ゴンチチ

僕はもともとサントラなどボーカルがない音楽から聴き始めたので、中学生〜高校生の頃に「じゃあ、僕もいっちょ音楽でも聴いてみるか」と思った時に、レンタル屋でなるべくインストのアルバムを探した。それがYMO〜坂本龍一、(T-)スクウェア、ゴンチチなどで、ゆえにゴンチチとは僕の音楽趣味でもかなり早い時期からのつきあいとなる。
彼らに関してはとてもよくできた公式ページがあるので、今回の特集では自分が聴いたアルバム順に紹介していきます。ちなみに画像が大きいものは所有しているCDです。だいたいどのアルバムを聴いてもそんなに出来・不出来はないと思うので、なにか興味をもったものがあったら、ぜひどうぞ。HMVのWEBのゴンチチはこちら。出来のいいファンサイト「GONTITI Square」もどうぞ。

「Body Of Gontiti」1989.5.21「Spirit Of Gontiti」1989.5.21
「Body Of Gontiti」1989.5.21「Spirit Of Gontiti」1989.5.21
これが出た頃僕は中学生で、ソニーの「GB」という雑誌を読んでいた。そこでちょっとだけこのアルバムが紹介されていてすごく気になり、高校に入ってレンタルしてテープに落とし、ヘビーローテーションとなった。
これまでのベスト盤だけど今聴いてもバランスがいいし、ジャケも素晴らしく、入門編としては最適だと思う。
これらのアルバムでしか聴けない曲は「森をぬけて」「On the Bumpy Road」「Bird and Cat」「Un-decorated Spring」。

ついでなので、ソニーがやたらと出しているベスト盤を先に紹介しちゃいましょう。

「VACANCE」1994.7.21
「VACANCE」1994.7.21
アルバム「Devonian Boys」から「ぼのぼのサウンドトラック」までの中期ベスト。これでしか聴けない曲は「Ducky Hip」「Waltz in Blue」。これらは特番で出来た曲じゃなかったか。

「Best Of Gontiti Works」2000.4.19
「Best Of Gontiti Works」2000.4.19
ソニーからポニーキャニオンに移籍するというので出したと思われる、「Gravity Loves Time」から「DUO」までのCM/TVの曲を中心に集めたベスト。「放課後の音楽室」はCMバージョンの新録、「チョコレート粉砕工場」はニューミックス。「Strings with」「Red Box」からの曲はありません。「世界悠々 父なる大河 ライン」からの「Song of Rhein」も収録。
これでしか聴けないのは「Platypus」「Lament」。

「Best」2002.8.21
「Best」2002.8.21
癒し系ブームの企画もの「image」シリーズにゴンチチの曲が使用されて、そういうファンに対する商品なのだろうか?ほとんど既発表曲で「Best Of Gontiti Works」が出た2年後にこういうアルバムを出す意義が分からない。
このアルバムでしか聴けない曲はなく、バージョン違いでは「風の国 2001MIX」「templo with Arto Lindsay」(「Red Box」収録曲にアート・リンゼイのボーカルをかぶせたもの?)のみ。リーダーアルバム未収録曲はニーノ・ロータのカバー集「ニーノ・ロータ1999」に収録されてた「ロミオとジュリエット」。
「image」寄りの企画だからか「Strings with」からの曲が多めです。

「LIVE」1996.7.1
「LIVE」1996.7.1
これは面白い!1995年12月28,29,30日のシアターコクーンでの演奏を録音した、今のところ唯一のライブアルバム。「NDD」の演奏が圧巻。デュシャンのようなジャケもかわいい。
彼らのようなアーティストは、こういうライブバージョンがクラブミュージシャンでいうところのリミックスにあたるわけで、シングルを出す時にでもカップリングにライブ音源をどしどし入れていくといいのでは?(もう入れてますか?)

「南国音楽 Resort Music Series」2001.7.4
「南国音楽 Resort Music Series」2001.7.4
これも存在意義はないCDなんですが、SACDでも出てるのがポイント。おそらく唯一ゴンチチをSACDでも聴けるのがこれなんでは。だからって僕はプレーヤーを持ってないので関係ないですが。

