コント入りCD

今回はお笑いのレコード。お笑い芸人が歌うレコード(ex.ビートたけし)ではなく、また、落語のレコードでもない。いわゆる「スネークマンショー」タイプの音楽とコントが交互に入ってるような作品の特集です。

コントって聴けば聴くほど飽きてくるものなので、一発もの・企画ものとしては面白いんですが、段々とトレイに乗せなくなっちゃったりします。例えば、ピチカート・ファイヴの「宇宙組曲」の冒頭に入ってるベシャリなんかは(コントじゃないんですが)とばしてしまいます。
この辺は、繰り返しの鑑賞に耐えなきゃいけない、というレコードをはじめとした「再生芸術」が持つ難しい部分だと思います。

ただ、レコードに「ナレーション」という特殊なジャンルが存在するように、しゃべりも音楽的だったりするんですよね。外国語のポエットリーディングを聴くような。言葉が「意味」「記号」である前に本質的に「音」である、ということを証明しています。
砂原良徳氏は「TUA」という作品で、企業のノベルティライクなナレーションものの傑作を作っています。このレコード、ナレーションにエフェクティブな処理をかけたりして相当かっこいいです。音楽も味付け的に入っているんですが。

コントとかお笑いっていうのは音楽的な才能が必要だ、というのはお笑い芸人なんかがよく言います。クレイジーキャッツ・ドリフターズがもともとミュージシャンだったことはよく例としてあげられます。
そういった「ギャグとリズム」のことも考えながら?見ていきたいと思います。

(2000/11/26)

YMO/増殖〜マルティプライズ


やはり最初はこれでしょう。YMO+スネークマンショー。
高校の頃に双子の弟が安売りレコード(この頃はCDが普及してレコードが今以上に叩き売られていた)の中から見つけて買ってきたアナログ盤で初めて聴きました。ギャグと音楽が交互に入っています。この手のレコードの先駆けなのでは?
ギャグ部分は相当笑いましたね。特に「林家万平」「ロック評論家」が爆笑。
ところで、のちにこれをCDで買いなおして、音楽部分をCD-Rで焼いてみましたが、聴くと明らかに曲の勢いが減ってるんですよ。このアルバムの曲はギャグとの相乗効果で疾走感が出ていたんだと改めて思いました。

YMO/SERVICE


再生以前のYMOのラストアルバム。「増殖」と同じような構成で、コント部分は三宅裕司率いる「S.E.T.(スーパーエキセントリックシアター)」が担当しています。スネークマンショーのような毒はなくて、舞台劇のようなシチュエーションコメディが主体です(当たり前なんだけど)。これを聴くと、スネークマンショーっていうのは最初からラジオ番組だったから音楽との親和性が高いのだな、と思います。このCDのコントも面白いんですが、ギャグと音楽が合わさった効果というのはあまりないと思います。
曲の方はYMOのメロウな部分が凝縮されていて、最近好きになりました。「Shadows On the Ground」「Perspective」が特にいい。

スネークマンショー/急いで口で吸え


スネークマンショーとしてのアルバム。2枚組で、1枚目は「増殖」のようなコントが多いのですが、2枚目は下ネタ満載です。
個人的にはYMOの未収録音源「磁性紀ー開け心ー」が目当てで、中古で安かったのでゲットしました。手に入れたのは結構最近ですね。その他にも曲はシーナ&ザ・ロケッツ、サンディー、クラウス・ノミ、MELON、ホルガー・シューカイなどなどかなりマニアックです。

ロケットマン/Flying Rocketman


明らかにスネークマンショーを意識して作られた、ふかわりょう&小西康陽のアルバム。最近、セカンドも出ました。そちらはふかわりょう&小西康陽とその周辺といったメンツらしいです(買ってません)
実は僕は、ふかわりょうのギャグが結構ツボに入るみたいで、こんな本も持ってます。
「休んだ日に席がえ?!」(扶桑社)
「休んだ日に席がえ?!」(扶桑社)
いやぁ、爆笑。とにかく読んで下さい。ちなみにこの本、合間にエッセイが入ってるんですが、妙に生真面目で対応に困ります(苦)
そういうわけで、このCDでもスネークマンショーのしつこさ(ドリフ的かも)を引き継いでいてかなり好きです。誘拐犯が電話をしてくる一連のシリーズとか爆笑。
音楽は相乗効果というよりは、ギャグの添え物的な役割ですね。ただ、「伊東に行くならハトヤ」をドラムンベースにした「交響曲4126番ハトヤ」は、アイディアをふかわ氏が出したということで、なかなかの出来。プレ「おはロック」な味わい。

