80年代ソニー系

プレバンドブームとも言うべき、80年代中期〜後期に邦楽界で全盛をほこったSONYグループのアーティストの特集。
僕が小学校高学年〜中学校ぐらいの時期ですね。ちょうど音楽に興味を持ち始めた頃。雰囲気としてのロックが非常に重要で、例えばいわゆる自作自演の「シンガーソングライター」「バンド」がよしとされ、純粋な「シンガー」は軽視される傾向がありました。80年代初期のアイドル濫造の反動なんだろうけど、これを考えると時代が変わったと言えます。この辺の雰囲気をうまくつかんでいるのがコミック「トーイ」。そういえばSONYアーティストによるプロモビデオやコンピも出ましたね。
現在はSONY系のアーティストってあんまりパッとしません。80年代には無名だった「トイズファクトリー」や「AVEX」(っていうかこの頃はなかったか)がここまでになると当時誰が予想したか……。

(2000/06/05)

TM NETWORK

「Gift For Fanks」
「Gift For Fanks」
まず、最初は言わずと知れた小室哲哉率いるTMネットワーク(のちTMN)。先頃復活しましたがあれぐらい望まれなかった復活も珍しい(笑)。ちなみに「FANKS」っていうのはFUNK・PUNK・FANSをくっつけた彼らの造語で(そこ、笑わないように!)後述の聖飢魔IIにおける「信者」ぐらいの意です。
テレビアニメ「CITY HUNTER」の主題歌「Get Wild」でヒットを飛ばしますが、このグループはなぜかアニメと縁があって、思い出すだけでも「吸血鬼ハンターD」の「YOUR SONG」、「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」の「BEYOUND THE TIME」。アルバム「CAROL」はファンタジックなストーリーをモチーフにしたコンセプトアルバムで(ジャケ必見;笑)後アニメ化もされました。そういう意味では「ALFEE」と似ている(ファンの独特の雰囲気も)
とはいえ80年代後半のJ-POPシーンにおいて、いわゆる「エレポップ」をメジャーに展開できたのはこのグループぐらいだったというのも事実。大げさなセット・思わせぶりな歌詞・当時としては凝ったクリップ(そういや最初はライブをやらないコンセプトだった)、エレポップの魅力満載。
どこかで書いたけどまだ音楽に興味を持ちたての中学生の頃、友人に「BOφWY」と「TMネットワーク」をカセットテープにカップリングでダビングしてもらったんですがどっちがどっちだか分かりませんでした。今考えると「何で?」というエピソードなんですが、両者とも当時流行していた歌唱法だったのかもしれません。あと、髪型も(笑)。ロングバージョンを「〜ミックス」とよんで12inchを出したりしてたのも時代(なにせシブがき隊もこういうことやってましたからね、あと吉川晃司とかも)
小室哲哉はこの頃、ミポリンはじめ歌謡界でもいい仕事を残しており、のちにつながる伏線をおいています。

渡辺美里

「ribbon」
「ribbon」
その小室哲哉の出世作「マイレボリューション」を大ヒットさせた渡辺美里。大江千里なんかとも交流が深かった。歌は確かにうまい。しかし、当時の中高生が共感した(と思われる・僕は嫌いだった)詞は、佐野元春直系の独りよがりが目立つ。これが90年代に息が続かなかった理由だと思うが。
良くも悪くも80年代後半の「青春派歌手」(←一応「清純派」とかけてる)代表、と言えるでしょう。
このアルバムは「マイレボリューション」ヒット後のアルバムで、タイトルはおそらく「reborn」(再生)から来ているのではないでしょうか。ヒット曲「恋したっていいじゃない」「Believe」「悲しいね」収録の彼女の代表作。ここから箱入りの特殊ジャケ仕様がずっと続く。

小比類巻かほる

「I'm Here」
「I'm Here」
同じくテレビアニメ「CITY HUNTER」の主題歌を歌っていた小比類巻かほる。名前が変わってる。当時はポスト渡辺美里的な位置を占めてもいました(いや、単に歌が上手かったからなんだけど)
当時、珍しく「ソウル」を標榜していた彼女。このアルバムには鈴木雅之が参加してたり、のちにはプリンスからの曲提供なんかもありました。
しかし、その声量はイマイチソウルフルではなかった。そこが彼女の不幸で、どちらかというとバラードよりも勢いのある曲の方が映えると思います。この辺りは90年代における安室奈美恵と「J-ディーバ」の関係に似てます。明らかに声が細いからなぁ、安室。僕は小比類巻と同じ系譜だと思っています。
このアルバムは大ヒット曲「Hold On Me」(ドラマ「結婚物語」主題歌)収録。プロデュースはなぜか土屋昌巳(ex.一風堂)
一時期吉川晃司と噂があった彼女。最近は地味にやっているようです。そういえばドラマ「ポニーテールは振り向かない」にも出演してましたね。

