- Introduction CHICKEN featuring Breakestra
- By the Way
- Tokyo Classic
- 楽園ベイベー (Album version)
- Case 1 STAND PLAY
- Case 2 MANNISH BOY
- FUNKASTIC
- 奇跡の森 featuring Hirotaka Mori
- Case 3 スーマンシップDEモッコリ
- Case 4 Bring your style (夜の森)
- One
- バンザイ
- 花火
- -Bonus track- FUNKASTIC (Breakestra Version)
よく考えるとこういった曲は、僕が小学校5,6年生の夏にヒットした曲なんだと思う。
そして、この小学校5,6年生以来、「夏」を完全に満喫した記憶は僕にはない。
そもそも色白と驚かれるぐらい日焼けしにくい肌に加えてド近眼ときているため、海やプール、温泉は何も見えなくて敬遠しがち。特に海は体がベタベタして苦手だ。
もちろん夏=海ではないから、他にも山だとか楽しみはあるんだろうけど、それでもやっぱり自分にとっては「海水浴」が一番夏を感じさせてくれるイベントなんだと思う。
そんな「幻の海水浴」気分をピタリと歌い当ててくれたのが、このアルバムにも収録された大ヒットシングル「楽園ベイベー」だ。「楽園」というベタなフレーズに「ベイベー」というわざとハズした単語をくっつけるセンスが、刹那的な夏に憧れつつもそれに対して無意識には没入できない独特な立ち位置を思わせる。そしてその立ち位置こそ僕が共感した部分なのだ。
この曲を聴いて一番思い出すのは、ヒットしていた当時遊びに行った夏の京都で、たとえば僕はクーラーのきいたレコード屋で一所懸命CDを探したりしていた(笑)。そんな時店内の有線?でこの曲がかかって、ふとレコード棚から顔を上げ、「あ、夏」と思ったのをよく覚えている。
ただ、ああいったノリのよさだけじゃなくて、ややおセンチなところも持ちあわせているのが彼らだ。このアルバムでいうと「13.花火」なんかがそうだけど、この後に出たシングル「BLUE BE-BOP」が、夏の「楽園ベイベー」に対する秋のアンサーソング、という感じがして焚き火のジャケとともに印象的だった。
RIP SLYMEを初めて聴いたのはメジャーデビュー曲の「ステッパーズ・ディライト」で、のちにグルーヴィジョンズが手がけたことを知る赤塚風キャラのジャケと軽快なバックトラックで、当時のマッチョ系全盛のジャパニーズヒップホップの中ではかなり気になる存在だった。ラップこそそんなにうまいとは思わなかったけど、4人のラッパーがそれぞれのキャラクターを持っていて、しかも仲良さそうにみえる感じはいいなと思った。
ラッパーの中では、なぜか「スネ夫」を思わせる非常に特徴的なPESが、好き嫌いでいうとあまりタイプではないんだけど、うまいと思う。歌ってないのにリズムとメロディを感じるというか。
声でいうと鼻にかかった感じのILMARIがいい。ソロではややつらいけどSUの低い声もいいアクセントになっている。残るリーダーのRYO-Zの声は今ひとつどれか分からない(笑)。消去法でいくと「あ、この声か」と思うんだけど、風貌と一致しないのだ。
また、彼らがいわゆる「ヒップホップ」的なラップのスタイルにこだわってないのもいいのかもしれない。ロックの人(今だと顕著なのは「ビジュアル系」のボーカル)が巻き舌で歌うような様式的な部分、そんなところが少ないように感じる。
でもなんといってもRIP SLYMEの魅力はDJ FUMIYAの作るトラックだと思う。
ヒップホップにこだわらず、ボサノバ・ファンク・フォーキー・ジャズなどなどまさに「おいちいとこ全部かっさらって」(from「FUNKASTIC」)作られたかのようなトラックは、彼が今後一体どんな活動をしていくのか「お気に入り」登録せざるをえない。
(2004/9/16)
