- The May 4th Movement Starring Doodlebug
- Black Ego
- Dog It
- Jettin'
- Borough Check
- Highing Fly
- Agent 7 Creamy Spy Theme: Dial 7 (Axioms Of Creamy Spies)
- The Art Of Easing
- K.B.'s Alley (Mood Dudes Groove)
- Graffiti
- Blowing Down
- 9th Wonder (Blackitolism)
- For Corners
根本にあるマチョイズムはもちろん、ファッション、ジャケットのセンスなどことごとく自分の興味の範囲外だ。
でも、中には前に取り上げたDE LA SOULのような例もあるし、ああいった編集美を持つ音楽ジャンルとしてみると、決して無視できない。
今回取り上げる「Digable Planets」はおそらくHIP HOPの本流からは外れたユニットだと思う。男2人・女1人というコジャレ編成からも分かるように、その音はオシャレといっていい。
そもそも僕が彼らを知ったのは「渋谷系元ネタディスクガイド」(太田出版,1996年刊)なるかなり恥ずかしい本なんだけど、僕はこの本が指摘する元ネタがあたっていようといまいとレコードガイドとしてはけっこうありがたい本だった。単純にあなたがこんなミュージシャン(具体的にはコーネリアス、ピチカート・ファイヴ、スチャダラパー、かせきさいだぁ、スパイラル・ライフ。今見ると後者2組には首を傾げてしまうけど、そこからリンクされてるものはけっこう面白いからまぁいいや)が好きだったら、こんなのも聞いてみなよ、っていう内容。
Digable Planetsはこの本の中で、「ピチカート・マニアのためのおすすめの10枚」でファーサイドとともに取り上げられており、いわく
“International(注・Intercommuunalの間違い) Sound Service”なんてコピーもかなりピチカートっぽいけれど、内容的にもヒップホップの枠を一歩も二歩も踏み出した意欲作。生楽器を多く使ったサウンド・プロダクションが特徴だが、とりわけ“ブラック・エゴ”“フォー・コーナーズ”の2曲は“アンビエント・ヒップホップ”とでもいうべき、まろやかな音色が最高に心地よい傑作。いいタイミングで絡んで来る女性メンバーの声もキュートで、例えば“アイスクリーム・メルティン・メロウ”のまりんミックスが好きな人なんかには気に入っていただけること間違いなし。とのことで、それって僕のことじゃん!と中古屋で買ってみたら、確かに気に入っていただけました。
確かに生楽器を多用してるようだけど、ジャジーかというとそうでもない。全編を通してクールな感じを受ける。リズムはあくまでヒップホップのそれなんだけど、隠し味でビブラフォンなんかがフィーチャーされているせいか、熱さがない。全体的に展開も平板というか、それぞれの曲の匿名性が高い。その辺は逆にこのアルバムを通しで聴かせやすくしているんだけど。
先に引用した文章でも指摘されているけど、女性ラッパーがいるのもいい。メンバー構成からローリン・ヒルがいたFugeesを思い出すけど、聴き比べて明らかに違うのがFugeesはバックトラックにラップがのっている、という印象があるのに対して、Digable Planetsはラップがいわばサンプリングボイスみたいにテクスチャになっているところ。バックトラックに溶け込んでいるというか、そこがとても気持ちがいい。
だから狙ったのかどうか分からないけど、かなりラウンジーな印象を受ける。それがHIP HOPにアグレッシヴなものを求める人にとっては物足りなく感じるんだろうけど、ボーカルは没個性な方がいい、というような耳を持つならお薦めの一枚。
ちなみにこれ以後アルバムは出しておらず自然消滅したらしいんだけど、再結成の噂もあり。
(2005/1/23)