では、オリジナルアルバムを紹介しましょう。

「Devonian Boys」1990.4.21
「Devonian Boys」1990.4.21
独断で現在までのゴンチチの活動を前期・中期・後期に分けるとすると、このアルバムからが中期になるんじゃないかと思う。初のベスト盤をリリースし、それまでの活動を総括したゴンチチが新たな第一歩を踏み出したアルバム。といっても音自体はこれまでの延長線上にあって、決して気負ってるわけではない。
まず「デボン紀の少年」という意味のアルバム・タイトルが最高。曲名に「Devonian Parade」と「Silurian Girls」(「シルル紀の少女」の意味)というのがある。「Tiny Lips」「風の国」とその後彼らがよく演奏したり、ベスト収録率が高い名曲も収録。裏ジャケで二人が持つ赤いギターも印象的だった。
個人的にはリアルタイムで聴いた初めての作品で、幾度となく聴いていたので、特別に思い入れがある。その割にはCDを手に入れたはずいぶん後で、しかもレンタル落ち\500とかだった。ジャケ汚れてるし。アルバムに申し訳ない。
ちなみにこの頃のライナーにはちょっと小難しいようなテキストが載ってて、そこがEPIC SONYっぽい感じがする。

「フィンガリング・クリスマス」1990.12.01
「フィンガリング・クリスマス」1990.12.01
クリスマス・アルバムとしてももちろん最高なんだけど、普通のアルバムとしてもいい曲揃いで、冬のプチベストという趣きも。1990年7月22日サントリーホールでのライブ音源「種明かし」「修学旅行夜行列車南国音楽」……って真夏の演奏で、しかも後者は“南国”なのに、クリスマスアルバムに入れちゃうってのがゴンチチらしいし、実際今これを書くまでその事実を気にしてなかったぐらい、違和感ない。「そりすべり」「ホワイトクリスマス」とった定番クリスマスソングをゴンチチバージョンで聴けるだけでも楽しい1枚。

「無能の人」1991.10.10
「無能の人」1991.10.10
竹中直人は監督としても役者としても全然好きじゃないし、つげ義春原作のこの映画も観たけど嫌いというより苦手だった。しかし!音楽はウクレレをフィーチャーしてかなりいい出来だった。確かアルバムに入ってない曲もあった気がしたが、完全版を聴きたいところ。
収録曲数的にはミニアルバムで、ウクレレものはもっと聴きたかったけど、それは10年後の「made in Ukulele」まで待たなければならなかった……。

「KIT」1991.6.21
「KIT」1991.6.21
この頃は僕は大学生で、近くにCDレンタル屋もなかったので、もっぱら文京区の図書館(レコード所蔵で有名ですね)で借りてそれをテープに落として聴いてた。この後の3枚はみんなそう。ただ、この頃になると他にテクノやら興味のある音楽がいろいろと出てきて、あまり熱心に聴いてはなかった。
また、テレビ東京の深夜にもはや伝説なのかもしれない「モグラネグラ」という番組があって、それに出演してたのも覚えている(特に見てなかったけど)。その番組内だったかは定かじゃないけど、チチ松村氏がクラゲに凝ってる、というのを聞いて、すごいところに目をつけるな!と感心した。
で、このアルバムではクラゲをモチーフにした「水の誘惑」「My Jellyfish」の2曲が収録されていて、特に前者はそのタイトルの詩的さも含めて名曲だと思う。あのクラゲの何も考えてない、リラックス全快ムードがよく出てる。
このアルバムは、その後100円で中古CDをゲット。お買い得だった。

「Gravity Loves Time」1992.7.22
「Gravity Loves Time」1992.7.22
テープもCDも手元にないし、ほとんど印象にないアルバム。ジャケもどうもなぁ……。
そういえばこれがリリースされた大学の頃、学園祭でゴンチチのライブがあって行ったことがあったけど、教室の中でPAも悪く期待はずれであった。

「日曜はダメよ サウンドトラック」1993.6.2
「日曜はダメよ サウンドトラック」1993.6.2
これも図書館で借りたんだけど、全然覚えてない。テレビドラマのサントラだったはず。

「ぼのぼの オリジナルサウンドトラック」1993.9.22
「ぼのぼの オリジナルサウンドトラック」1993.9.22
ゴンチチ・ミーツ・ぼのぼの、ってだけでものすごいマッチングだと思って買ったけど、思っていたような音の感触ではなくてあまり聴かなかった。この頃、ゴンチチは接種過剰になってたので、双子の弟へレンタル移籍したまま現在に至る。
あとで紹介する「made in Ukulele」の方が、よほど「ぼのぼの」感が出てる気がするが……。

この後、しばらく(2、3年ぐらい?)ゴンチチをチェックしたり、聴かなかった。というか、この時期はソロ作や企画ものが多くて、本家GONTITIの活動も活発ではなかったと思う。