そういや、3、4年前に渋谷のタワーレコードでCDを見ていたら、隣にふかわりょうがいました。そのコーナーがラウンジ系で「えっ、こんなの聴くの?別人?」と思ってましたが、何ヶ月後かにある雑誌でラウンジ系のCDをイチオシしてて「やっぱ本人だったのか」と思いました。
ロケットマンデラックス
ロケットマンデラックス
セカンドアルバムを聴いたので追加。いや、相変わらず爆笑でした。今回はコント少な目で一発ネタが多いんですが、この手のことをやらせるとふかわりょうはサイコーです。
音楽の方は小西康陽だけではなく、コモエスタ八重樫・福富幸宏・FPMなどが参加。ふかわりょうのユニットという色合いが濃くなっています。
疾走感あふれるジャケは内容と合ってて、いいのではないでしょうか。

(2000/12/09)

GEISHA GIRLS/THE GEISHA GIRLS SHOW〜炎のおっさんアワー〜


いまやお笑いをサブカル扱いしたときに、一番評価が高いであろう松本人志を擁するダウンタウン。彼らがgut時代の坂本龍一と組んで作成したアルバム。はっきり言ってダウンタウンは、こういうセンスに関してはイマイチだと思います。坂本龍一もユーモアが苦手な人なんだから、ちょっと痛い。友人の解釈では、このユーモア感覚の違いがサカモトとテイを分裂させたということですが、意外に当たってるのではないかと思います。

アルバム自体は、倉本某の変なフォークとかが入っていてバラエティに飛んでいるといえば聞こえがいいですが、とにかくまとまりに欠けます。音楽とコントの共演が生み出す独特のリズムはこのCDにはありません。
僕はダウンタウンというか松本氏って過大評価されているのでは、と思うのですが(そのギャグへの真摯な態度はすごいと思いますが、それがサブカル受けする反面、面白さを減らしているようにも思う)、これに収録されている「『あ』研究家」は、まだ大阪だけで活躍してた頃に正月番組で観て爆笑した記憶があります。ハマちゃんのツッコミはやはり重要なのでは?声とキャラが魅力的です。

……しかし、この後ハマちゃんが小室ファミリーに加わり大ヒットを飛ばすなんて伏線はこのCDにはありません(小室氏がちょこっと参加はしてますが)。ハマちゃんという素材の料理の仕方を分かっていた小室氏の方が、やはり歌謡曲フィールドというか芸能界のセンスにおいては優れていると言えるでしょう。

KOJI1200&KOJI12000

今田耕二のKOJI1200(0)名義のCD。ご存じの通り吉本所属DJテイ・トウワが全面プロデュース。今田耕二は完全に鯉on the まな板に徹していて、テイ氏がいじりまくってます。

テイ・トウワのジョークセンスって一種独特ですね。時々「……」と思うことがあるんですが。これらのCDはコント+音楽という形ではなく、バラエティ雑誌(ってなんだよ)みたいなテイストがあって、この辺はエディター・テイ氏の面目躍如といったところでしょうか。
KOJI1200/アメリカ大好き!
KOJI1200/アメリカ大好き!
ファースト。ニューロマな「NowRomantic」(ちょうどゲイシャガールズのちょい後ぐらいだったような)、「ワインレッドの心」のカヴァーも収録。
KOJI1200/アメリカ大リミックス
KOJI1200/アメリカ大リミックス
「アメリカ大好き!」のリミックス集。ギャグはないです。
KOJI12000/DISGUSTING
KOJI12000/DISGUSTING
テイ氏はフォーライフからEastWestへ移籍して、自らのレーベル「アカシックレコード」を設立しましたが、今田耕二も一緒に移ってますね(今気付いた)。ゆえに名義を変えなければならず、「0」を一つ足したんでしょうか(深読み)
このCDはとにかく矢沢永吉「時間よとまれ」をカシオペアに演奏させてカヴァーしているのが最高です。こういうジョークは分かりにくいと思うんですが、ツボに入るとニヤリとさせられます。
パソコン用のしょうもないミニゲームも収録。
タイトルは「ヨゴレ」って意味だそうな。

清水ミチコ/幸せの骨頂


ユーミン・矢野顕子・中島みゆきのモノマネをはじめとした彼女の達者な藝が楽しめるライブCD……、といいつつギャグの間の取り方などが古さを感じさせる〜。ジャケからもおわかりの通りに1987年作。ビックリハウス的な痛い空気も詰まってます。80年代のお笑いは不毛すぎたのか??

カリキュラマシーン・ミュージックファイル


おまけ。ギャグではないんですが、お子さま版「ゲバゲバ90分」だったらしいテレビ番組の音楽集。最近ビデオで出たのでレンタルで見ましたが、まぁ当時としては新しかったのだけは、分かりました。