岡村靖幸

「DATE」
「DATE」
いまだに「和製プリンス」と呼ばれる岡村ちゃん。もう一つ必ず「太った」と言われる……(泣)。しばらく沈黙していましたが、最近また活動を再開させているようです。ただ、内容はあまり変化がないようで……。
このアルバムはアニメ「CITY HUNTER」エンディング「Super Girl」、渡辺美里に提供した「19才の秘かな欲望」のセルフカバーを収録。
サウンドはまんまプリンス(次作アルバム「靖幸」が一番スゴイ)なんですが、“学園”を舞台にした独特の詩の世界・キャラクタ・唱法はやはり評価すべき。
ちなみに中古ではあまり出回っておらず、あってもある程度値が張ります。

PSY・S

「NON-FINCTION」
「NON-FINCTION」
アニメ「CITY HUNTER」主題歌「ANGEL NIGHT」を収録したアルバム。
現在、「パラッパラッパー」など音楽エンタティンメントの分野でヒットメイカーの松浦雅也とチャカ(チャカ・カーンから取ったのか?)安則まみのユニット。
ちょいスノビッシュな雰囲気がうちのような進学校の連中には受けが良かったのでしょうか。ヲタク受けするとも言えますが。ユニット名(バンドじゃないところもポイント)・フェアライトを駆使したサウンド・松尾由起夫(←誰?)・サエキけんぞうらによる歌詞にどこかしらそっちの匂いがします。
当時はTMと同じエレポップの範疇に捉えられていました。確かにそうなんですが、いわゆるエレポップともいえない独特な雰囲気は80年代ニューウェーブを引きずっていたからなんでしょうか?

遊佐未森

「Harmoniodeon」
「Harmoniodeon」
PSY・Sと同じように、今だに秋葉原での売れ行きが良さそうな遊佐未森。意外に歳食ってて驚いた記憶があります。ナチュラルおっとりプッツン系(って何だそれ)な雰囲気は90年代の声優ブームにも通じるような。
牧歌的な独特な雰囲気の歌詞の世界は、意外や意外本人が書いているわけではなくて、元フィルムスの外間隆史のディレクションによるもの。今も彼が関わっているのでしょうか?彼の手による小説もついていて、何だかんだ言って当時結構好きだったりした(笑)
太田裕美が曲提供してるあたりも重要なファクター。

米米クラブ

「KOMEGUNY」
「KOMEGUNY」
記録的セールスを上げた「君がいるだけで」が有名ですが、古くからのファンにとってはこのアルバムに収録されている「浪漫飛行」(のちにシングルカットされてヒット)、「sure dance」や「I・CAN・BE」が代表曲でしょう。スカファンク「KOME KOME WAR」もヒットしたっけ。
これはまだファンクに系統する前(それ以後コテコテ大人路線に走るんだけど)の、耳なじみのいい曲が並ぶアルバム。早くから山本リンダ(の曲)をフィーチャーしたりと「歌謡曲」に対するこだわりはなかなかのもの。今でいう「スカパラ」的なクラブ(おネェちゃんが出てくる方ね)の雰囲気を持っていた、といえば何となく分かってもらえるでしょうか。
のち脱退したオカマのギタリスト、博多めぐみは「バビロン大王」なるバンドを結成。現在、坂本琢司としてクラウンレコードでHAKUEI(PENICILLIN)のソロの担当ディレ クターだそうな。
ちなみにレコファンでのBOXシングル(?)「聖米夜」の売れ残り具合は特筆すべきでしょう(笑)。だいたい¥500ぐらい。

バービーボーイズ

「blacklist」
「blacklist」
最近、ユニットでヒットを飛ばした杏子、俳優としても活躍したKONTA(古村比呂との「ふ・た・り・ぼ・っ・ち」)のツインボーカルが印象的な、ギタリストの「いまみちともたか」ことイマサ(今何やってるんだろう?)率いる「バービーボーイズ」。あの独特の水っぽい雰囲気とチャルメラのようなアルトサックスが嫌いでした、というか今でも苦手。

解散後、ベースのエンリケが布袋の妹がボーカルだったバンド「ガラパゴス」を組んでた(プロデュースだったかも)ような気もするが多分勘違い。エンリケは現在、浜崎あゆみのバックで演奏しているとか。
また、イマサはkei-tee(角川春樹の娘)をプロデュースしてましたが、自然消滅?いまみちともたか公式ページ

レベッカ

「POISON」
「POISON」
順番的には一番最初ぐらいに来るんでしょう、現「のっこ」がボーカルだった80年代を代表するバンド。最近リバイバルヒットした「フレンズ」が代表曲。
初期にはシャケ(ex.レッドウォリアーズ、元NOKKOの旦那)、古賀森男(ex.フェビアン)が在籍したりとメンバーチェンジが激しかったのですが、キーボ−ド土橋安騎夫がサウンドの要を握るようになって安定したようです。
なんといっても紅一点ボーカルのNOKKOのバンドでしょう(イニシアチブの問題ではなくて)。当時の大スター(今でもだけど)マドンナを意識したファッションと一度聞いたら忘れられない声質で大人気でした。