「EASY BUSY」1996.11.1
「EASY BUSY」1996.11.1
ゴンチチを忘れかけていた頃にリリースされて「へぇ、こんなの出たんだ」と思ってたが、会社の人が貸してくれて「うわーいいやこれ、しばらく忘れててごめんなさい」と珍しく新品で買った作品。
ジャケやライナーがかわいい。白黒の写真も味があるし。コンセプトは「ゴンチチ、世界旅行に出かける。」という、二人が世界のいろんなところでセッションするというものらしいんだけど、もともと無国籍な音楽だけにハワイのテレサ・ブライトが参加してるようなもろハワイアンっぽい曲以外はあまりそれを感じさせない。打ち込みが使われてるのも、曲のバラつきをおさえていると思う。
先述のテレサ・ブライトの「Share the Moonlight」、「放課後の音楽室」が名曲。このアルバムはかなり好きです。
個人的にはここから後期に突入する、と思う。

「DUO」1997.7.21
「DUO」1997.7.21
参加ミュージシャンや打ち込みが多用された前作「EASY BUSY」の反動からか、二人だけでギターを持ってスタジオにこもり、「作った」というよりは「こさえた」という言葉が似合う、室内楽っぽい雰囲気の小品集。これも会社の別の人に貸してもらって気に入り、新星堂のポイントカードで交換した覚えがあり。

「Strings with Gontiti」1998.7.1
「Strings with Gontiti」1998.7.1
これまた会社の別の人に貸してもらったんだけど(ゴンチチってコンプリートしてる人は少なくても、1枚ぐらい持ってる人って結構いるのだろうか?)、全体的に暗めで僕の好みではなかった。ジャケ通りウェットな感じ。個人的には「DUO」のCTI的雰囲気(うそ。よく知らない)でのストリングスとの共演作品を聴きたかった。

「Red Box」1999.7.23
「Red Box」1999.7.23
2枚続いた生路線から一転、打ち込みを多用したアルバム。と聞いて「EASY BUSY」を期待して買ったらなんか違う。打ち込みがゴンチチのギターとマッチしてるとは思えず、何度か聴いて中古屋に売ってしまった。
またこのアルバムからゴンザレス三上氏が趣味のCGを活かしてジャケットデザインを手がけてるんだけど、趣味のレベルとしては高いものの商品レベルではつらいものが。
ソニー時代最後のオリジナルアルバム。

「GUITARS」2001.3.14
「GUITARS」2001.3.14
ポニーキャニオン移籍第一弾。最近は品川区の図書館でCDを借りてるんだけど、これはその1枚。
「DUO」があるのに、何でまたギターアルバム?と思ったけど、こちらはどちらかというとアグレッシブな演奏が多い。「裏DUO」という趣きで、これはこれでいい内容だった。

「made in Ukulele」2002.5.15
「made in Ukulele」2002.5.15
待ちに待ったウクレレをフィーチャーしたアルバム。CGアニメーション「ぼのぼの クモモの木のこと」のサントラもかねてます。「無能の人」ではウクレレの演奏はゴンチチ以外の人がやってたみたいだけど、こちらは二人が弾いてるようです。旧友松浦雅也も何曲かで参加(今気づいた)
ただ、やはりゴンザレス三上氏のジャケットデザインは「安い」。

「In The Garden」1988.7.21
「In The Garden」1988.7.21
「PHYSICS」1985.2.22
「PHYSICS」1985.2.22
ゴンチチのCDって中古屋であまり見かけなくて、自分の中古ゲットルールでは「1500円以内だったら買っとけ」なんだけど、この2枚はそんなCD。「BODY of」「Spirit of」以前のアルバムって自分の中でほとんど区別ついてなくて、これらもどれがどれかよく分からない。
後者は表記が「ゴンザレス三上&チチ松村」になってて、まだ「ゴンチチ」って名前じゃなかったことが分かる。また、2曲もボーカル入りトラックがあるのも方向性の模索時期という印象。「マダムQと食卓」というタイトルの曲がありますが、ゴンチチは時々他のアルバムのタイトルに関連した曲名があったりします。
前者は「PHYSICS」からアルバム3枚出した後であり、さすがにスタイルのまとまりを見せている。「アンダーソンの庭」「アコーステイック・イール」(デンキウナギにかけてあります)「汗の国」「蒸気の羽根」などタイトルも秀逸。

