編集者の音楽
「自分のフェーダーを“0”にもっていく、プロデューサー的視線」(byフクダノリオ←誰かよく知らないです)
編集者の音楽の本質はこの一言がすべて表していると思います。自分の演奏すら素材のひとつとして取捨選択していく全体を見渡す視点。
(1999/08/14)
harpers bizzare/the secret life of
バーバンクサウンド!ソフトロックの名盤。一枚を通してひとつのストーリーになっている構成美、多彩な編曲家を迎えたコンピレーション的な人選などなど元祖編集音楽。ピチカートもカヴァーした「ミー、ジャパニーズボーイ」、高野寛がカヴァーした「ドリフター」、キング・オブ・ルクセンブルクがカヴァーした「MAD」などなどポップス界の裏街道にじわじわ影響を与えている。
STEERY DAN/aja
米国西海岸音楽の結晶体。あまりの完璧主義ぶりが、このアルバムをAORミュージシャンの好サンプラーにする結果に。特にリトナー、カールトンらバカテクギタリスト6名のテイクを没にして新鋭ジェイ・グレイドン
(この仕事で一躍有名に)のテイクにようやくオーケーを出したという「PEG」のギターソロにまつわるエピソードなどに至っては「っていうか、その前にメンバーにギタリストおるやろ!」というツッコミのスキすら与えない完璧ぶり。しかし、そこから生まれたサウンドはメロウでファンキーでジャジーでポップ。必聴中の必聴。
de la soul/3 feet high and rising
お父さんのレコード棚にあった「aja」を聴き、「いいよね〜、コレ」というノリで「PEG」をサンプリングした
(あくまで想像ですが)デ・ラ・ソウル。初めて聴いたときはそのサンプリングセンスに衝撃を受けました。ヒップホップの名盤。プロデューサーのプリンス・ポールの編集センスなんでしょうが、ジャケ同様、次々と話題が変わる無駄話のようにカラフルな感覚はある意味、お茶の間サイケデリック
(notサイケ)。
ピチカート・ファイヴ/月面軟着陸
上のアルバムにショックを受けた小西氏が作成した、自らを素材と割り切り料理したムック感覚のアルバム。曲目だけ見るとベスト盤のようだけども、まるでこのアルバムのために作られたかのように違和感無くつなげられている。伊集加代子からダブマスターXまで多彩なゲストも楽しい。ゲストの多さも編集音楽の必須条件かも。
細野晴臣 with FRIEND OF EARTH/S-F-X
その小西氏の父親的位置にいる、日本の編集音楽の草分け的存在のハリー氏。バカウマベーシストでありながら打ち込みのリズムを追求してしまったり、ゲストミュージシャンとリズムボックスを同列に表記するあたり、深い業を感じる。タイトル、ジャケなどコンセプトをうち立てるのが好きなところも編集者ならでは。最近はまた作家に戻りつつあるような感じがしますが……。
SWEET ROBOTS AGAINST THE MACHINE
小西氏が細野氏の子供とすれば、テイ氏が甥ぐらいにあたるんだろうか?“ぼくの伯父さん”にあこがれをいだきつつ、わが道を行く。
(個人的には)テイ氏のいい部分が詰まっているアルバムだと思う。ジャケ、ロゴ、タイトル、トータルタイム、選曲、曲順などなど90年代の編集音楽の最高峰。4曲目には砂原氏がゲストで参加していて、いいアクセントになっている。