聖飢魔II

「the outer mission」
「the outer mission」
レベッカと同じレーベル「FITZBEAT」(後藤次利が作ったレーベルだとか。くわしくはこちらのデーモン木暮閣下率いる聖飢魔II。ギャグと紙一重のファン信仰をあおる設定作りと当時はまだ世間的に認知されていなかったヘビィメタルを取り入れたサウンド、そして何と言ってもKISSなメイクで熱狂的なファンを集めました。2000年(世紀末)に解散する、と宣言したはいいけどそこまで人気が持たずに吉本興業入り(テイトウワも吉本だけど)したりと苦労しましたが、最近ようやく成仏。アーメン。
このアルバムは先述のレベッカ土橋安騎夫が全面プロデュースしたアルバムで、この後の「白い奇蹟」で紅白出場も果たしました。ややオーバープロデュース気味のサウンドはヘビメタと呼ぶにはポップすぎるのだけど、そこがまた好きだった。途中4ビートになる「RATZBANE」、「不思議な第三惑星」では空耳な英語歌詞を意図的に作るというヘビメタをおちょくったセルフパロディを展開。当時は興奮したなぁ。
あ、あとジャケットワークが好きでした。

久保田利伸

「Baddest」
「Baddest」
アフロをかぶりたいけど、アフロがいまいちピタリと決まらないのが悩みの(ここレトリックね)トシ・クボタ。P-FUNKなアルバムを出したりと本格派を狙いますが、ヒットするのは開き直った歌謡路線の「LA・LA・LA・LOVESONG」という、歌謡曲の呪縛からなかなか抜け出せない彼。いまだに海外進出を諦めてないところに、その深い洋楽コンプレックスが見える。やはりポスト鈴木雅之的地位には納得できないのでしょうか。
これは初期のヒット曲満載のベストアルバムですが、アルバムでいうと「SUCH A FUNKY THANG!」が好きだった。このアルバムからの先行マキシシングルは中古の叩き売り市場でイヤというほど見ます。

大江千里

「未成年」
「未成年」
注意!:この文のみはEXPOP♀(奥様)が書いています。

「キッスの前にスウィートキッス、キッスの後にもスウィートキッス」という某お菓子会社のCMで千里くんを初めて見たときの衝撃は、今でも忘れることができません。あれはたぶん小学5年生の春。私にとって生まれて初めての一目惚れでした。
当時深夜の音楽番組でよく流れた「十人十色」のビデオクリップで、その人気は巷でも確実なモノとなりました。隣のお兄さん風な優しげで甘いマスク、CCBのリュウもかけていて当時人気のあった大きめの黒縁メガネ、女性の母性本能をくすぐる条件は全て整っていました。どちらかというと曲や詞よりも、ある種ビジュアルで女心を攻めていた感は否めません。
しかし、確固たるシンガーソングライターとしての実力はアルバムを出すごとに認められ、いきさつはよく知りませんが映画「恋する女たち」では主役斉藤由貴の死んだ恋人役として写真のみ顔を出し、島崎和歌子主演「スキ!」で本格的俳優デビューも果たしました。阪神大震災の時は学生時代世話になった土地だからと、ギター片手に神戸でボランティアをしていたことも当時話題になりました。
そんなマイペースで熱い千里くんも以前はいろいろと華やかな噂が絶えなかったものですが、最近ではそろそろ「くん」付けが似合わないオッサンになりつつあると思うと、涙が止まりません(NHK「トップランナー」でその姿が見れます)。二枚目のベストアルバム「Slappy Joe 2」のジャケを見た時のショックはいうまでもありません。あの日以来彼のことは忘れることにしました。
さようなら私の千里くん、さようなら初恋の人。(♀)

ちなみにデビュー時のプロデュースはYMOのサポートとしても有名なギタリスト大村憲二氏でした。昨年急逝、ご冥福を祈ります。(♂)

松岡英明

「Vision Of Boys」
「Vision Of Boys」
ファーストアルバム。この頃のSONY系にみられるポップかつタイトなジャケットワーク。
前半が布袋寅泰・後半がホッピー神山(ex.PINK)アレンジ&プロデュース。意外です。レコード会社も違うのにどういう人選だったんだろう?当時(中学生ぐらい)、BOφWYのギタリストが松岡のプロデュースしてたと知ってたらさぞかし驚いてただろうなぁ。
サウンドはTMっぽいエレポップで、オマケに声も似てるので一聴すると間違えそう。ただ、ホッピーサイドはPINKのメンツが演奏してるだけあってプログレッシブな部分もあり、意外に楽しめます。
大江千里が「隣のお兄さん」的雰囲気でせめていたのに対して、マツボー(というあだ名だったと思う)は「隣の弟君」という路線を狙っていた、というのがEXPOP♀の読みらしい。そうかも。昔の小室哲哉にも通ずる、「ボク、少年」的ショタ狙いな雰囲気はありましたね。ところが先程ちょっと触れたようにボーカルは男っぽくて、意外。
表題曲はJ−エレポップの名曲。

(2000/06/11追加)