッカートニーに曲を書かせたりもしている。「7.She's Out Of My Life」から「9.It's The Falling In Love」のメロウネスはどうだ。ホントに趣味がいい。その後のMJの「趣味の悪さ」からは想像もつかない。
このアルバムは彼が機械化人になる前の、赤い血が流れていた頃の傑作なのだ。その後の作品を否定するつもりはないけど、やはり別物だと思う。いわば「トレーダー分岐点」以前(また松本零士ネタかよ)。体に油が流れる、歳を取らない機械化人の哀しみなどまだ知るよしもない若者が、その青春を謳歌する姿がパッケージングされてるといえよう(って、MJは虐待とか受けてけっこうそれどころじゃなかったという話も聞くけど、あくまでイメージということで)。
ところでこのアルバムにはリマスター盤があるんだけど、ボーナストラックとしてインタビューやらデモトラックやらが収録されていて、逆に買う気がしなかった。やはりこのアルバムは「10. Burn This Disco Out」でピシャリと終わってほしい。
(2004/07/28)