「サンデーマーケット」1986.4.21
「サンデーマーケット」1986.4.21
「冬の日本人」1986.11.1
「冬の日本人」1986.11.1
「マダムQの遺産」1987.7.22
「マダムQの遺産」1987.7.22
今年鈴鹿へF1観戦に行った時、どうせならと名古屋をブラブラした時に中古屋で一気に手に入れた3枚。ちょうどゴンチチの特集をしたいと思ってたこともあって、「プチ神の啓示」を感じた。
正直、どれがどれだか区別ついてないけど、「マダムQの遺産」には太田裕美による珍しい女声ボーカル曲が入っている。

「Black Ant's Life」1995.9.1
「Black Ant's Life」1995.9.1
そんなこともあり、このところゴンチチがまたマイブームになってたんだけど、品川区図書館がインターネット検索に対応して、所蔵しているゴンチチのアルバムを全部借りた。これはその中の1枚。
発売当時「ジャケがなぁ……」と思ってました(笑)。CM曲「北海道は、どこにある?ここにある!」「はじめてのシャンプー」収録。太田裕美が歌う「口笛ふいて」という曲も収録されてます。

と、最近になってようやく彼らのオリジナルアルバムはほとんど聴いたことになったんですが、まだ未聴のものを紹介しておきます。

「ANOTHER MOOD/脇役であるとも知らずに」1983.7.25・1984.7.1→1990.6.21
「ANOTHER MOOD/脇役であるとも知らずに」1983.7.25・1984.7.1→1990.6.21
これは1stと2ndアルバムをカップリングしたもの。中古で見つけたら買うつもり。「脇役であるとも知らずに」ってすごいいいタイトルだなぁ。

「世界悠々 父なる大河 ライン」1997.06.21
「世界悠々 父なる大河 ライン」1997.06.21
NHKの同名特別番組のサントラミニアルバム。
「Song of Rhein」「Road to Rhein」「Flow」の3曲が収録。

他のCM使用曲などは公式ページ内のこちらにリスト化されてます。

ゴンチチはおそらく数多くのセッションに参加してると思いますが、聴いたことがあるものを紹介します。セッションや演奏参加のリストはこちらをどうぞ。

「CLEMENTINE/EN PRIVE〜東京の休暇」
「CLEMENTINE/EN PRIVE〜東京の休暇」
フランス人歌手、クレモンティーヌの日本独自企画盤。ゴンチチは「L'ete〜夏」「En blanc et noir モノクローム・シネマ」の2曲を提供&演奏。他に小沢健二・田島貴男なども参加。
「原田知世/Summer breeze」
「原田知世/Summer breeze」
原田知世・ミーツ・ボサノバ・ウィズ・ゴンチチ。スタンダードカバー集。

「FANTASTIC PLASTIC MACHINE/SUMMER REVIEW ep」
「FANTASTIC PLASTIC MACHINE/SUMMER REVIEW ep」
アルバム「LUXURY」からの先行シングルで、アルバムにも収録されているユーリズミックスのカバー「There Must Be An Angel」(ショートバージョン)に、ギターでチチ松村氏が参加。小気味よいギターの音色が多幸感を増幅するトラックに仕上がっている。ゴンチチのレコーディングやライブに参加している鶴来正基氏はこの頃のFPMの音づくりのブレーンだったようなのでそのつながりだと思うが、ゴンチチは日本のラウンジの重鎮だよなぁ、と妙に納得した覚えがある。

お次は本の紹介。
チチ松村氏はトークの面白さだけでなく文才もあるのか何冊も本を出しているが、特にクラゲの著書が多く、クラゲ界?では有名なよう。
その中でも彼とクラゲの最初の出会いについて書かれた本がこれ。まだクラゲの飼育が今ほどメジャーじゃなかった時期に創意工夫でクラゲとつきあう様は楽しい。
ゴンザレス三上氏のエッセイ集。ゴンチチはちょっと変わってるところがあるが、チチ松村氏のそれが「ファニー」だとすると、ゴンザレス三上氏は「ストレンジ」という気がする。好きな映画は「2001年宇宙の旅」と「イレイザーヘッド」、アート指向も強く、そういや僕はゴンザレス氏を千葉の根付展で見かけたことがあるや。タイトル通り犬好きなところは共感。
ただ、正直言ってこのエッセイを読んで「もしかして三上さんはゲイなのか?」と思ってしまった。というのも趣味や性格に女性的なところを感じたからですが(笑)。そんなことはないか。

また、ラジオではNHK-FM毎週土19:15〜21:00で「世界の快適音楽セレクション」というGONTITIがテーマ別に選曲するという内容の番組を担当しており、これを機会に聞いてみましたが楽しい内容でした。 ただ、けっこうお休みがあるようです。この番組のファンサイト「快適音楽箱」もどうぞ。

(2002/11/17)